ロバート・キヨサキほか「金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント」筑摩書房

公開日: : 最終更新日:2012/02/03 書評(書籍)



豊富な事例を滝のように出してくれる。同じ主張を、手を換え品を換え、これでもかこれでもかと説得される

EやSからBやIへと移行するためのノウハウの提供というのが主題。その中で、給料生活者と事業者の違いを説明している。この辺も事情は日米で変わらないのだろうか、日本でも通用する。ただ、給与所得の所得控除は十分であるという意見もある。来年からだったか、会社設立が格段に容易になったとき、個人が会社を設立する動きが始まるかもしれない

E,S,B,Iの分類のほか、投資家の7つのレベルの説明もある。これもなかなかうまくできている。最終段階まで気づきもしなかったというのが、一般人にとってのこの本の価値なのだろう

単なる物書きではない、と感じさせる本気さがある。何度も出てくるアイデアである「実はBやIのアドバイザーが実は自らBやIでなく、Eだったりする」というところは快哉。自分のことを言っている

そしてアメリカ人らしい、自分への誘導。キャッシュフローゲームをやれとかこの本を読めとか。こういうところに個人的には個にならないけど日本人としてはちょっと胡散臭く感じるのかもしれない

素朴な疑問として、こういう考え方でBやIを目指す人ばかりでも困るなあ、という感じ。これは杞憂か



p12.「私は懸命に働いているのか、それとも賢明に働いているのか?」

p19.人生で成功を収めた人の多くは、大学を卒業する前に学校をやめている。GEのトーマス・エジソン、フォードのヘンリー・フォード、MSのビル・ゲイツ、CNNのテッド・ターナー、デルのマイケル・デル、アップルコンピュータのスティーヴ・ジョブス、ポロのラルフ・ローレン。大学での教育は既存の職業につこうとする人にとっては大事だ

p26.共和党から立候補した知事候補と父は予想通り負けた。再選された州知事は、私の父がハワイ州政府の仕事に2度とつけないように手を回した

p33.4つのクワドラントに属する人はそれぞれ使う言葉と価値観が違う。その例示

p34.「ある人が聞けば大喜びするような言葉でも、別の人が聞いたら拒否反応を起こす場合だってある」

p35.E、安定していることの方がお金よりも大事な場合がある

p35.S、自分が稼いだお金の管理を、自分ほど一生懸命働いていないかもしれない人間に任せるのがいやなのだ

P36.S、完璧主義者であることが多い。自分よりうなくできる人間はいないと思っているので、人には任せない

p37.Sタイプの人の多くが他人を雇ったり教育することにあまり熱心でないのは、仕事を覚えた人が最終的には競争相手となるからだ。だから結局、彼らは一人でせっせと働き何でも自分でやり続ける

p37.B、「人を雇ってそれをやってもらうことができて、しかも自分でやるよりうまくやってくれるとしたら、自分でやることはない」

p38.ヘンリー・フォード、「私なら、何か問題があったら、立派な教育を受けた頭のいい人たちを雇って答えを出させる。そうすれば、自分の頭はすっきりした状態に保つことができ、もっと大事なことに使えるからね。大事なことというのは例えば『考える』といったことだよ」

p40.Bとして成功するために必要な2つ;1)システムを持っている、あるいはシステムをコントロールする権限を持っていること、2)他人の上に立ってリーダーシップをとる能力を持っていること

p48.医者の友人の何人かは、現代社会の大きな問題は一生懸命働いているのに決して充分なお金が手に入らないところからくるストレスだと言っている。友人の女医は、健康を害する最大の原因を「財布のガン」と呼んでいる

p52.公認会計士の友人が、顧客の秘密保持の原則を破らない範囲で話してくれたことによると、いわゆる投資アドバイザーたちの多くが投資から収入を得ていない。つまり、彼らは人に説教をするだけで実行していないのだ

p60.バフェット;投資を分散するよりもポートフォリオを集中させる、つまり少数の投資に絞り込む方が投資戦略としてすぐれている

p88.「金持ちと貧乏人の唯一の違いは、暇な時間に何をするかだ」

p98.大きな会社に関わるシステムのすべてをマスターしようとしたら、その会社で10年から15年働き、ビジネスのすべての側面について学ばなければならない。それでやっと、会社を辞めて自分の会社をスタートさせる準備が整う。よい業績をあげている大企業で働くことは、よき師から教えを受けながら給料をもらっているようなものだ

p104.成功するためには断られることを恐れる気持ちを克服する方法を学ぶ必要がある

p105.クワドラントの左側から右側へ移動するときに大事なのは、「何をするか」ではなくて「どんな人間になるか」だ。断られることに対する恐怖心を克服し、他人が自分のことをどう思うかなど気にせず、人をリードする―この3つの方法をマスターできれば富を手に入れることができる

p117.精神科医によると、臆病とは恐怖と無知が合わさったもので、ときには傲慢へと変化する

p123.レベル5の投資家は投資を「小売」ではなく「卸売」で買うことが多い。彼らは取引を自分で作り出す

p128.現実には、資本家よりすね者の数の方がすっと多い。すね者は騒ぎ立てるばかりで、多くの大衆を恐怖に縛りつけ、自由ではなく安定を求めることしかしない。「すね者を記念して立てられた銅像を見たこともなければ、彼らが大学を創立したという話も聞いたことがない」;友人のキース・カニンガムの言葉

p135.だれかが「そんなことあなたにはできませんよ」と言った場合、その人の親指をのぞく4本の指のうち確かに1本はあなたを指しているかもしれないが、残りの3本はその人自身を指しているということだ

p138.投資そのものは危険ではない。投資をする人が無知であることが危険なのだ。投資は飛行機を飛ばすのに似ている

p143.mortgageの本来の意味は「死ぬまで続く取り決め」。financeの本来の意味は「罰」



…なるほど、「mort」や「fin」の部分に気がつけば道理。こういう本来の意味に立ち返るのは大好き



p144.real estateのrealとはスペイン語で「王室の」という意味。カミーノ・レアルは、「王の道」から「幹線道路」。同様にリアル・エステートは「王の地所」を意味する



…この1つだけとってもこの本を読んだ意味があった



p155.「儲けが出るのは買ったときで、売ったときではない」

p158.意見と事実の違い。意見;「筋肉隆々としているからあの人は健康に違いない」、「間違いをする人はばかだ」、「あの人はそんな安い値段では絶対売ってくれない」、「彼女は絶対ぼくとデートしてくれない」

p160.ウォーレン・バフェット、「ポーカーをやり始めて20分たってまだだれがカモかわからない人は、自分がカモなのだ」

p166.金持ち父さんがお金を麻薬と呼んだ理由は、お金があるととてもしあわせそうで、お金がないとイライラしたりふきげんになる人をたくさん見てきたからだ。ヘロイン中毒の人と同じだ

p172.既存の教育システムと、若者に対するその悪影響を父がどれほど憎んでいるか、私はこのときまで知らなかった

p188.私はこの話を聞いて、それまでに出会ったたくさんの人たち、「世界を変えるのだ」と意気込んできるが結局どこにも行きつくことのない人たちのことを思い出した。彼らは他人を変えたいと思っていた。だが、自分を変えようとはしなかった

p191.恐怖のせいでキャッシュフロー・クワドラントの1つの領域から出られないでいる人は、ダニエル・ゴールマンの書いた”Emotional Intelligence”(邦題「EQ-こころの知能指数」)を読むといい。この本のなかでゴールマンは、学校でよい成績をとった人が実社会でかならずしも金持ちになるとはかぎらないという、昔から言われている「謎」の解明を試みている。ゴールマンはその理由を、学問的な知性よりも感情面の知性のほうが強いからだとしている。だからこそ、危険を冒し、間違いを犯してそこから立ち直った人の方が、危険を恐れるあまり、間違いをしないことだけを学んできた人よりも成功する確率が大きい



…引用文献にまず邦訳があるのは日本に生まれたメリット



p192.ゴールマンは16世紀オランダの人文学者エラスムスの言葉を引用している。エラスムスは、感情的な脳と理知的な脳との力関係は24対1だと言っている。言い換えれば、感情が高ぶっているときは、感情の方が理性の24倍の強さを持っているということだ

p200.ある日、父はふと次のように口にした。「私は名門大学を卒業し、修士号、博士号も持っている。お前の友達の父さんはいったい何を持っているんだ?」私は少し間をおいてから静かに答えた。「お金と、自由な時間だよ」

p201.金持ち父さんがこういった言葉を使うことを厳しく禁じた理由は、人類が利用できる道具のなかで最も強力なのは言葉だと心から信じていたからだ。人が言ったり考えたりしたことは現実のものになる

p204.あの時期、私をつねに励ましてくれた言葉が2つある。1つは、私がもうやめて引き返そうかと思っていたとき、金持ち父さんが私にくれたアドバイスの言葉だ。「やめるのはいつだってできる。それなら、なにもいまやめることはないじゃないか」。もう1つは「巨人はよくつまずいて倒れる。/だがミミズはそんなことはない。/なぜなら、穴を掘り、/這い回っているだけだから」

p217.経済が上向きのときはいつもヒーローが登場し、下向きのときは悪者が出てくる。歴史を振り返ってみると、それが同一人物であることがよくある。人はお金に関する自分の無知の責任を転嫁する対象として、「魔女」や「世界的陰謀」などをいつも必要とする

p220.私の場合、税制上の優遇措置を考えに入れないでも充分採算がとれることが投資の絶対条件だ。どんな税制上の優遇措置も、投資をさらに有利なものにするために利用するのはかまわないが、それをあてにしてはいけない

p221.次に私は、その家を評価額通りの10万ドルで売る広告を出す。広告には次のような魔法の言葉も付け加える―「売家。売主直売。銀行のローン審査不要。頭金は低額。月々の返済も簡単」



…アメリカの住宅地には、よく「For Sale」の看板を見かける。しかし、日本で家そのものにそういう広告がついていることはあまり見ないのはどうしてだろう



p230.新しい考え方をし始めた人が経験する試練で一番たいへんなのは、友人や家族、親戚をはじめ、それこそ数え切れないほどの人から「そんなことはきみにはできない」と言われることだ。もしあなたがそういう狭い考えに左右されず、「よし、私はそのやり方を知っているから、教えてあげよう」といってくれる人たちを見つけることができれば、あなたの人生はずっと楽になるだろう

p234.歴史を振り返ってみるとわかるが、いつの時代であれ75歳まで生きた人は2回の景気後退と1回の不況を経験している

p234.日系人である私は差別を身をもって経験している。たしかにキャッシュフロー・クワドラントの左側には差別が存在する。とくに会社などではそうだ。外見、出身校、皮膚の色、性別…こういったことの違いが左側ではものを言う。だが、右側ではそんなものは意味がない。右側での最大の関心事は公平や安定ではなく、自由と、このゲームを愛する心だ。公平でないことこそがこのゲームの肝心なところなのだ

p238.会社の設立によって、損は出資金の範囲に制限され、それ以上は出さなくてすむようになった。つまり、金持ちは出資したお金を危険にさらすだけ。一方、船員たちは命を危険にさらした。いまもこの時代と状況はあまり変わっていない



…ウーン、唸ってしまう



p248.「ローマは一日にしてならず」ということわざもみなさんは耳にしたことがあるだろう。学ばなければならないことがたくさんありすぎてくじけそうになったとき、私がいつも思い出すのは「象を食べるときはどうするか?」ということわざだ。この質問に対する答えは簡単。「一口ずつ」だ

p248.「走れるようになるには、まず歩かなければならない」

p249.いつも「正しい」答えをさがしてばかりいる人は、「分析麻痺」と呼ばれる病気にかかっていることが多い。とくに高い教育を受けた人のなかにこの病気にかかっている人が多い。私たちは間違いを繰り返すことによって歩き方や自転車の乗り方を学んできた。間違いを犯すのがこわくて行動に移れない人は、頭脳的にはすぐれているかもしれないが、感情的、身体的に問題をかかえていると言ってもいい

p280.Aタイプの投資家は問題をさがす。とくに、お金に関することで困った状況におちいった人たちによって引き起こされた問題にいつも注意している。問題解決の得意な投資家は、自分が投資したお金に25%から無限大の利子がつくことを期待している

p285.私と妻のキムは賃貸用アパートに関する問題解決が得意だ。私たちが投資するのは主に小規模から中規模のアパートで、それ以外のアパートの市場状況についてはほとんど知らない。私たちは投資を分散することはしない。別の分野に投資をしたいと思った場合、私はBタイプの投資家に変身する。つまり、その分野で高い実績をあげている人を見つけてお金を託す

p286.投資について学ぶために、1)金融・投資関係のセミナーに出席する、2)売家を見つけ、不動産屋に詳細を聞く、3)複数の株式ブローカーに会って推奨株の話を聞く、4)投資に関する情報誌を定期購読する、5)これらを続ける

p287.ビジネスについて学ぶために、1)ビジネスブローカーに売り物を聞く、2)ネットワーク・ビジネスのセミナーに参加してそのシステムについて学ぶ、3)ビジネスチャンスの集会に参加したり、産業見本市に行く、4)ビジネス関係の新聞や雑誌を定期購読する

p291.エベレストに登ろうと思ったら、だれでも経験者をさがしてアドバイスを求める。それなのに、お金の世界でエベレストに登るときには、ほとんどの人が、自分自身が沼地にはまって出られないでいる人からアドバイスをもらおうとする

p292.私はゴルフをやり、ときどきレッスンを受けるが、専任のコーチはいない。私がゴルフをしてお金をもらうのでなく、お金を払ってプレーしているのはおそらくこのためだろう

p298.金持ち父さんは、私が大きな失望に対処する方法を学ぶのを助けてくれた。「自分の腕一本で財を成した人が少ない理由は、失望に耐えられる人が少ないからだ。失望に耐えられない人はそれに正面から立ち向かう方法を学ぼうとせず、避けることばかり考えて一生を終える」「失望を避ける代わりに、それを覚悟して準備をしておくことだ。失望は学習の大切な一部だ。間違いから学ぶのと同じように、私たちは失望によって強い精神力を見につける」「すべてが自分の思い通りにいくと思っているのは愚か者だけだ。失望させられる覚悟をしておけと言っても、弱気になれとか負け犬になれというのではない。起こってほしくないと思っていることが思いがけなく起こるかもしれないから、それに対して心と頭の準備をしておけということだ。準備しておけば、ものごとが自分の思い通りにいかなくてもあわてず落ち着いて行動できる」

p300.友人のキース・カニンガムがいつも言っているように、「多くの人は、通りの信号がずっと先まで全部青になるまで出発しようとしない。彼らがどこにも行きつかないのはそのためだ」

p304.学校の成績がよくなかった、クラスで人気がなかった、数学が苦手だ、金持ちだ、貧乏だ…そのほかどんな理由であれ、自分が引け目を感じることがたとえあったとしても、長い目で見たらそんなものはなんの意味もない。短所や欠点といったものは、それが自分の足を引っ張ると自分が思ったときにだけそうなる



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