米山公啓「すべてがうまくいく8割行動術」ソフトバンク新書

公開日: : 最終更新日:2011/10/23 書評(書籍)



著者が確か、日経ビジネスかなにか、ビジネス誌にコラムを書いていたか何かで手にした本。「医師+作家」の人

「8割がいい」というところが、特に終盤に多く出てくるが、どうも根拠が見えなく、全体的な統一感を持たせるためにムリに8割と言っているように読み取れて、その辺は話半分で読まざるを得なかった。ただ定性的な指摘については参考になった。著者の経歴の叙述が興味深い



p11.作家業という自分の好きな道を見つけたあとは、それを一生懸命にやるというよりは、少しブレーキをかけつつ楽しみながらやってきました。大学病院の中では、実は孤立していたのですが、その後、充実感がみなぎるようになり、孤独感よりも原稿を書く面白さのほうが圧倒的に強く、むしろ幸せに感じていました



自分のこととして「孤立していた」とか「孤独感を感じていた」というのは、いまがよければこそ言えることだろうか



p25.大金持ちの幸福感とそうでない人の幸福感はあまり変わらないのです。意外に思われるかもしれませんが、大金持ちがどんなに値段の高い料理を食べても、私たちがラーメンを食べて美味しいと思う幸福感と、脳の中ではあまり差がないのです



そうだとしても、大金持ちの幸福というものを自分で確認してみたいものだと、俗物の私は思う。むしろ、現在の生活から1日だけ大金持ちの暮らしをしてみたほうがその差が激しいので幸福感が感じる。大金持ちがそれなりの暮らしをしてもそれが普通になってしまえば、より普通でない幸福のカギを求めるということなのだろうか。であれば、このままで時々浪費してみようか



p26.いくら貧しくとも、その貧しい中での利益の最大化を図ることができます。どんな状況でも、その範囲での幸、不幸が用意されているということです。「破産したって、たいしたことはない。殺されるワケではない」。そういうふうに考えれば、目の前のリスクは恐れず、いくらでも乗り越えられるのです

p29.逆に自殺率が低かった時代を見ると、太平洋戦争の時期や高度経済成長の時期です。戦争の勝利、経済の勝利という目標に向かって国民が団結している時代は自殺率が低いのです

p32.一般的な家族構成でいえば、リビングルームをむしろ小さくして、ダイニングルームを大きくするほうが、みんなが一緒にいる空間としては、有効なのです。そのことを大手の住宅メーカーの設計士に言ったことがあるのですが、その答えは「それは分かっている」でした。「分かっているけれども、みんなが幸せになるというイメージを打っているのだ」というわけです。家族が幸せそうにしているイメージが、家を販売するときに非常に重要なのだというのです。つまり私たちは「家族が幸せな家」という幻想で、家という高価な買い物をしているのです



虚飾と実際の生活とのギャップのあるところ、ここはメモだ



p33.悩みを断ち切るには、自分の幸せしか考えないことです。逆説のようですが、不幸せになるのは家族の幸せを、勝手に自分が決め込んでしまうことです



これってそのとおりだと思った。これって思い込んでいることと、実際とのギャップ。求めていることは相手の幸福であってここに問題はない。が、そこへ至る道が分からない



p34.他人を信じすぎ、期待しすぎてしまうことも、うつ病の原因となってしまうのです。だからこそ、自分に投資をしなさいということになります。これが、他人に依存しない幸福の求め方の答えでもあります。たとえば、なにかを体験するとか、勉強するとか、人に会うとか、あくまで自分の体験のためにお金を使っていれば、裏切られることはないのです



最近読んだ別の本に書いてあったことにも通じる。その本だってロバート・キヨサキ氏や野口悠紀雄氏の本の引用だったと思う



p42.日本人はその途中で、アラスカまで行かずに、この日本列島で冒険をやめた人たちなのです。つまりもうこの先の冒険をやめたからこそ、日本という島国に住み着いたのではないでしょうか。それは、逆に言えば、これ以上危険を好まなかったから生き残ったということです。この新いいもの好きの遺伝子、危険に物怖じしない遺伝子というのは、世界の民族間で違いがあることが分かったのです。最後に行きついた南米の人々の3分の2は、この新しいもの好き遺伝子を持っています。この率は、ほかと比べていちばん高いのです。出発点に近い現代アフリカ人やヨーロッパ人は、この遺伝子を4人に1人しか持ち合わせていません



これは面白い話だけれど、各地域でそういった遺伝子を持ち合わせている人たちが集まっているのだから、そこからはずれた人は現在でもどこかへ移動していくということだろう。また、いま残っている文明からすると、そういった遺伝子の多さも含め、どこが最適かということは言えないようにも思う



p55.ある調査では、アメリカ人はクレジットカードを世帯平均10枚持ち、毎月平均7,000ドル分のショッピング代金をカードで支払っているといいます。全米のクレジット負債額は99年度調査で総額5,650億ドルに達し、年間130万人が破産宣告をしているといいます。全世帯の約4分の1にあたる推定2,900万世帯で、収入では生活費をまかないきれない計算になるというのです

p75.当たるとか勝てるとかが問題ではなく、自分がいかにドキドキできるか、興奮できるかが、行動に影響します。ドーパミンがたくさん出る方向へ行動していくのです。脳内で勝つ予測をするだけでドーパミンが出てくるので、それが快感となるのです



ここは割りに合わない賭け事をなぜするのかというところでの説明である。自分がときどき宝くじを買ってしまうことも、これで説明できると思った。でも良く考えると、割が合わないということが本当に分かっているのならば、ドキドキの快感を得られないのではないかとも思う



p79.幸福に感じるのは、それぞれの人間のセットポイント(設定値)のようなものに到達したか、超えたときです。この幸福のセットポイントを、上げるのでなく、8割程度に下げると現状の中での幸福感で十分に楽しめるようになります。生きるための哲学的な答えである「足るを知る」は、まさにそれを言っているのです。より多く、より高いものを求め続けるのではなく、いまの中での求めるものを8割程度に下げてみればいいのです。実は、気が付かないうちにそうしているのです。その状況の中で幸福を感じられるように、セットポイントを大脳はつくりだろうとしています

p81.親がやるべきことは、ピアノに向いていないということに気が付いたら、他の可能性やチャンスを与えるべきなのです。「がんばらないといけない」という精神が、子供の本当の個性の成長を妨げた可能性もあるのです。8割行動にするには、子供のときからの教育でたたき込まれた精神を変える必要があります。ひとつは、「がんばらない」ということです。がんばらないことが、これからの人生を楽しむライフスタイルです。なんでも一生懸命にやりすぎないことです

p99.8割行動の考え方でいえば、残業してまで仕事はしないということです。本当に仕事を一生懸命にやっての残業であればいいのですが、今では少なくなった残業手当狙いの残業や、だらだらと仕事しているために、どうしても仕事が長引いてしまう人が多いのです

p101.欧米人は午後5時を過ぎれば、仲間と離れて会社とは関係のない仲間と会っています。ここで楽しく会話することこそ、彼らの生きがいと言ってもいいかもしれません。同僚と上司の悪口を言いながら、赤提灯で酒を飲んでいるような日本人の生活とは大きな違いがあります



主張は賛成だけど、事実の部分にダウト。欧米人は本当にそのような生活を送っているのか、そして日本人はそのような生活を送れていないのか。欧米か日本かという違いよりも職種の違いのほうがキー・ドライバーであるような気がする



p103.ドイツの街の周辺には森があり、健康的な環境を維持しています。その森の中を歩かせる「森林療法」が治療の一環として医学的に認められ、健康保険の適用があるのです。森の中を歩くことは精神的にいいだけでなく、ある調査でも、樹木の感触や薫りによって血圧が下がったり、免疫力に関するNK細胞のはたらきが活性化したりすると言われています

p106.毛沢東もスターリンも、自分の体制を磐石にするためにナンバー2を粛清するというのが彼らの手法でした



文章はおかしいけど、この指摘は使える



p110.自分ではどうにもならない状況のほうが、脳はよくはたらきます。軽いストレスが脳を刺激すると言っていいでしょう。つまらない会議だなと思っているときに、別の思考回路がはたらき、脳の中でいいアイデアが出てくるものです。つまらない上司の話も、実はアイデアを出すいいチャンスなのです

p113.私は、仕事を途中でやめてしまうこと、つまり8割くらいできたかなと思ったところで、勇気をもってその日の仕事を終わらせると、意欲を持続させたままその日をおわらせることができ、達成感を先延ばしすることでモチベーションが持続します。翌日起きれば、また昨日の残りの部分から意識的に取り組みことができます。こうすれば、意欲が途絶えないということに気が付いたのです。これはかの文豪ヘミングウェイも同じようなやり方で書いていたと、後から知りました。文豪ですら、そうしたことをしないと書く気力を持ち続けるのが難しいのです

p125.評論家の竹村健一さんとある番組で対談をしたのですが、そのとき私の本を差し上げました。すると驚いたことに、2週間くらい経ってから手書きのハガキが送られてきて、対談のときお渡しした私の本の感想が書かれていたのです。忙しい時間を割いて感想を書いてもらったことは、著者にとって非常にうれしいことです。こうした誠実さが、竹村さん独特の人脈づくりに役立っているのは間違いありません。また、竹村さんご自身もそうすることで、私の名前を記憶の片隅に残しておくことができたはずです。事実、1年くらいしてある船の上のパーティで竹村さんにお会いしたとき、しっかり私のことを覚えていらっしゃったのです

p127.子供は短期記憶に関係する海馬が6歳くらいにならないと完成しないので、それ以前の記憶は実際には残っていないと言われています。人によっては1歳のときの記憶があるという人もいますが、それは大人になって親から教えられた子供のころのことを、いつの間にか自分が実際に経験した記憶だと思い込んでしまうからです

p137.あるフレンチレストランに行ったときです。予約の際、こちらは名前を誕生日を伝えただけなのですが、当日行くとナプキンには私の名前が刺繍してあり、さらにウエイター全員が私の名前を知っていました。それだけでなく、私のブログを読んで前日どこにいたかまで知っていたのです。さらに驚いたことには、店内の書棚に私の新刊本が置いてありました。わざわざ買ってきたのでしょうが、作家というものがいちばんなにがうれしいか、十分に分かっているのです

p152.男性はセックスの後、男性ホルモンであるテストステロンに支配されることになります。テストステロンは「自分の領土には入ってほしくない」という感覚を生み出すのですが、射精した後、一人になりたいという感覚に変わってしまう。これが、射精後に女性が隣で寝ていてほしくないというわがままな感覚をもたらすのです。しかし、女性のほうはずっと一緒にいたい。女性は本能的に受精する確率が高いほうがいいので、一緒にいてくれることを喜ぶわけです

p153.幼なじみの同級生として育った男女は結婚する可能性が非常に低くなる、という統計があります。あまり身近になってしまうと近親者と見なしてしまい、恋愛感情やセックスの対象として考えないように抑制がはたらいてしまうのです。この抑制は夫婦間でセックスの機会が減ってしまう原因ともみられています。長年一緒に暮らすと近親者と思ってしまい、拒否的になる原因とも考えられるのです

p160.男性は「優劣をつけたい」「勝ち負けをはっきりさせたい」という攻撃的な欲求を持つので、相手を徹底的に打ち負かさないと満足ができません。一方、女性は和を大切にするので、結論を出すより、人と会話すること自体が楽しいのです。こうした根本的な価値観の違いが相容れることは非常に難しいでしょう



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  • 名前:Max 年齢:人生の2合目くらい 誕生日:夏の暑い日 一言:他言無用ということでお願いします
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