ロバート・キヨサキほか「金持ち父さん貧乏父さん」筑摩書房



米国の(そしてそれは日本にもあてはまるが)一般に成功とされた生き方に対して、財産形成、暇作り、という観点からアンチテーゼを示す書。現代を生きる人にとり必読の書。初版から5年弱経過して初めて読む。しかし経年劣化はないと思える

この類の書籍において紹介されたアイデアの再出も多い。そういうものを読んだことがない人が、しかも誰もが知っている有名本で、ということであればうってつけの書

外国人の著作によくある、日本人にはわかりにくい比喩や事例で戸惑うこともあるかもしれない。フェニックスの不動産相場とか、テキサス人の話とか、不動産の買い替えに関する税の恩恵とか。現在においてこういう本を読もうとするなら、米国に住むか、日本でその辺を割り引いて読書するか、面倒でも米国のことはひととおり知っておく必要がある。米国のシステムは、(最近はあまり言わないけど)デファクトスタンダードなんだから

本を読まなくても、新聞、雑誌、テレビを注意深くチェックしている人にとってはその思想が断片的に入ってきているのではないか。ときどきファイナンシャルプランニングに関するテレビ番組で、したり顔で「お金に働いてもらう」などと繰り返し言う人が出てきたりする。そのくせ東銀座あたりに身不相応な投資用マンションを買ってしまって資金繰りに困ってどうしましょうみたいな。そのとき、この本を何回か読む。そこでは、小さい金額から始める、マーケットをよく知る、よく勉強をする、ということもあわせて書いてある。それができれば苦労しないと言いたいのはよくわかる



p27.いわゆる「中流」の人たちがいつも借金に追われている理由の1つは、お金に関する教育が学校ではなく家庭で行われるからだ。貧乏な親は子供にこう言うしかない-「学校に行って一生懸命勉強しなさい」

p28.こんなときは「どうやったらそれを買うためのお金を作り出せるだろうか?」と言わなくてはいけない

p30.「頭の中の考えがその人の人生を作る」という言葉が本当であることを知った

p32.ロバート・フロストの詩「ずっとずっと昔/森の中で道が二つに分かれていた。そして私は…/そして私は人があまり通っていない道を選んだ/そのためにどんなに大きな違いができたことか」

p42.「世の中にはお金持ちになる話ばかりして、夢ばかり見ている人がたくさんいる。おまえたちは何かをやった。私はおまえたちのことを誇らしく思うよ。もう一度言う。この調子でがんばれ。あきらめるんじゃない」

p48.私の言葉を聞いたマイクはにやりとした。「何を笑ってんだよ!」私はいらいらして聞いた。「パパはきっときみがそう言い出すだろうって言ってた。きみがやめたくなったら、会いに来いってさ」

p52.「そういう人は人生からつつかれるたびに何かを学び、先に進んでいく。でも、ほとんどの人があきらめる。そして、きみのような一握りの人間が戦う道を選ぶんだ」

p59.「たいていの人は恐怖が原因でひとところで働き続けるってことを覚えておくんだ。この恐怖は、一生懸命勉強して会社に入り、お金のために働くという道を選んだ場合に支払わなければならない代償のようなものだ」

p70.「私の友達の中にも、お金をたくさん持っているのになお働き続けている人は何人もいる。そういう人はお金を失うのが怖いんだ。恐怖をなくそうとしてお金を貯めたというのに、その恐怖が前より大きくなっている」

p76.金持ち父さんはそのあと、人間の一生が「無知」と「啓蒙」のあいだの絶え間ない戦いであることをわかりやすく説明してくれた

p87.ここまでの道のりは木を育てるのに似ている。何年ものあいだ水をやり、手をかけてやれば、ある日、木はあなたを必要としなくなる。根が充分深いところまで達したのだ。それ以後は、木は心地よい日陰を与えてくれ、あなたはその下で自由を満喫すればいい

p89.私は最近、多くの人がお金の心配ばかりしていて、もっと偉大な富、つまり「教育」に心を砕こうとしないことに懸念をいだいている

p90.長い目で見た場合に大切なのは、どれだけの金を稼げるかではなく、どれだけの金を持ち続けることができるかだ

p91.多くの人は早く金持ちになりたいとあせるあまり、6インチ幅のコンクリートの基礎の上にエンパイア・ステート・ビルを建てようとしている

p92.金持ちは資産を手に入れる。中流以下の人たちは負債を手に入れ、資産だと思いこむ

p100.「バカが金を持つとろくなことにならない」

p105.父は私たち子供によく、昔、日本人が信じていたという「3つの力」の話をしてくれた。それは「刀と玉と鏡の力」だ

p107.「その人」はほかの人と同じ道を歩むことを拒否してきた人だ。自分の頭で考え、「みんながそうするから、そうしよう」という言葉には決して耳を貸さなかった。その人は「できない」という言葉も大嫌いだった

p116.実際は、投資そのものが人を危険にさらすことはない。人を危険にさらすのはお金に関する知性の不足だ

p126.純資産額が正確ではない大きな理由の1つは、単純な話だが、資産を売ったときに利益が出ればそれにはすべて税金がかかるということだ

p127.私が考える「本当の資産」

p130.いまの仕事を続けながら、その一方で自分のビジネスを持つことを考えるべきだ

p132.中流以下の人間にとって一番の頭痛の種である税金は、このロビン・フッド的な考え方、つまり「金持ちからお金を取って貧しい人に与える」という考えに由来している

p133.金持ち父さんはマイクと私に、アメリカとイギリスには本来税金というものがなかったと話してくれた

p134.10歳頃から私は、金持ち父さんからは「政府で働いている人たちは怠け者の泥棒だ」と聞かされ、貧乏父さんからは「金持ちは欲の皮のつっぱった詐欺師だ。もっと税金を払わせるべきだ」と聞かされた

p140.金持ち父さんがいつも言っていたのは「知識は力だ」ということだ。お金と同時に大きな力も手に入るが、それを維持し、何倍にも増やすためには、適切な知識が必要だ

p141.金持ち父さんが法律についてよく知っていたのには理由が2つある。1つは法律をきちんと守るよき市民だったから。もう1つは、法律を知らないと「高くつく」ことを知っていたからだ。「自分が正しいとわかっていれば、反撃するのを恐れることはない」

p150.個人の才能の開花を邪魔する最大の要因が、過度の「恐怖心」と「自身のなさ」にあるということだ。答えはわかっているのに行動する勇気がない生徒をみると、私は悲しくなる。現実にはほとんどの場合、頭がいい人よりも「度胸のある」人の方が成功への道を進んでいく

p137.「ファイナンシャル・インテリジェンス」を形作る4つの主な専門知識。1.会計力、2.投資力、3.市場の理解力、4.法律力

p176.人間はまちがえることで学ぶ。ころびながら歩くことを学び、自転車の乗り方を習う

p184.才能のある人間の収入がどんなに少ないか、私はいつも驚かされる

p185.私は出版社に、「そんなタイトルをつけたら、売れるのはたった2冊、私の家族と親友に売るのがやっとだ」と答えた

p197.過度な専門化こそが組合による保護の必要性を生み出した原因である

p197.専門的な技術の中でもっとも大事なのはセールスとマーケティング、つまり売る能力だ。その基本にあるのは他人と意思を疎通させる能力だ

p205.複利の力。マンハッタン島は本当に「いい買い物」か。当時の24ドルを年利8%の複利で投資すると、ロサンゼルスの大部分とマンハッタンを買える

p206.金持ち父さんは私に「テキサス人のようなものの考え方をしろ」とよく言っていた。「私はテキサスも、そこに住む人たちも好きだ。テキサスではなにもかもがほかより大きい。テキサス人は勝つときは大きく勝つし、負けるとなったらとことん負ける。一番好きなのはテキサス人の生き方だ。買ったときはそれを誇りにするが、負けたときはそれを自慢にする」

p207.多くの場合、勝利は敗北のあとにやってくるように思う。ころばず自転車に乗れる、ボールをなくさないゴルファー、失恋のない大恋愛、損をしたことのない金持ち

p208.「だからテキサス人が好きなんだよ。連中は最大の失敗を受け入れ、それを観光名所に変えて大もうけしたんだからな」

p211.金持ちになりたいという気が少しでもあるのなら、焦点を絞る。たくさんの卵をごく少ない数の籠に入れる

p217.「根拠のない疑いや恐怖が臆病な人間を作る。臆病な人間は批判をし、勝利を収める人間は分析をする」

p220.サンダースは66歳のときに生活保護を受けるようになった。そこで、自分が考え出したフライド・チキンの作り方を誰かに買ってもらおうと全国を回った。そして1009回断られ、やっと1010回目に買ってくれる人を見つけた。「彼は勇気と根気をもっていた」

p222.口では「忙しい、忙しい」と言いながらも、心の底では自分が何か大切なことを避けようとしているのだということがわかっている。こういうのが最もよく見受けられる「怠慢」の形だ

p223.「人間の魂というのはひじょうに強いものだ。魂自身は自分が何でもできることを知っている」

p237.まず選択すべきは教育に投資することだ

p238.オーディオテープが好きだ。ピーター・リンチの話で完全に同意できない部分でも20回以上聞いたら意味がわかってきた

p241.富を築くのをさまたげるハードルのうち越えるのがもっともむずかしいのは、自分自身に正直になり、人と違ったことをするのをためらわないことだ

p244.あなたが知っていることがもう時代遅れになっている。問題なのはいかに早く学ぶことができるかだ

p251.金持ち父さんは「その道の専門家」に充分な報酬を支払うことが大事だと信じていた

p254.「資産の欄」を増やすことを第一に考える場合、「インディアン・ギバー」方式をとることは金儲けのために不可欠と言ってよい

p264.ストーブに向かって「おれを温めてくれたら、薪をくべてやるよ!」。ほしいものをまずだれかに与えれば、それが増えて返ってくる

p270.不動産の場合、私は「当方のビジネスパートナーの同意を条件とする」という文言をつけて買付申込をする。これは私の猫だ

p270.調査をする、申込をする、拒否する、交渉する、受諾する-こういったことは人生におけるほとんどすべてのことにつきものだ。独身でだれかと付き合いたいのならば、近所のスーパーマーケットでも行かないよりはましだ



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