小川洋子「博士の愛した数式」新潮社

公開日: : 最終更新日:2011/11/20 書評(書籍)



帯に惹かれて購入。私の読後感は、その推薦に違わなかった。内容は気が利いているものの、静かであり、特に奇抜ではない。文章も平易である。しかし洗練されている。背広にクリップで留められたメモ用紙、野球選手のカード、阪神の試合の観戦。4人の登場人物の心象の変移。読み進めるに連れ、ジワジワと心に響いてくる。この辺の妙を味わえた。著者の本を読んだのは初めて。ほかの本も読んでみたくなった



p167.不意に博士が立ち上がった。「いかん。子供をいじめてはいかん」そうしてポケットから取り出したメモ用紙に、何やら書き付けたかと思うと、それを食卓の真ん中に置き、部屋から出て行った。あらかじめ、そうすべきことが決まっていたかのような、毅然とした態度だった。そこには怒りも混乱もなく、ただ静寂だけが彼を包んでいた。取り残された三人は黙ってメモ用紙を見つめた。いつまでもそのままじっとして動かなかった。そこにはたった一行、数式が書かれていた。



20050619191530

google adsense

関連記事

no image

宮城谷昌光「新三河物語 下巻」新潮社

hiog: 宮城谷昌光「新三河物語 中巻」新潮社 hiog: 宮城谷昌光「新三河物語 上巻」新潮社

記事を読む

no image

小出義雄「 知識ゼロからのジョギング&マラソン入門」幻冬舎

20071017042800 ランニングを極めてシンプルに教えてくれる本。総じて、難しいこ

記事を読む

no image

芦永奈雄「コミュニケーション力を高める文章の技術」フォレスト出版

20100918215229 文章の技術、というよりは、一言、「言いたいことを探せ」という

記事を読む

no image

林成之「脳に悪い7つの習慣」幻冬舎新書

脳を低温にすることで救急患者の救命の率を上げるという、日大板橋病院で有名だった医師 三歳児神話をサ

記事を読む

no image

三浦展「下流社会マーケティング」日本実業出版社

ベストセラーになった"三浦展「下流社会」光文社新書"の第2弾か。この本のあとにいろいろなところから講

記事を読む

no image

カーマイン・ガロ「スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション」日経BP

20111221223951 タイトルと内容に齟齬がある悪い見本だ。半分くらいはアップル以外の話だ

記事を読む

no image

小阪裕司「招客招福の法則2」日本経済新聞出版社

新聞の連載コラムの単行本化。内容的に日経の堅いイメージとは違うようにも感じるが、日経MJのほうのよう

記事を読む

no image

青木高夫「ずるい!? なぜ欧米人は平気でルールを変えるのか」ディスカヴァー携書

内容がコンパクトにうまく整理できている良書 ホンダの人。排ガスやF1のルールについての言及 よー

記事を読む

no image

リチャード・ワイズマン博士「運のいい人、悪い人 運を鍛える4つの法則」角川書店

だいぶ古い本になる。運について科学的に研究した本として、おもしろく読み、また説得力を感じた。運がいい

記事を読む

no image

ティナ・シーリグ「20歳のときに知っておきたかったこと」阪急コミュニケーションズ

表紙が美しい。近年に稀というくらい。モノクロでなければもっとよかった 全体として、オーガナイズされ

記事を読む

google adsense

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

google adsense

MediaPad M3 LTE プレミアムモデル購入して2か月

20170409130135 もう2か月が経ってしまったけど、記

Windows10アップグレード導入

20160307001116 2台のノートPCにつき、無料のWi

Nexus 6Pが届いた

20151105221617 無事に届いた。 海外荷物受付

Nexus 6Pが発送された

20151103103105 「発送しました」って内容のメールが

Nexus 6Pを発注した

20151031100625 それまでもネット経由でいろいろ調べ

→もっと見る

  • 名前:Max 年齢:人生の2合目くらい 誕生日:夏の暑い日 一言:他言無用ということでお願いします
  • あわせて読みたい
  • にほんブログ村 本ブログへ
PAGE TOP ↑