司馬遼太郎「功名が辻(2)」文春文庫

公開日: : 最終更新日:2013/03/20 書評(書籍), 司馬遼太郎



20050708090000





(2)は、山崎の戦いから始まって、秀吉の天下取りの時代を描く。その挿話としての秀次一族の殺害が佳境となって(2)が締めくくられる。その中で一豊は少しずつ出世をしていく

来年のNHK大河も、秀吉の方がおもしろく、どうしても主人公のようになってしまうのではないか。「利家とまつ」でもそうだった。まつや千代がいくら才女であっても、夫は秀吉の家来でそれなりなんだし、秀吉の話のほうが、なんど聞いても面白い

(1)についてはリンク先を参照



p28.とにかく伊右衛門の隊は、秀吉麾下の他の将士よりもふんだんにニンニクを食い、鳥獣の肉を食った

p36.が、この男のことだ。陽気なのである。古来、妙なことだが陰気な大将が勝った例はまれである

p46.信長の家来であったころ、あれほど信長に対してはむろんのこと、同僚に対しても腰がひくく、動作の軽々しすぎる男が、この日から人変りがした。参謀の黒田官兵衛が、「そうしなされ」と知恵をつけたのだともいう

p56.-秀吉は人を殺さぬ。殺さずに、外交をもって降参させる。降参してきた敵には、命を保証するばかりか、旧領を与える場合が多い。天下はそう見た

P66.「やよ、よいか。築州大よろこび、踊りあがり踊りあがり踊りあがり、とうとう尻餅をつき候ぞ」

p140.あっ、とおもったのは、北政所が十歳になるよね姫の存在を知ってくれていたことである

p172.「京都のお屋敷は分不相応なものを建てましょう。関白殿下は、大気なことがお好きでございます。山内対馬守はまだまだ望みが大きいとみえる、ときっとお思いあそばすにちがいありませぬ。さればつぎはもっと大きな役目を頂戴できましょう」

p187.承雲の口から、千代の噂はぱっと市中にひろまった。それが、九州征伐中の秀吉の耳にさえ入ったというから、うわさというものはおそろしい

p210.難攻不落といわれた箱根と大坂城は2度の戦歴をもち、2度とも破れている。防衛戦の勝ち目のなさが、これでわかるであろう

p229.観戦している秀吉でさえ、眼をそむけた。(男なのだ)真下にいる伊右衛門はおもった。(男は所詮、功名の化物のようなものだ。その執念が、堀にぶらさがっている)

p250.日本列島は長い。長すぎるために、1つの政権が日本を完全に統治しえた例はなく、つねに西部政権と東部政権とがあった

p293.おそらく豊臣滅亡後ほどもないころであろう、付近のひとが何を思ったのか、紅桃3万本を植えた。-あの桃山に城のあった時代はよかった。と、都の者はおもったであろう

p306.「いつもの一豊様で律儀でおすごしあそばしているだけでよく、ゆめゆめそういう才覚者同士の政争に巻きこまれてはなりませぬ。一誠足らずの才覚者は人望がなく、たとえ才智を闘わせてどちらが勝とうと、いずれは憎まれて勝ったほうもほろびます。一豊様は一豊様なりにご自分の場所におすわりあそばしていればいいのでございます」





google adsense

関連記事

no image

岩田健太郎「1秒もムダに生きない」光文社新書

20120203235145 正確で正直な人なんだなと思う。自分の考えを伝えるに際しても多くの留保

記事を読む

no image

河田惠昭「津波災害」岩波新書

20140901232857 津波災害――減災社会を築く (岩波新書)著者 : 河田惠昭岩波書店発

記事を読む

no image

野口悠紀雄「グーグルとトヨタは本質的に異なる企業(日本の選択第14回)」週刊東洋経済2011.9.17

グーグルについては、著者はこの本で絶賛している 野口悠紀雄「ゴールドラッシュの「超」ビジネスモデル

記事を読む

佐藤優「サバイバル宗教論」文春新書

20140712165447 サバイバル宗教論 (文春新書)著者 : 佐藤優文藝春秋発売日 : 2

記事を読む

no image

國分康孝「カウンセリング心理学入門」PHP新書

この本を読んでいる間にも別の文献に筆者のお名前やコメントを拝見したりという具合に、かなりの人物のよう

記事を読む

no image

岩崎夏海「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」ダイヤモンド社

それなりに面白かった。じっくりと練られている うまくドラッカーを伝えられている。また野球というスポ

記事を読む

no image

竹中平蔵「経済古典は役に立つ」光文社新書

20120408235751 経済学の歴史を手早く追いかけられる。紹介の仕方が中庸、影響を受ける心

記事を読む

no image

日経産業新聞編「ウェブ2.0で稼ぐ!」日本経済新聞出版社

最初に書き留めておきたいのは、この本を読んでも決してウェブ2.0で稼ぐことはできないということだ

記事を読む

no image

山崎隆「大震災改訂版 東京のどこに住むのが安心か」講談社

20130405011526 これは、ちょっとふるい本で、2011年11月に出版されている

記事を読む

no image

山名宏和「アイデアを盗む技術」幻冬舎新書

20111210235255 正直、序盤は退屈だったが、尻上がりに面白くなってきた新書。この著作な

記事を読む

google adsense

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

google adsense

MediaPad M3 LTE プレミアムモデル購入して2か月

20170409130135 もう2か月が経ってしまったけど、記

Windows10アップグレード導入

20160307001116 2台のノートPCにつき、無料のWi

Nexus 6Pが届いた

20151105221617 無事に届いた。 海外荷物受付

Nexus 6Pが発送された

20151103103105 「発送しました」って内容のメールが

Nexus 6Pを発注した

20151031100625 それまでもネット経由でいろいろ調べ

→もっと見る

  • 名前:Max 年齢:人生の2合目くらい 誕生日:夏の暑い日 一言:他言無用ということでお願いします
  • あわせて読みたい
  • にほんブログ村 本ブログへ
PAGE TOP ↑