井上裕「武藤信一氏 信用力を多面展開(編集長インタビュー)」日経ビジネス2006年5月15日号

公開日: : 最終更新日:2012/02/10 書評(雑誌), 日経ビジネス



確かに新宿伊勢丹は駅から遠い。今後は地下鉄の開業で駅前になるようだが、これまでその事実を必死に捉えてきたというところが描かれていて興味深かった。その効果か、三越よりも伊勢丹のほうが来店の印象が強い気がする

このインタビューの途中で、コールドリーディングのような手法で顧客のニーズを探索する様が軽妙に描かれている。聞き手も驚いたろうが、読んでいるほうは次元の違う文章が突然現れて、もっとびっくりした

顧客の声に耳を傾け、実行する。それを着実に続けて成果に結び付けていく。そして、そのプロセスをくり返すことによって信頼が生まれていくということを強く再認識させられた。信頼とは、「繰り返し起きること」だ。だから失った信頼を回復するのは大変だ。信頼毀損行為を忘れてもらえるほどの信頼構築行為を繰り返し惹起しなければならず、そして前者の記憶が鮮明なのに対し、後者は一つひとつがなかなか即効性がないかもしれない



・後発の当社は、呉服を花柳界に持ち込み、自分たちの市場にしようと動いたんです。一種のニッチ戦略です。花柳界ですから、柄などに先進性がないと受け入れてもらえない。鮮度の高い商品を提案し続けて初めて生きていけるという考えはトップから新入社員に至るまで共有しています

・関東大震災を経て新宿へ出てきたんですが、立地は駅から徒歩10分。百貨店としてスーパーブランドである三越さんの前を通って、お客様に伊勢丹まで来ていただかなくてはいけない。ですから、「お越しいただいたお客様に、何としてもまたご来店いただきたい」という恐怖心にも似た気持ちが経営にも現場にもあるんです。何かご指摘を受けると、それを即刻直さないと、もう二度とその人は来てくれないんじゃないかという思いが強い。大きいサイズや3歳ぐらいの幼児服など、どれも当社が最初にショップを作りました。お客様から「私の買うものがない」と言われ、それを解消すべく動いてきた結果です

・つまり、男性のお客様は他人とコミュニケーションを取ることを渇望していると分かってくる。そうなると今度は、「どんな形でコミュニケーションをしたいの」と質問を深めます。すると女の子たちは、それを意識してお客様と会話し、「ホームパーティーを開いたりしたいんだそうです」などという声を吸い上げてくる

・ねっ。お客様は、仮説をぶつけると、こうやって必ず正直に答えてくれるんです。その繰り返しですよ

・浦和店では120人のご相談を受け、その場で78人の方が今の保険を解約して当社が勧めた保険に契約し直してくださった。立川は120人中102人。僕は120人もいらっしゃって78人しか成約できないのは、「君たち、どこかおかしいんじゃないか」と言ったんですけど。そうしたら保険会社の方が「尋常じゃない比率だ」と



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