秋庭俊「新説東京地下要塞」講談社+α文庫

公開日: : 書評(書籍)

こういう陰謀めいたのは好きなんだ。著者の類似の著作も結構読んだりしている。普通は読み終わった本はメモをとったら処分しているけど、こういうのはなんど読んでもおもしろいので、読書というよりも娯楽といったほうがいい 話題になっている地理に詳しいということも楽しさに拍車をかけている 話としては、知ってても実際には何の役にも立たないばかりか、こういうのを自ら話題に「する」とかなりの確率で退かれることになる 本当は何が行われているのか、などと難しいことが言われている。けど、単に、軍の費用で極秘に作っていたトンネルを転用して地下鉄などの建設を行い、浮いた予算を抜くという程度の話だと思っているけど
p28.実は、地下建築というものは、廃棄するのが難しい。用済みとなった地下建築を土で埋めても、もうその土は元の固さには戻らない。そんな軟弱な地盤には柱を立てることもできないから、結局、また、地下建築として利用するしかない。巨大な地下建築が用済みになったあとも、同じように巨大な地下建築として利用しなければならなくなる p81.シカゴの地下鉄網はニューヨークをはるかに凌ぐものだったが、50年もの間、一般の市民には極秘にされていた。この極秘地下鉄は、政府関係者、市の職員、地元の政治家と有力者のための地下鉄だった。市の庁舎や警察署、政治家や有力者の屋敷の下に、地下鉄の駅がつくられていたという。何千、何万という数の公務員がこの地下鉄を使っていたが、その秘密は固く守られていたそうである。当時、アメリカ政府はニューヨークのブロードウエイにも、極秘の地下鉄をしていたことを明らかにしている p176.新橋駅の予定地には桜田藩邸、浜松町付近には中屋敷、田町・三田あたりは薩摩っ原などと呼ばれていて、品川駅の予定地だった上屋敷は、勝海舟と西郷隆盛が江戸城の無血開城を話し合ったところである。薩摩の強力が得られるはずもないと半分諦めかけたとき、大隈が海に石垣を築けばいいといいだした。「薩摩の協力などいらん」沖合50メートルに高さ4メートルの石垣が長々と築かれ、その上に線路が施設された。当時の東海道本線は海の中を走り、品川駅も田町駅も海の中にあった p214.東京で「竹」のつく場所は竹橋、「虎」のつく場所は虎ノ門である。この2点を結んだ地図が左にある。その直線は皇居の建物の方向に一致し、しかも、中庭を貫通している。「竹でも植えて虎でも飼うさ」という言葉は市区改正に深く関与していた弥之助が、一言でその正体を言い表したもので、山県がこれを耳にすれば、すぐにその意味に気づく。おそらく弥之助はそれを期待して同じ言葉を繰り返していた p228.東京という都市は、私は、中世ヨーロッパの五角形の要塞理論で築かれていると思う。この理論では、五角形の各辺や対角線と平行に地下道をつくることになっている。この理論をわが国に伝えたのはウィリアム・アダムズ(三浦按針)とヤン・ヨーステンだったはずである。2人の専門は、砲術と要塞の理論である
20080819060000

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