佐藤優「野蛮人のテーブルマナー」講談社プラスアルファ文庫

公開日: : 最終更新日:2012/03/10 書評(書籍), 佐藤優, 有罪判決



やっぱり、この人の本は、乱造のところはあるのかな。最近の新刊は読んでみたいと思ってはいるのだけれど



p22.軍事情報以外に関しては、インテリジェンス機関が必要とする情報の95-98%を公開情報で入手することができると言われているが、筆者の経験からしても、それは事実である。外務省で、「秘(無期限)」や「極秘」の判子が押されている秘密情報とほぼ同様の情報を公開情報の中から見つけ出すことができる。このようなインテリジェンスの技法を業界用語で「オシント(OSINT)」という。「オープン・ソース・インテリジェンス(Open Source Intelligence)」の略語だ。戦前・戦中の日本は「オシント」の分野で最先進国だった。ただし、当時は「オシント」という述語は用いず「文書諜報」と呼んでいた

p29.一般には、「コリント」というインテリジェンスの業界用語がある。「コレクティブ・インテリジェンス(Collective Intelligence)」の略語で、通常、協力諜報と訳される

p33.「相手からもらった情報を、第三国に渡す場合は、事前に相手の了承を得る」というのが「サード・パーティー・ルール(第三者に対する原則)」で、インテリジェンスの世界における重要な掟である。この掟を守れば、情報の質も量も圧倒的に高まる。こうして東京の高級ホテルのレストランを舞台に、おいしい食事にワインのグラスを傾けながら、毎晩、コリントが展開されているのだ

p52.「一緒に食事をしながら話をするということはとても重要だ。私たちの仕事は、敵の中に友人を作ることだ。そして、敵と取引しなくてはならない。そのときも動物行動学の知識が役に立つ」「どういうことですか」「動物は、敵の前では排泄をしない。案外、気づかないことだが、実はトイレでの交渉で、難しい問題が解決することが、結構ある。ヨルダンとの平和条約も、最後は私とフセイン国王の2人でトイレの中で決めた」

p57.インテリジェンスの世界では、何でも知っているのがプロということではない。余計な秘密を知ってしまい、「関係者」になると、面倒に巻き込まれることになる。会社でも、派閥抗争に深入りして、会社幹部のスキャンダル情報などを知ってしまうと、それが週刊誌や業界者に漏れたときに「あいつがやったのではないか」という余計な疑惑がかかる。プロのスパイの世界では、「情報を絶対に漏らすな」というような教育はしない。現代の尋問技術(そこには薬物使用や拷問も含まれる)をもってするならば、尋問にあたるカウンター・インテリジェンス(防諜)機関は、知りたいと思う情報をすべて引き出すことができる。しかし、尋問対象者が知らない秘密情報を漏らすことはできない

p117.佐藤:僕は逮捕された時、国家権力という最強の組織には絶対に勝てない、というところから始めました。ではどうやって闘ったらいいか。局地戦の土俵を作るしかない。しかも、その局地戦で勝つことではなく、五分に持ち込むことだけを考えた。田中:いまは、互角以上に闘っているよ。佐藤:でも、バカらしくなってくることもありますよ。現に裁判は7年を超えますからね。公判経費はかかるし、その間、就職もできないし。やっぱり悪魔のささやきが聞こえてきます。「もう認めちゃえよ。新しく出直したほうがいいよ」って(笑)。田中:普通の人が拘置所の中に入れられたら、その悪魔のささやきは効果覿面や。でも、この人たちには効かんのよ(笑)。元特捜検事から言わせると、困ったもんや。――(一同大爆笑)

p124.村上:私は決定に従って潔く刑に服しますが、真実を明らかにするため、歴史の法廷で闘いを続けますよ。現実に自分が裁かれる立場になって、特に検察の取り調べですが、本当にこれが法治国家のやることか、と思いました

p141.佐藤:当時、絶対に会えないと言われていた人間が2人いたんです。大統領警護局長のアレクサンドル・コルジャコフ、そしてエリツィンのテニスのコーチから大統領顧問に出世していたシャミル・タルピシチェフです。このタルピシチェフは猪木先生が会いたいと言ったら即座に承諾してくれた。で、クレムリンの広場で行われた彼主催のアメリカ対ロシアのバスケットボールの試合を見に行ったんです。猪木:あの日は天気が悪かったんだよな。すごい雲が出てきて。佐藤:ええ、雨まで降り始めちゃった。そうしたら、その場にいたタルピシチェフが、戦略防空軍の司令官に「ちょっとクレムリン上空の雲を散らしてくれ」って電話した。しばらくすると飛行機が飛んできて、15分くらいでパーッと晴れた。――そんなことができるんだ! 佐藤:ヨウ化銀をまくんです。そうすると雨雲が吸い取られて天気が良くなる。ロシア人が猪木先生に、「ロシアにはいろいろな技術があるけど、天気を変える技術は世界で一番進んでいる」とか自慢してましたよ

p213.「相手がどう思おうと、まず、フルコースを取る。これは、相手に自分がいかに大事にしているかを伝えるメッセージになる」と佐藤さん。俺は思わず、フルコースを頼んでしまった。「ワインは、ワインリストに載っていないのを頼む」「えっ、あっ」と俺が戸惑っているうちに、佐藤さんは、そのコースの料理に合う、ワインリストにないワインを給仕に頼んでいた。「これも相手に特別に大事にしてますよというサイン」



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Comment

  1. ky より:

    内容が軽いか重いか、知識欲が満たされるかどうかはどっちでもいいけど、特に佐藤優の軽い本では記述の重複が多いのが難点。

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