財政取材班「民間流、事業は縮まない(財政 経済が問う)」日経平成18年6月14日朝刊

公開日: : 書評(新聞)

日経新聞って、こういう”官の無駄遣い”的な記事はよく見るが、今回のは圧巻 こういう土建バラマキなものってのが、小泉政権が終わると揺り戻すという主張もある。しかし、その場合には千葉の補選の結果のように簡単に民意を政権交代に結び付けられる仕組みとなっていることが、日本の政治を面白くさせている。この小選挙区制を導入した立役者が現在の民主党の党首ならば、これに当初反対したにもかかわらずこれまでに最大限にメリットを享受したのが現在の総理大臣であった
・兵庫県小野市。人口5万人の地方都市を年間70近い市町村が視察に訪れる。目当ては蓬莱務市長が主導する行財政改革だ。
この「視察」自体がどうも無駄のニオイがプンプンだよね
・1999年の就任から7年間に削減した経費は公共事業を中心に累計で117億円。年間の市税収入の1.8倍に当たる。だが、社会資本の整備が遅れたわけではない。7年前に70%台だった市道舗装率や下水道普及率は90%台に上がった ・予定価格の事前公表を廃止、指名競争入札の参加者数の拡大で、90%を超えていた平均落札率(予定価格に対する落札価格の比率)は約70%に下がった ・赤字続きだった市民病院では納入業者を5社から3社に厳選。切り捨てられるのを恐れた業者の値下げ競争が始まり、黒字転換に成功した ・蓬莱市長は民間企業で購買担当の経験もある元サラリーマン。「いかに安く買うか。役所にその発想がなかった分、当たり前のことをやれば無駄は省ける」。毎年余った予算を積み立てる小野市の基金は2004年度で82億円。就任時に比べ6割近く増えた。浮いたお金の一部は小学3年生までの医療費の無料化など少子化対策に回す。「予算は残すのが美徳。使い切る役所の常識はこれからは通用しない」(蓬莱市長)
素晴らしい市長だ。でも、これで土建系の有権者や市会議員との関係はどのように折り合いをつけていっているのか、興味深々
・約6000平方メートルに及ぶ植え替え花壇で知られる前橋市の「ぐんまフラワーパーク」。今年4月から運営者が代わった。92年に約70億円を投じて建設したのは群馬県。当初は年間100万人近い集客を誇ったが、ここ数年は30万人を割り込み赤字続き。民間の知恵に頼ることにした。請け負ったのはぐんまフラワー管理(前橋市)。近隣で牧場体験型テーマパークを運営する赤城高原開発の子会社だ。県の支払う委託費は1億7900万円と従来の財政負担に比べ半分近い。それでも採算が合うとみるのは「企業の目で見れば無駄な点が多いから」(フラワー管理の久門圭子取締役)。2年で黒字化できると自信を見せる
このように徹底的に官の行うことをバカにして見せている。実はそんなにバカではないので失礼な話だ。ただ、やる気がない、日経が期待するような方向に動くインセンティブがないだけだ
・4月27日の経済財政諮問会議。「公共事業は今後5年間、前年度比3%以上の削減努力を続けるべきだ」。民間議員の吉川洋東大教授はそう強調しつつ資料を差し出した。「建築工事費を官民で比較すると官は民間より2割以上高い」という内容だ。谷垣禎一財務相が「入札改革などで費用を落とせば実質的な事業量は確保できる」と応じ、コスト削減と公共工事費の3%減で一致した。だが、たちまち待ったがかかった。5月17日、自民党本部。公共事業に関する歳出削減作業部会では道路族から「公共事業だけ削減が決まるのはおかしい」と批判が続出した
出た。これに対しては「公共事業以外についてもこれからやるんです」と言うだけ。郵政民営化のときも同じだった。「郵政民営化よりも大事なことがある」と言って、議論の本題から遠ざけようとした人達は権力から見放された。こういうときには「だからその大事なこともこれからやるんです」と反論するだけだ。しかしながら、現時点で振り返ると、小泉首相時代には、それ以外は実際に手の付いてないものも多い。特に、農政には全くと言っていいほど手をつけられなかった。これでは郵政民営化反対論者の論法が成り立ってしまうではないか。この辺の小泉首相時代の歴史の評価は面白くなりそうだ
・もちろん政府の仕事のすべてを民間に委託できるわけではないし、景気が急に悪化したりすれば歳出削減の進め方を機動的に見直す必要もある。どこまで民に委ねられるか。景気動向によって歳出削減の進み方を見直す「弾力条項」をどう設計するか。経済によく目配りした歳出改革案が必要だ
民間ならインセンティブに期待すればいいが、官であればコントロールしなければならない。このコントロールが普通選挙により機能しないのであれば、それは選挙人も強く反省しなければならない。今回のような地方公共団体の議論であれば、自分は厭な土地は去るだけだという究極のウォールストリートのルールも使えるよね 20060620003200

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