戸田顕司「企業再生を新たに担う 『ユニクロ』前社長、玉塚元一のプロ経営者への挑戦(企業再生最前線)」日経ビジネス2006年3月6日号

公開日: : 最終更新日:2012/02/10 書評(雑誌), 日経ビジネス

玉塚氏の更迭と新たなコンサルティング会社の立ち上げの件は結構なニュースになった。一つには、オーナーによる経営者への明確な否定とその結果としての更迭が珍しかっただろう。また、それを受けて、氏が内部降格でなく会社を去るという進路を選んだのも珍しかった。さらに氏がその後に始めたことも耳慣れしない仕事であり、注目を集めたのだろう。不思議と、この件をテレビ、新聞、雑誌等でよく見かけたような気がする。こういうふうにマスコミにいつも出さしてもらえるとは、広告費が節約できてうらやましい そこでロッテリアなどの支援の話を窺い知ることができるのが、この記事である。今後、果たして氏等がしっかりと結果を出すことができるか。流通業界で評判の人物が百貨店を辞めて衣料品メーカーの経営者になったと思ったら、明確な成果を見ないままに別の会社へ行ってしまったのが無責任に見えたり、鳴り物入りで破綻企業の再生に乗り出した職業的経営者が、前後に経営論の自伝を出して有名にはなったり、再生計画で笑顔を見せたものの、現在において成果が出ずに悪い内容の業績発表の際には顔を出さないということも最近あったような気がする 氏の動きについては、どうなるかな、と当初は考えていたが、この記事を読んで好感を持った。ここでは引用していないが、あるパネルディスカッションにおける再生のプロと目される人たちの中での氏の発言につき、「何か、僕、違いましたよね」と言ったシーンがある。このギャップがすごく面白い
「『衣』しか知らないのに、『食』ができるのか」。飲食業界には、こうした見方もある。これに対して、玉塚は「業界の常識にとらわれない異分子が大切だ」と主張する。停滞した会社を成長させるには従来のやり方をいったんリセットして、顧客起点で新たな仕組みを作り上げることが必要だ。「こうあるべき」という思い込みや、「過去にこうやってきた」という経験は、時として邪魔になることもある。 自らもそうだった。フリースブームでファーストリテイリングの年間売上高は1000億円から2000億円、そして4000億円と倍々で急成長した。最盛期には1年間でフリース2600万点と、ケタ外れのヒットを飛ばした。これを実現する製造や営業、採用などの仕組み作りの刷新を支えたのは、商社出身の澤田であり、メーカー出身の玉塚であり、コンサルティング出身の堂前宣夫(ユニクロUSA代表)ら、必ずしも衣料の専門家ではなかった。与えられた役割を全うできる人材が揃えば、問題を解決できる。 財務出身の篠崎が社長という人事には当人も驚きを隠さないが、玉塚は「人として明るいし、みんなの信頼を得ている。適任だよね」と話す.社長に就任して1ヶ月、篠崎の意識も変わり始めている。「自分は社長を支える番頭タイプだと思っていた。確かに玉塚さんのようなリーダーシップは持っていない。でも、社員の背中を押して目標に向かわせるタイプのリーダーにはなれるかもしれない」。
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