松永真理「なぜ仕事するの」角川文庫

公開日: : 最終更新日:2011/09/08 書評(書籍)

軽めの内容で読みやすい。著者が女性であることと仕事人であることの葛藤をテーマとしている。そういう悩みのある女性には薦められる。以下の引用における辛口コメントは気のせいだろう
p14.覚えることより、あれこれ思いめぐらすほうが好き。習うことより、新しいことを作りだすほうが好き。数字を見てるより、文字をながめているほうが好き。女の子より、男の子のほうがずっと好き
こんなの皆がそうだろうという感じがした
p30.「よく、男性から会社を引くとなにもなくなるといわれてましてね」と言いながら、大きな文字で、<男-会社=ゼロ>と黒板に書いている。「そして、これをいうと語弊があるんだけど」と軽く前置きをしたあとで、「女性から若さを引くと、これまたなにもなくなっちゃうんですよ」<女-若さ=ゼロ>ちょっと待ってくださいよ
美人な女性で驚くほど何もできない人がいる。若い頃はすごくモテたんだろうなと思ってしまう。しかし、現在も独身。そして、服装が勇気がいるだろうなというくらいの煌びやかさ。当然、本人は勇気など必要としていないのだろう。そういう人が「美しい」とか、ここでいう「若い」というアセットを別のアセットに変更することをまったく怠ってきたのだと思ったりする
p35.男性は寿命が長くなったぶん、それだけ悠長な構えに変わってきている。滑らかなストライド走法だ。50歳から75歳へ年齢のゴムが単純に1.5倍に伸びただけのこと。で山根一眞氏がいうところの、”ゴムひも理論”である。ところが、女性は違う。女性は82歳まで寿命がのびたからといっても、あいかわらず小刻みのピッチ走法なのだ。結婚適齢期のプレッシャーからは逃れられても、まだ女たちは出産適齢期からは逃れられない。子育ては老後の楽しみにとっておいて65歳で出産します、というわけにはいかないのだ
それらをプレッシャーと解釈しなくてもいいだろうと思う。人間が生物として、男女の生理も違うのだから、その宿命として、それぞれの最も適切な時期にイベントをあわせようとしないことに疑問を感じる。社会のイベントがそうなっていないとして、それに合わせようと必死になって。人の土俵で相撲をとっている。生物としての謙虚さを持つことを忘れ、社会の仕組みという幻想にとらわれて自分の道が見えなくなるとすれば本末転倒だ
p68.そう、後日なんて簡単にいかない人もいるんだから。その辺のことわかってくれてもいいのに
一方的な考え方だ。昔、違憲立法審査は実際に訴訟にならないとなされないと聞いたことがある。また結婚届も出されたものを形式的に審査するだけだという。最初はその論理がわからなくて戸惑ったが、社会に出て少し立ったらよく分かるようになった
p107.心理学者マズローは、人間の欲求を5つの階層に分けています
このマズローの5段階欲求説って、よく出てくる。流行り物ですなあ
p124.どういうわけか女性管理職の未婚率は高い。結婚していても子供はいなかったり、いてもひとりだったり。いわゆる世の中でふつうとされている「家族の幸せ構図」とは、どこかしら違っているのだ p128.そういえば、トークンレディといってお飾りだけの管理職もいる。トークンとは、アメリカの地下鉄の改札を通る時に使う丸い金属片で、それ以外では通用しない、硬貨まがいもの。「わが社には女性の管理職も、役員もいます」と世間にアピールするだけの存在で、社内では浮いてしまっている人のこと p143.「一般事務職の今年の採用はゼロ。理由は在籍者の平均勤続年数がのび(10年8ヶ月)、欠員がでないから」(94.5.11)女子大生の就職難が伝えられるなかでも、ひときわ話題をよんだのが三菱商事の採用ゼロ宣言である。大手商社が女子を集中的に削減する採用計画を次々に打ちだしていたが、ついにトップの企業から厳しい方針が出てしまった。しかも、その理由が勤続年数がのびたためとなっている。これまで女子の勤続年数が短いから採用しづらいといっていたのに、今度はのびて欠員がでないためだという。企業の言い分は、総合職のような基幹職はすぐに辞められると困るが、一般職のような補助職は長くいられても困るということか
反論の余地はあると思うけど、確かに一理ある。引用されている記事は確か日経の一面だったと思う。よく覚えている
p182.就職の際の会社選択のポイントとして、アメリカ留学の先輩の言った「設立してから8年以内の会社であること」の理由をたずねてみた。すると「大学のゼミの教授から教わりました。もし、入社していいポジションを得たいと思ったら、8年以内だとトップ層にはいれる確率が高いということです」
20070416222200

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