渋井真帆「渋井真帆の日経新聞読みこなし隊」日本経済新聞社

公開日: : 最終更新日:2011/09/23 書評(書籍)



確かに大学時代に日経を定期購読してみても、満足に読みこなせずにそのまま古新聞に、ということが過去にあった気がする。そういう日経への取っ付き難さに対するアドバイスが豊富にあるのが、この本。この本自体に知識が詰まっているということではなく、触媒というか、ヒント集というか、眼鏡拭きというか、そういう感じ

大学生以下で日経を読みたいけど読めないという人が導入で読むべき本としては強く勧められる。日経を毎日読めている普通の社会人であれば、特に新たに得る知識はない。私は小1時間くらいで読み終わってしまった

あと指摘しておくことは、日本経済新聞社が出版しているので手前味噌。昔、日経を新規購読したりすると、日経の読み方の小冊子をくれるようなことがあった。それよりは全然お勧め。この本もそうやって来年の新社会人の定期購読獲得の競争に使ったらどうか

ただ、著者が主張するほど、日経も面白いものではないと思うし、新聞全般にそれほどの存在意義があるとも思わない。よく言われるが、記者クラブでニュースを手抜きで仕入れ、一斉の休刊日で仲良く息抜きするような、競争の意識の低い現在の新聞界に、本当に存在意義があるのかな、と思う

まあ、日経も他の全国紙に比べたら全然ましという程度。競争するという意味では日経内部ではあるが、日経金融とか日経MJとか日経ビジネスとか。日経外では、産経の新しい経済新聞とか、雑誌でダイヤモンド、東洋経済あたりとあわせて読むといいのではないかと思う

たまには新刊をレビューした



p42.日経新聞の記事はおよそ30万字で作られている。これは新書判で3冊分にあたる

p80.「良い・悪い」とか「正義・悪」といった主観的な概念は日経新聞のフィルターにはない

p93.ヒルズ族の代表格の楽天やライブドアとトヨタを年間売上高や従業員数で比べると、一瞬では何ケタ違うかわからないくらいケタ違い。社長のキャラクターや新しいビジネスを知るという観点からはヒルズ族の記事も興味深いが、現時点ではトヨタの記事のほうが重要

p104.男はあきらめ切れません。そこで個人の大富豪たちに熱意を持って説得しました。今度は「お金を貸してくれ」とは言いません。「お金を出してくれ」と頼みました。「その代わり無事戻ってきたら、出してくれたお金の比率に従って利益の分け前を配分するから。うまくいけば100倍にはなるよ」と、男は言いました。「ほほう」大富豪たちは思いました。1人で出すのはご免だけど、余っているお金を何十人かで出し合えば、男のプロジェクトIを実現することができるはず。たとえ男が失敗しても「ああ。いい夢を見させてもらった」程度で済む損失だ。そのお金を銀行に預けても、預けた資金を使って銀行がどんなに儲けても初めから決まった利率の利息しかくれないけれど、こちらのほうは成功すれば大きなリターンが得られるぞ、と…東インド会社の話は好きなんです

p112.ちなみにさかのぼること100年前の日露戦争のときに、当時の大日本帝国に軍費を調達したのがリーマン・ブラザーズ証券です。当時、世界中のほとんどの人が極東の新興国の日本がロシアに戦勝するとは想像すらしていませんでした

p114.堀江社長は歯に衣着せぬ言動やマスコミへの露出が多いことから、若い起業家予備軍からは「成功者」「勝ち組」と尊敬されているようです。でも成功し、勝ったのはあくまで「お金を集める」という企業活動の入り口のプロセスでしかありません。そこには少し過大評価されているように感じます…確かに。ライブドアっていうのは、何を見てもヤフーなど他社の真似なので、ポータルサイトを開くとウンザリする。他社の真似で成り上がった例は数多あり、これを否定するつもりはないが、今後どうなるか期待して待つ

p122.小泉首相とプーチン大統領との会談で決まらなかった訪日が、トヨタの工場起工式で決まる。各国の首脳にとっては、小泉首相や外務大臣と会うよりも、トヨタの会長と会うほうを喜ぶのかもしれません。このように、トヨタの工場進出は大国の外交も動かす力を持っていたのです…先日の中国副首相の小泉首相との会談のドタキャンも、確か同日直前の経団連の奥田氏との会談はしっかり実行されていたと記憶している

p165.ご自身の置かれている状況を整理して、相場3兄弟がどう動くと自分の身近なところにどんな影響があるのか把握し、収入ダウン・支出アップとなりそうなリスク要因を抽出し、これらリスク要因からの影響をやわらげるためにどの金融商品をどのように使いこなせばいいか戦略を練ることです



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