藤原和博「お金じゃ買えない。」ちくま文庫

公開日: : 最終更新日:2012/02/10 書評(書籍), 藤原和博



こういう本や、こういう本を読んだので、せっかくなので、あわせて読むことを勧められていたものを読んでみたのが本書

末尾の評でテリー伊藤さんも言っているが、私もそうだ。会社の飲み会には行かない。ゴルフに参加しない。知己に沙汰なし。なんの躊躇もない

自分史は余計だ

それ以外、下の引用にイタリックで個別にコメントした。私もなんだかんだ茶々を入れているが、これだけ連想されるのだから著者の力によるものなんだと思う



p8.革命はひとりからはじまる。「なんか、おかしいな?」「どっか、ヘンだな?」と思ったら、まずいったん渦中にいるシステムから逃れて、自分の見方を自分のほうから変えてみる。自分の中にある意識を、自分の一番好きなものをきっかけに革命的に変えてみる



…完全に同意



p16.接待もゴルフも、実際にやめてみると、それほどダメージがないことに驚き、今までの自分の思い込みに呆れてしまった。そして、豊かな時間が与えられたことに感謝した



…私と同じ考えであり嬉しい。私くらいかと思っていたが、こうやって何度も本に書いてくれる人がいるとは…



p25.何でもかんでも奥さん同伴がいいとは思わない。人に無理やり勧める気もない。ただ大きな仕事をしようとするときには、必ず相手のパートナー(通常は奥さん)とも会って、子供もどんな奴なのか顔つきぐらいは確かめてから臨むようにしようと決めている

p29.”アートへのこだわり”と私自身は思っていたが、それは勘違いだった。”現代的なスタイル”だと週刊誌は取り上げたが、それも大きな誤解だった。自分の気力が弱まると、何か無性に買い物がしたくなる―それだけのことだった

p40.”じぶん”の意識を守るためには、無条件の反復行為による無意識の自己破壊から逃れなければならない

p55.黄金を探しにいく船にみんなで投資して、夢叶って儲けることができたら解散する筋合いの一時的な存在が、「生き続けたい」という思いにかられてしまったもの。それが今日の企業の姿だ



…大航海時代まで会社機能を遡らせるという本質に立ち返って説き起こすのは、極めて好ましい



p61.「革命は、2万キロメートルかなたの別の世界で起こり、テレビで観るというようなものではない」



…ちょっと意味が取れない



p88.アール・ド・ヴィーヴル:「何よりも生きることを楽しみ、日常の平凡さから抜け出る知恵です。ご婦人に道を譲りながらその服装や髪型を褒めることや、料理を楽しむために美しいテーブルクロスを選ぶことも入ります」



…同意



p111.沖縄のリゾートホテル、プリンターのカスタマーサービス。この2つのケースとも、現場で一生懸命やっている若者にカケラも罪はない。むしろ両方とも、私は現場のホスピタリティを評価する。問題は、このような情けないシステムを放置しているマネジメントの側にある。2つのケースはいずれも、今、日本のあちこちに噴き出している歪んだ経済成長の”膿”のようなものを代表している。そこにチャンスが出てくる



…完全に同意



p117.偉くなるほど、接待、査定、会議のSSK比率が多くなってシゴトをする時間がなくなり、定年で突然、外の社会では通用しない自分に気づかされる。それでも”上司”やりますか?



…著者の持論であり、別の本にも書いてある、著者の考えのうち、もっとも印象的なものの1つ。これには賛同しがたい。これらも大事な仕事であり、おそらくは運用に問題があるのではと考えている。一般論として人に任せないとそれなりの仕事はできない。現在同時並行で読んでいる「金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント」の4分類に当てはめると、筆者がS(elf-Employed)に分類されることが明確になる。一匹狼的に完璧を目指すから、大きな仕事はできず、会社のトップにはなれない。どうもこの辺が私にピンと来ないところなのだ。組織として動くときには、残念ながら個人が犠牲にしなければならないものがある。各構成員が、法人という幻想に相当の肩入れをすることでカタルシスを得るしかない場面もある。中国の大きな工場で、対日輸出用に、何百人のオバちゃんが並んで手作業で甘栗を向いている。このオバちゃんたちに、著者のいう”シゴト”は当てはまらない。リクルートの人は、というと私の偏見かもしれないが、個人名が大きく出すぎ、会社は単なる活動の場であって、そこを使ってめいいっぱい自分のやりたいことをやる、という色が濃すぎるのではないか、それが会社の方向と一致するというのがリクルートの特異なところではないのか、と。多くの企業においては、なかなか当てはまらず、それでは経営者や株主は不安に駆られるのではないかと思う。ひどいことをいうようだが、会社のためだということで死ぬ思いまでして頑張っても経営から見ればそこまでしなくても、ということもある



p119.こうして2度3度と問いかけるうちに、研修者は次第に混乱し、自分の言動に自信をなくす。トレーナーが”神”になれる瞬間だ



…ウマイ



p123.ただでさえめまいがしている患者から血を抜いて、いきなり検査だという。「あのー、先生。お言葉ですが、今年流行っている、あのお腹にくる風邪じゃないんでしょうか?」「はあ、そういう可能性もありますよ。風邪薬、出しておきますか?それでいいんですか?」



…著者は医者に対する理解がなく、医者の使い方が分かっていない。この医者の反応は極めて正しい。そして極度に専門的な職業に対する態度、考え方については前の本でも気になったところがあった



p130.与信のプロのはずの銀行がサボっている間に、個人に対する与信能力を磨いてこのマーケットを下流から侵食しているのが、消費者金融業界だ。車の保険では、このへんのスキをつく外資系保険会社が続々と現れた



…こういう事例をあげるところは気に入っている。こういう「あるべきと事実が違う」という虚の部分に興味がある



p165.なぜR社に就職したのか。社風がよかった。先輩も上司も部長も、私が読んでいた企業経営もののドキュメントによく出てくる権威主義タイプの人とは違い、オープンで風通しがいい感じだった。採用担当の人が熱心でビジネスマンとしても尊敬できた。OLが皆綺麗で明るく、この人たちとなら働けるなと思った。しかしそれらは十分条件の一部に過ぎない。社長の印象ではない。仕事のテーマも違う。私は、”はずして”みたかったんだと思う

p181.禅の哲学:「この一瞬は永遠であり、永遠とは今、このときのことだ」

p200.死ぬまでの残り時間でやりたいと思ったこと、それらは、実は、健康な私が、今、すぐにでもできることでは、なかったか。「あなた、何で、今すぐそれをしないんですか?」

P207.次のステージへのジャンプを期して、思いっきり、「逃げる」「避ける」「断る」「減らす」「止める」



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