大前研一「遊ぶ奴ほどよくデキる!」小学館

公開日: : 最終更新日:2012/02/10 書評(書籍), 大前研一



昔買って読んだ本を読み返した

かなり自由に好きなことを書いたな、という感じのする本である。確かに著者はよく遊んでいるようだ

この本のあと、僅かな好景気を経て、また不況に陥っているこの国。今回読み返してみても、その内容にはまったく古く感じさせるところがない。おそらくは筆者は、もっといろいろな新しいアイデアを持っているのだろうが、それをどのようにアップデートしてくれるのか、という期待も持つ

自分ももっと趣味を、それもアウトドアだったり、本格的なものをもっとつくっていかなければならないと反省した



p14.いまの世の中、なまじ学校の成績が良かったために出世競争に参加し、気が付けば梯子がはずされてしまった、あるいはなくなっていた、という話が少なくない。それでも人生の設計図を引き直さずに昔と変わらず足掻いている、というパターンが多いのではないか

p17.小さな不完全燃焼を何度も繰り返すよりも、数は少なくても本場で集中的に楽しみ、完全燃焼する――これもまた、オフを充実させ、楽しむためのコツのひとつである

p20.教育費を家計の聖域にしてしまってはいないだろうか。幼稚園から「お受験」し、有名大学から一流企業というレールに乗って育った人間が、変化の激しいこの時代を生き抜くことができるとは到底思えない。高校までは親が面倒を見るとしても、その後は子供の自主性に任せたほうがいいし、子供がどうしても大学に行きたいというのであれば、アルバイトで学費を稼がせればいい。その方がよっぽどたくましい人間に育つだろう。

p26.世界を見渡せば、ニュージーランド、オーストラリア、フィンランドなどの場合、それこそ一家に一艘の割合でボートやヨットが普及している。いずれも一人当たりの平均所得でいえば、日本より少ない国々である。一部の金持ちだけでなく、ごく平均的な国民がクルージングを楽しんでいるのだ。日本とは物価も違い、ユーザーの数も多いので、当然価格も安い

p28.実は日本にはすべての人がボートをおけるくらいのスペースが、過去の公共投資で漁港や貨物港として、すでにできあがっている。それを一般に開放し、その周辺に宿泊や食事のできる施設をつくれば、ノルウェー並みの「海洋民族」になれる

p33.バブルの頃、サラリーマンはふんだんに経費を使って接待ゴルフができたが、バブルが弾けてからは、交際費の引き締めが厳しい。半面、プレー代が廉価になったのだから、自腹で楽しめるはずである。日本にゴルフ好きはそれほどいないのではないか

p34.これにはイギリス人が驚き、「日本人は本当にスコッチが好きなのか、本当にスコッチの味をわかっているのか」と首をひねった。日本でスコッチ、とりわけカティサークの人気が高かったのは、「高額」イコール「ステータス」ととらえ、ありがたがっていたからにすぎない。現金ではないが、高価だとわかる社用の贈答品としての利用も多かったのではないか

p35.オフは自腹で楽しむ。これがオフを完全燃焼するための第一の鉄則である。第二の鉄則はオフは本場で楽しむだ

p39.何もクラシックに限った話ではない。映画でも小説でもオペラでも京劇でもいい。ほんの数行の記録をつけ続けることが、趣味への興味を持続・倍増させるコツだ

p41.若いうちから始めないと楽器は習得できないというのは、単なる思い込みだ。別にプロを目指すわけではない。やってみたい楽器、演奏してみたい曲と出会ったら、何年かかってもいいから、自分のペースで練習していけばいい

p43.ソニーの創業者である故・盛田昭夫氏は60歳になってからテニスを始めた。盛田氏は65歳になってから、今度はスキーに挑戦した。そして67歳のときに、なんとスキューバダイビングの世界に飛び込んでいった

p45.やってみようかと思った瞬間が旬である。もう定年を迎えたがごとく、いますぐスタートしよう。定年前に始めてこそ、「いつかスキーの本場カナダで滑りたい」「ゆくゆくはハワイの海でウインドサーフィンをしたい」といった具体的な夢に向かって練習を重ね、定年後にそれを実現できるのである

p46.何か新たなスポーツを始めるときは、スクールに通うなどして仕事関係者以外の仲間を求めるのがいい。こうした人脈は最初から上下関係、利害関係がないので楽しいし、定年後も付き合いが続く

p52.女性は概して定番探しが上手い。いつも使う味噌や牛乳、お米、食パンなど、安くておいしいものをきちんと厳選している。週末にはデパートに出かけ、自分だけの定番を見つけてみてはどうだろうか。定番探しこそ男の買い物の醍醐味だと、私は思う

p55.「もう年だから……」などと諦める必要はない。以前テレビで、細田博之官房長官も大人になってピアノを始めた、と紹介されていたが、腕前はかなりのものだった

p56.私の朝食はここ20年ほど鮭茶漬けと決まっている。瓶詰めの鮭とお茶漬けの素の銘柄にはこだわっているが、それだけだ。こだわりゆえに朝食に無駄な時間をかけずにすみ、妻の負担も減って一石二鳥である

p74.レジャー施設で遊んだり、ショッピングをしたついでに外食するのではなく、目的を「うまい店で食べる」だけに絞って小旅行を企画するのである。「食」を中心に考えると旅行プランはいくらでも考え出せる。早めの出発と帰宅を心掛ければ渋滞に巻き込まれることもなく、都心の高級料理店に行くより安く済む。天気のいい週末に気分をリフレッシュするのに最適な家族イベントだ

p78.いっそ開き直って、週末のオフは日曜日の夕食や入浴で終了してしまおう。土曜日から1泊の小旅行に出掛けるような場合も、日曜日の夕食前には帰宅する。そして、夜は月曜からの仕事の準備期間に当てよう

p83.私は毎朝5時に起床すると、9時に出社するまでの間に、自分ひとりでする仕事をすませてしまう。夜中に海外から届いていたメールに返信する、クリッピング・サービスで送られてくる情報を読む、書類整理をする、社員から上げられてきた書類を決裁するといった仕事だ。出社前にこれらを終わらせておくと、職場での時間をスタッフや社外の人との打ち合わせ、会議、交渉などひとりではできない仕事にフルに当て、夜の時間は大事な人との食事や映画鑑賞、コンサート、観劇などに使うことができる。私の場合、自宅と会社が同じビル内にあり、通勤時間がゼロなのでこれが可能だ

p89.雑誌のメリットはもうひとつある。それは、世の中の動向を理解できることだ。私は書店で若者雑誌や女性誌を手にすることがある。「自分と遠い人」、つまり年齢の離れた若者や女性が何に興味を持ち、何を考えているのかが伝わってきて面白い

p92.「書斎は穴蔵のような空間にしたほうがいい」という指摘は正しい。部屋の中に入ってくる自然光が強すぎると、どうしてもモノが考えにくくなる。散歩にでも出掛けたくなってしまうのだ

p104.人生で一番大切なのは健康でいることだ。働きすぎて体調を崩してしまっては、楽しい人生も送れないし、いい仕事もできない。サラリーマンの病気はほとんどがストレスや暴飲暴食に起因する「職業病」だ。自分のためにも家族のためにも、「脱・ビジネス時計」で心身を大切にして欲しい

p115.いまどき海外の”郷土品”でも、その多くは日本国内にいながらにして通信販売で手に入る。国内のものならなおさらだ。せっかく貯めた旅行代を使って土産を買い、会社の同僚や友人・知人に配るのは、年賀状や暑中見舞いと同様、「出すのも煩わしく、もらってもさして嬉しくない」無意味な儀礼だ。土産物を買うならば、現地でしか手に入らない、あるいは現地で買った方がはるかに安い「自分が気に入った物」だけに限って買うべきだ

p135.断言するが、自分の健康を犠牲にする価値がある仕事など存在しない。充実した楽しい人生を送る上で万全な体調は必要不可欠である。健康に対してもっと貪欲になろうではないか

p166.これは、と思った店を馴染みの店にしたいのなら、まずは料理人を立てること。それでいて決して媚びない。美味いと思ったときだけ素直に褒める。これを繰り返していくと、「味のわかる客」と認められ、大切に扱ってもらえるようになる。次に大切なのがサービス係の人たちとの接し方だ。彼らは貴重な情報源ともなりうる。客単価は上がっているのか、高い料理、酒を気前よく注文するのはどういう業界のどの会社の人なのか、そして、それは交際費なのか否か、など。株に興味を持っている人ならば新聞を読むよりもよほど生きた情報にもなる。オフタイムを楽しみながら仕事にも役立つ情報も得られるのだ。気さくな人柄の人が多いので、訪れるたびに冗談を飛ばしたり、旅行や出張に行った際に買ったお土産を渡したりすればすぐに仲良くなれる

p170.ホステスがいる店ではどうすればいいか。答えはいたってシンプルだ。まず、彼女たちの興味を持っていることに話題を振り、彼女たちから積極的に話をさせるのである

p188.書斎を確保するためにどの部屋を犠牲にするか。もちろん子供部屋だ。ほとんどの家庭で父親の書斎よりも子供部屋の確保を優先している。この優先順位を逆転させればいいのだ。子供部屋を与えることには百害あって一利なし、だからである

p189.学習机というコンセプトの商品は、実は日本にしかない。私にいわせれば、学習机こそゆがんだ日本の家庭の象徴である

p191.朝食や夕食のときに無意識にテレビをつけ、ニュースや情報番組、スポーツ中継を見てはいないだろうか。あるいは、妻がワイドショーを食い入るように見入ってはいないだろうか。もしそうなら、「子供と会話をする意思がない」と表明しているようなものである。家庭崩壊の始まりといっていい

p204.同じ趣味を楽しむことが夫婦円満の秘訣、とよくいわれる。夫婦で一緒に過ごす時間が多くなるし、共通の話題も増えるからという理由だ。若い頃は私も、その方が夫婦の絆を強めることができると信じていた。だが、結論からいえば、別々の趣味を楽しむ方が夫婦関係は円満になる

p218.パーティ&ゴルフ大会のイベントで、何人かの参加女性はパーティが終わるといったん都内の自宅に戻り、翌朝またゴルフのために訪れた。聞けば、彼女たちのダンナさんは、妻が常に家にいて身の回りのことをしないと不機嫌になるから仕方がないのだという。これはいただけない

p222.日本では夫の親が高齢になったり、病気になったりすると、親を家に引き取り、妻に介護させるケースが多い。同居しないまでも、親の家や病院に通い、面倒を妻に見させるのが当たり前という風潮がある。だが、こんな”常識”が残っているのは先進国の中では日本だけである。欧米では、配偶者に先立たれても、親はぎりぎりまで自分の面倒は自分で見る。いよいとひとりではどうにもならなくなったら、介護士を雇うか、公共の福祉に頼る。日本のように妻に面倒を見させるという考えは始めからない

p239.歩くことはもちろん健康のためでもあるのだが、実は散歩にはそれ以外の重要な効用がある。欧米の映画には、夫婦で親子や恋人や友人同士が「並んで」歩きながら大事な話をするシーンが多い。これが象徴するように、彼らは散歩をしながら「人生」を語るのだ。そして歩くのに疲れたら、適当なベンチを見つけ、「並んで」腰を下ろして話を続ける

p240.子供の教育について、「海外の常識、日本の非常識」となっている全寮制学校に子供を預けてみてはどうか、という提案をしてみたい

p257.親が子供に毎月自動的に小遣いを渡す習慣など考えられない。子供たちは労働の対価として小遣いを「稼ぐ」のである。ベビーシッターのほか、夏に自家製のレモネードを街角で売ったり、近所の雪かきの手伝いをしたり、要らなくなった玩具を売ったりと、やり方はさまざまだ。こうして子供の頃から自分の汗と知恵で小遣いを稼げば、お金を大切に使う癖もつくので、大学の授業料や一人暮らしの家賃も当然のこととして親に頼らず、奨学金を得たり、自分たちの蓄えから捻出している

p261.いい学校を出て、いい会社に入れば幸せになれる……というのは30年前の発想であり、いまや幻想に過ぎない。周りを見渡しても、現在の40代から50代のビジネスマンで「自分は幸せだ」と言い切れる人はほとんどいないだろう。一生懸命働いてきたのに、新しい技術になかなか適応できず、気が付いたらリストラの陰に怯え、疲れ切っている。自分で現在のそうした姿を20年前に想像できなかったのに、子供の将来の幸せがわかるわけがない

p294.①気候が温暖、②生活費が安い、③豊かな自然、充実したリゾート施設など、都会生活者が羨む環境が揃っている……という条件に合致する場所を国内に絞って探してみると紀伊半島南部、高知の四万十川周辺、魚のうまい徳島県の鳴門、鹿児島県の指宿、長崎鼻などが候補地として最適だ。いまはまだ都会からの移住者が少なく、寂しい感じがするかもしれないが、いずれリタイアメント・タウンとして発展していく可能性が高いと見ている。私もいずれ、これらの中から終の棲家を探すつもりだ



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  • 名前:Max 年齢:人生の2合目くらい 誕生日:夏の暑い日 一言:他言無用ということでお願いします
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