金田信一郎「鈴木二郎氏 頭取辞し、パンに賭ける(ひと劇場)」日経ビジネス2007年11月19日号

公開日: : 最終更新日:2012/02/10 書評(雑誌), 日経ビジネス



内容自体はつまらないわけではない。しかし、特段の共感を得るでもなかったこの記事。わずかに引っかかりを感じたのはこの部分



・89年に慶應義塾大学を卒業し、三井銀行に入行する。理由は、「留学しやすいから」。狙い通り20代で米国留学が実現する。この渡米体験が、「科学的経営」の原点になった。だが、日本に戻ると、そこには属人的な融資が続く邦銀の世界があった。留学の経験を生かす場面がない。そう思い、活躍の場をコンサルティング会社、A.T.カーニー日本法人に移す。だが、「ある会社の情報を、隣の会社に横流ししているように感じた」



会社が用意する留学制度は正直なところ、優秀な従業員を獲得し引き留める餌として、実績を出した従業員へのご褒美として、肝煎りの部下に箔をつけさせるための手段として、または既に存在する制度を惰性のままに人を当てはめて維持する事勿れの思考の結果として存在する。会社としてはそれ以上のことは求めることが不可能だし、求めているようには見えないし、現に求めていない。留学後すぐに会社を辞めることも拒めないのだから、まず持ち出しの制度だ。従業員としては当然、新卒の際には留学制度がある会社に就職するほうがいい。チャンスが増える。自分に強い自己実現の意志と手段があるのでない限り

不要なときに貸すと言い、預金残高を見計らって求めもしない投資信託の勧誘を行う一方、金が必要となっても貸してくれず、逆に返済を求める銀行。教えるための調査と称して、顧客に入り込んで情報を取りまくり、なんだか彼らのお勉強だけ手伝ってあげた上、金額相応のアウトプットを得られた気もしないコンサル会社

しかし銀行もコンサルもそこで働く者の給与水準が相対的に極めて高く、新卒の人気も高い。飛行機に乗る仕事や旅行に携わる仕事が人気があるのとはまず別の理屈だ。そして、それぞれの職業タイプは、おそらく同時に追求する類ではない。銀行とコンサルを掛け持ちで就職活動をすることはありそうだ。飛行機乗りと旅行手配を掛け持ちすることもありそうだ。しかしそれ以外組み合わせの掛け持ちは各論的な理由付けが違うはずだ

銀行とコンサルも、本来的な動機付けは同じだ。銀行とはお金という商品を扱いながら、相手先企業の情報を取りまくり、それが自分のお勉強になるという意味で従業員の知的なフリンジベネフィット(というのだろうか)が大きい。ただし、このところ両者の性格は異なって来始めている。銀行は法人ビジネスと個人ビジネスでは別だ。規制業種なので参入規制もあり、給料が高いというだけになりつつあり、実際には大したことはやっていない。いまやメーカーも小売業も銀行を含む金融業を行っている

なんかとりとめないが、思考の習作ということで

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