竹村健一「竹村健一の最後に勝ちを拾う発想法」青春出版社

公開日: : 最終更新日:2011/09/07 書評(書籍)

微妙だよな。興味深い事例に溢れており、楽しく読み通すことができる。そして著者の主張にも概ね首肯できる。価格ほどの価値があることは認められる。ただ、なんか、本としてオーガナイズされていないんだなと強烈に感じる 本人の零れ落ちそうなほどの知識と慧眼が本にまとめられて廉価で得ることができるようにするのは極めてありがたい。だが、正直、これってテーマを決めて本人にフリートークさせたものをテープ起こししただけでしょう、という感じがする。今回の竹村氏の著作や、最近では渡部昇一氏のものもそんな感じがする。最終的に本人が全部チェックしているということもあるのかもしれないが、それにしても一冊の本としての体裁に欠けるところがある。現在、絶版になっているという点も、この印象を強めている たとえば、下に引用する中で、最後の2つのポイントは深く考えても、どうやら矛盾するような気がする。それが数ページの近接したところで同居しているのだ ある著者がいるとき、その全著作がそれぞれ新たな切り口を提示してくれるとうれしい。そのように著者ライブラリの構成を考えてあるとうれしい。同じことを言葉を変えて別の本にしているような、濫造の作家もいるが、そういうのは買いたくなくなってしまう。同様にひとつの本の中にも、同様の小世界があったほうがいいのではないかと思う 著者のような該博な知識と経験を持っている場合には、こういう心配は無用なのかもしれない。しかし、そういうことを連想させた一冊であった p17.問題提起型の人間は人と競争する必要はない。いつも共通の問題を出されて、それに答えて育つ。いわれたことをやるのに慣れてしまって、いわれる前に何をするか、自分で問題を考える習慣がついていない。すると、みんながやることの中に入っていくので、必然的に競争になる。しかも、その競争はスポーツほど単純明快なものではなく、しばしば醜い面さえ見せる p34.よく考えてみると、悪いことでもしないかぎり、世の中にそう恥ずかしいことなどないものだ。自分で勝手に恥ずかしがっている。しかも、その恥ずかしがる対象となる人たちは自分と同等かそれ以下のことが多い。自分より上の人に対しては、自分の失敗などさほど気にならないのだ p39.沈黙せし右脳は、細部にこだわらず、したがって、左脳よりはるかに素早く本質とか確信だけをとらえるという飛躍の能力がある。独創力を養うためには、右脳開発が不可欠の条件となるわけだ p42.京セラの稲盛和夫氏はいう。「独創的な発想は、悩みと苦しみの中から出てくる。問題に直面して悩み苦しんでいるうちに、潜在意識のそこから発想が生まれてくる。とことん追い詰められた精神状況にならなければ、創造的な仕事はできない」と p48.膨大な情報を整理し、自分のものにするには、それだけの体験的裏づけがなくてはならない。情報が洪水のようにあふれる現代社会だからこそ、一層体験的裏づけが多く必要とされる p50.固定観念とか常識とかに縛られているかぎり、大きな夢を追いかけて、好きな道を、ラクに、合理的に歩むことができないから、それをすすめるのだ。好きな道、ラクな道、合理的な道というものには、あんがい世間の風当たりが強いものだ。その道を歩み続けるためには、かなりの勇気が必要だし、独創性を発揮しなければ押し寄せる波を乗り切れない p82.麻雀小説などで知られる作家、阿佐田哲也氏は、「プロのギャンブラーというと、世間ではいつも一か八かの勝負をやっているように受けとられているが、実はそうでもない。プロギャンブラーはフォームというものをとても重視する。野球でいえば通算打率を、常に念頭に入れておかないと、やっていけないところがある。結局、基本も基本、きわめて初歩的なことを忠実にやることになる」 p89.「人生到るところに青山あり」で、一つがダメなら次はこちらと考える方がいいことが多い。そういう態度でいると、一つの望みが叶ったときでも、有頂天になりすぎない。過度の気負いがないから、実力も十分発揮できる p97.「全員一致の意見は却下される」というイスラエルの有名な不文律に見習うわけではないが、私は常に多数意見には反する立場から考えてみることにしている。物事は常に多面的なもので、一方向だけからの視点で考えるのは危険だからだ昔の引用の原典が見つかった p98.”人がみな同じ方向に向いて行く それを横より見ている心”という石川啄木の詩は、彼の境遇、その時代的背景を超えて、我々の心に強く訴えるものを持っている。それは、群衆の波にのみこまれていない彼の目のたしかさとバランス感覚によって、普遍的な人間の本性をついているからこその共感だ p99.坂本龍馬の手帳:「薄情の道、不人情の道、わするることなかれ」「衆人みな善をなさば、我れ独り悪をなせ。天下のことみなしかり」 p123.瀬島龍三氏の情報収集の秘訣:「特殊な情報など、そう多くあるものではない。情報源のほとんどは、内外の新聞記事である。一つの目的意識を持って新聞や資料を読めば、バラバラの情報からでも、グレードの高い新しい情報が生まれてくるものだ」 p124.日本の新聞を読む場合、大きな見出しの記事よりも、小さなベタ記事に注目すべき。大きいニュースは自然と耳に入ってくるし、余分な色づけもされている。小さな記事は、クールに、客観的事実だけが語られている。小さいのは小さく評価されているか、まだ十分な裏づけが取れていないのだろうが、そういう方が世界の常識からすれば重要な意味を持つことは案外多いし、これから大きく育つ可能性もある p125.新聞の見出しを読めば内容もわかる、というのはウソだ。見出しは新聞社の編集方針に影響され、かなり主観的な立て方をされる。中身にウソはない、 p160.他人の頭は大いに活用する。「賢者は愚者に学び、愚者は賢者に学ばず」 p194.思ったことを正直にその場で口に出す。後で陰でこそこそ悪くいったり、いわぬまでも頭の中に不満の種を残しておくよりも、ズバッといってしまった方がよほどすっきりする p198.明らかに自分の主張が正しくて、しかも相手方がなかなかその間違いに気づかなかったり、折れるのを嫌がったらどうするか。それ以上追い詰めないのが紳士淑女のマナーであろう 20050915002106
竹村健一の最後に勝ちを拾う発想法
posted with 簡単リンクくん at 2005. 9.15
竹村 健一著 青春出版社 (2002.4) この本は現在お取り扱いできません。
 

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