内藤誼人「悪魔の対話術」ダイヤモンド社

公開日: : 最終更新日:2011/09/07 書評(書籍)

著者の本はたくさん読んでいる。メモをとったのは、これだけだけど hiog: 内藤誼人「勝つための「心理戦略」」KAPPABOOKS タイトルの付け方がうまいと思う。ついつい手に取ってしまう 紹介されている事例が豊富。メモもその事例をまた引きで取り込むこととなった しかし、最初に目次をしばらく眺めてみても、この本の背骨がなかなか見えないような気がした。書きたいこと、書けることを書き出して、それを何となく順番らしくまとめたような感じ。確かにタイトルのいうようなことは書いてあるのだけれど、なんか雑学集みたいな読んでいてごちゃごちゃしたような感覚が残った
p17.初対面の相手に対しては、何より事前情報がモノをいう。とにかく相手あってのビジネスなのだから、調べられることは何でも調べておこう p21.テキサス大学のジョナサン・コーラー教授は、自分の信念と一致することを言ってくれる人の意見は、正しいと評価されやすいことを確認し、これを「一致効果」と名付けている p26.とにもかくにも、最初の段階では、「同意」を示し続けることである。同意を示すというのは、相手の全存在をそのまま受容しているというサインを送ることであるから、相手も嬉しさを感じずにはいられないのだ。人の話を聞き出すのがうまい人たち(カウンセラー、弁護士、各種相談所の相談員、予備校の先生など)は、例外なく、相手の話をそのまま受け入れるのがうまい人たちだ。彼らは、めったに反対をしない。だからこそ、相手に信用されやすく、他の人なら聞き出せないようなプライベートな情報までも、引き出すことができるのだ p32.アメリカのジョンソン大統領時代の国務長官にディーン・ラスクという人物がいた。彼は、困難な外交問題をいくつも成功させたことで知られているが、彼のとった方法というのは、きわめてシンプルであった。というのも、彼は、「ええ、ええ」とうなずいて話を聞くだけだったのである。ラスク自身、「私は、とにかくひたすら相手の話を受け入れることに努めただけです」と語っているとおり、しゃべりまくった相手は、なぜかそれだけで満足してしまい、ラスクの提案を受け入れる気持ちになっていったのである p35.「全身で聞く」ラクロッセ博士が重視しているポイントは5点:?@にこやかに笑う、?A頻繁にうなずいてあげる、?B会話中の80%の時間は、相手の目を見つめる、?Cきちんと相手と正面で向き合うように座る、?D頭を20度ほど相手のほうに傾ける姿勢をとる p40.退屈な話を15分も聞かされていると、私たちの体内には「乳酸塩」が出てくる。一般に、血液100ミリリットル中に、100ミリグラムの乳酸が入り込むと、不快感と疲労感がおそってくる。これは心理学の理屈でなく、生理的な原因によるので、だれでもそうなる p48.トルーマン元アメリカ大統領の秘書官にゲール・サリバンという人物がいた。彼は、ともすると難しくなりがちな政策論や政治的トピックを、誰にでも理解できるような言葉で表現するのが、大変にうまかったという。たとえは、サリバンは、「ソ連の非妥協的態度」という言葉が、大統領の演説用の原稿の中にあると、すぐさま「ソ連は意地っ張りだ」と書き直したという。どんなに難しい言葉も、必ず、やさしく言い換えることができる。そういう努力をすれば、人に好かれる人間になれるのだ p49.白楽天は詩を作り終えると、それを必ず農夫たちに読んで聞かせ、彼らが、「ちょっと、この部分がわからない」というと、すぐさま詩の文句を書き換えたという。白楽天は、気取った言葉を使うより、だれでも理解できるような詩を心がけていたのである。反射をするときには、相手の言葉をそのまま投げ返すのではなく、なるべくやさしく言い換えて反射するとよい p56.松下幸之助さんは大変に勉強熱心な経営者であったから、本当は聞かなくとも知っていた知識や情報も数多くあったであろう。それにもかかわらず、相手が口を開けば、すぐに「興味のあるお話でんあ」と目を輝かせて相手に話を求め、それによって得がたい情報を引き出していた。韓非子は、君主が使うべき「術」の一つとして、知っていることでも、わざと知らないふりをして尋ねてみると、知らなかったことまでわかってくるものだ、と述べている(智を挟みて問えば、すなわち智らざる者、至る) p60.太公望の著作とされている『六韜』には、「聖人マサニ動カサントスレバ、必ズ愚色アリ」という戒めがあり、聖人が行動するときは、決して利口そうな顔つきはしないものだというアドバイスが載せられている p61.チェスターフィールド卿の言葉に、「だれよりも賢くあれ、だが、それを決して悟られるな」というものがある p73.いきなり自分の得意技を出し、相手をぶちのめしてしまうと、勝負には勝っても、ファンにはそっぽを向かれる。相手にも得意技があるはずで、それをお互いに応酬しあうからこそ、プロレスの醍醐味が味わえるのである。楽しい会話というのは、いわばプロレスである p78.マスコミの人間を騙るのでなければ、地域のタウン誌のようなものを騙ってもいいだろう。「地域のビジネス広報を扱っている」という名目で取材を申し込み、たとえウソでもどのようなタウン誌を作っているかを教え、見本誌などを郵送しておけば、相手も安心して取材に応じてくれる p80.「見るな」と言われると、かえって見たくなるのが人情だとバウアーとレヴィは述べている。脅かし法という名前はついているが、いわば「禁止法」である。この原理は、”会話に相手を引き込んでいく方法”としても利用できるだろう p83.あなたが楽しそうに、あるいはおもしろそうにしゃべっていると、なぜか自分も話したいという気持ちになるものである。これを、「心理的応報性」とか、「心理的感染」と呼んでいる。幸せな気持ちは、感染する性質を持っている p93.説得テクニックの一つに、「踏み込み法」と呼ばれる方法がある。引き受けやすいところで一つ妥協をすると、もっと大きな頼みごとをされたときにも、ついつい妥協してしまうという心理を逆手にとった方法だが、この技法は、質問するときにも当てはまるだろう。聞きやすい質問から入っていき、相手がそれに答えて口が軽くなったら、少しずつ深層レベルへと質問を掘り下げていくのである p104.ジャン・ジャック・ルソーは、人と議論するときに、必ずといってよいほど、「あなたはネコが好きか?」とたずねてから話を始めたそうだ。相手の人柄を知るためであったろうと推察できる。はっきりとネコがキライな人は、自尊心が強く、独占欲の強い人に多い。政治家の場合でいうと、ネコ嫌いには独裁者が多い。アクレサンダー大王は、有名なネコ嫌いであり、ジュリアス・シーザー、ナポレオン、ムッソリーニもネコが嫌いだった。逆にネコが好きだと答えるのなら、厄介な相手、苦手な相手とも腰をすえて協調しようという姿勢を持っているわけである。リンカーンや、アフリカのハンセン病患者のために一生をささげたシュバイツァー博士などが有名なネコ好きである。民主的な人ほど、ネコが好きなようだ p118.武田信玄は、領内のどんな小さな噂をも自分の耳に入れるように、と家臣たちに厳命していた。信玄は、噂にも、きちんとした意味があることを知っていたのであろう p125.一流のカウンセラーでさえ、患者の気持ちをきちんと把握するためには、何度も面接をしなければならないのである。ましてや、素人であるみなさんが、人にあって数分間で、初対面の相手の気持ちを洞察するのは困難だといえるだろう p127.質問に対する応募者の目の動きをチェックして、「右を向く人」ほど、怒りっぽく、攻撃性の高いタイプであることだ p130.カナダのアルバータ大学の心理学者ユージン・レチェルト博士の調査の結果、身長の高さだけで、その人のプライドの高さも予測することができ、その予測精度は、なんと約88%にもなったのである p139.「これまで7回転職していますが、その理由としては……」ともっともらしい説明を始めるかもしれないが、いかに説明がもっともらしくとも、その人は早晩辞めてしまう。過去の行動は、未来の行動を予測できるからだ。心理学の研究によって、その予測力はだいたい40%から85%までとばらつきがあるものの、かなりの精度で予測できるのである p144.秘密主義、自己防衛的な人は、そのままでは会話をしてくれない。こういう人は、現実の視点に縛られているので、その視点をちょっと変えてあげるといい。仮定法などの質問法は、回り道をしているようでいて、実際には相手のホンネを明かすための近道だったりするのである p146.中継ぎ法を成功させるには、前半部分の終わりをやや調子を上げて話し、半疑問形にするのがポイントだ。こうすると、相手はあなたの言葉を引き継いで、そこに自分のホンネを入れて語ってしまうであろう p150.他人に投影させた形で質問してみると、相手も返事がしやすいようだ。自分の意見ではない、という免罪符が得られたような気持ちになるからである p186.フィッシャー博士たちの実験では、女性とはこの反対の傾向が見られた。つまり、正面に座ってもらったほうが、相手を好きになっていたのである p192.もっとも相手が口を滑らせる可能性が高いのは、「夕暮れ」だと考えられる。というのも、この時間帯において、私たちの理性がもっとも働かなくなるからだ。悪名高いヒトラーは、演説に適した時間として、「夕暮れ」が一番だと考えていた p194.心理学のデータからしても、「衝動買い」が起きるのは、きまって夕方であるそうだ。夕方には、理性が働かず、感情がむき出しにされる傾向があることがわかるだろう p202.他人にポジティブな評価をしてもらえるような「装い」は必要だが、本気でそのような人間になってはいけないのである。「彼って誠実な人だよね」とか「信用できる人だよね」と口の端にのぼるような努力はしてもいい。だが、必要とあれば、すぐにでも「不誠実」に豹変できるような気持ちだけは失わないことだ p209.それまで厳しい上司であったという事実と、そういうやさしさが「コントラスト効果」を起こして、「本当は、とても優しい人」という認識が強まるのである。普段は、少しくらい「冷たい人」とか「厳しい人」とか「とっつきにくい人」と思われていたほうがいいかもしれない。小さい親切をしたときに、ずっと優しい人だと思われるものだからだ p211.「笑顔を見せずに、何を考えているか読ませないようなポーカーフェイス」に徹することである p214.名将と呼ばれたハンニバルの統率力は絶対的で、彼の軍団の中では、兵隊同士の諍いとか、指揮官に対する反乱などは、一度ももちあがらなかった。ハンニバル自身が、とても残酷で、怖い人間だったためである。無敵を誇った中国の孫子にもやはり非情なところがあって、命令にそぐわない人間の首をはねることを厭わなかった。だからこそ、こういう将軍の下にいる兵士は、きちんと命令にしたがったのである p230.相手にたくさんの注文やら依頼やら要求などをつきつけて、「どれが一番欲しいのか」を見えにくくするのがいい。これを交渉学では「ショッピングリスト法」と呼んでいるそうだ。このテクニックは、旧ソ連のスターリンが好んで使ったことから、「スターリン方式」と呼ばれることもある。スターリンは、本当にほしいもの以外にも、あれもほしい、これもほしいと多くの注文を出して、結局は、どれが一番欲しいのかを相手に見抜かれないようにしていたそうである
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  • 名前:Max 年齢:人生の2合目くらい 誕生日:夏の暑い日 一言:他言無用ということでお願いします
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