佐々木常夫「男性社員の育児休業は本人も会社にもプラス(ワークライフバランスを実現する仕事術 第33回)」週刊東洋経済2010.1.9



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育児休暇は育児のための休暇であって、それ以上でも以下でもない。育児休暇が「出世をあきらめた」わけでもなければ、逆に「会社にとっても本人にとってもプラス」でもない

出世が遅れても、職場への貢献がそれだけ分は、別に差別と思わない。本人の経験が魂の成長に結びついたのは結果論に過ぎず、もとより何ごとからも得られない人もいる。やっぱり本質的には「子を育てる」ことが、「会社に貢献して対価を得る」ことと時間的または体力的に抵触し、かつ前者が極めて時期的な制約や代替不可能性を相対的に持っているから優先されるというに過ぎない、って感じ

そもそも育児休暇を論じられるのは大きな団体/会社の職員/従業員に限られる。自営業では望むべくもない、極めて贅沢なことだ。ただ自営業なら自立的に育児に時間を割り当てることもできよう

つまり、「1つのことに人生のほとんどを傾注する」ことへのアンチテーゼとして育児休暇を考える



・私は「1年間の育休を取れるか」と問われたら、とても自信がない。会社の自分の仕事を止めて1年間も休みをとるなど、とんでもないキャリアロスになるような気がするからだ

・しかし、よく考えてみるとビジネスマン人生では、重要でもない暇な部署や不遇な部署に配属されたり、海外でも滅多に人が来ない国の駐在員になった人が、そのときの経験を活かして特別なスキルを身に付けたり、自分なりの人生観を築いて、後で頭角を現してくる例がいくつもある。病気で2-3年会社を休んだ人の同じような例も少なくない。時間があるときに多くの本を読んだり、会社以外の場で違った経験をしたりすることが、人間の幅を広げていくのだろう

・60歳超まで40年間働き続ける期間の中で、1年や2年の休憩はどうということもない。山田さんのように職場に復帰してから仕事の風景が違って見え、そのことが組織によい意味での変化を起こすことに繋がるかもしれない。そう考えると男性の1年間の育休は、本人にとっても会社にとってもプラスになると考えていいのではないか

・私は長時間労働をする罪として、プロ意識の欠如、バランス感覚の欠如、想像力の欠如に加え、向上心の欠如を挙げている。すなわち自分に与えられた仕事ばかりしていて、自己啓発により自分の能力を高めようという志がないことを言っている。己の細かい仕事にのみ埋没して自分の成長投資をしない危うさを悲しむのである





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