久保田競「あなたの脳が9割変わる! 超「朝活」法」ダイヤモンド社

公開日: : 最終更新日:2011/09/11 書評(書籍)



眠りについての本は、昔から好んで読んできたジャンル。なんか無駄や誤解が多く潜んでいそうな感じで、それを解決したいと

その道の大家らしい著者が、一般人向けにかなり端折った形で説明してくれる。著者に対するクレディットなしでは疑わしいほどに、その物言いは乱暴に感じる。が、内容そのものに違和感はない

最適な睡眠時間を具体的に、かつもっともらしく書いた本は、初めて。6時間半から7時間というのは是非に守っていきたい。それ以外の時間の質が大きく違ってくる。特に、寝不足は太るというところが心に響いて、頭から離れない

もう一つ、走りに関する主張が多いのは、タイトルでは読めないところ。一般的にいわれる効能のほか、食欲がなくなる、頭が良くなる。しかし、うまくやらないと足腰を痛めるので二の足を踏む。ランナーズハイって、著書が表現するようなものとしては決して経験していない

美しいことを意識する。集中できる時間は90-120分が限度。これらも意識したい、って感じ



p013.最近の脳科学の研究では、「人間にとって最適な睡眠時間は1日トータルで7時間(正確には6時間半以上7時間半未満)であることがわかってきました。無理をして短時間睡眠を繰り返していると、病気になる確率も死亡率も高くなるという科学的に実証されたデータが出てきたのです

p034.「起きている状態」から「寝ている状態」への転換は、段階的なものではなく、瞬間的なものです

p038.勉強や考えごとをしたあと、テレビを見たり、読書をしたりといった余計な情報を入れずに寝ることが大切です。記憶した情報が新しいうちに眠ることで、脳にその情報が鮮明に記憶されていくのです

p040.夜の睡眠中には、脳の下垂体から成長ホルモンの分泌が促進されるため、特に子どもにとって十分な睡眠は大切です。「寝る子は育つ」のは、脳科学的に見ても正しいというわけです

p048.平均睡眠時間が4時間以下の人は、7-9時間睡眠の人より、73%も肥満になる確率が高くなるということもわかっています。また、5時間睡眠だと50%、6時間睡眠だと23%肥満になりやすいというデータもあります

p050.月経後の1週間(卵胞期)は、心身ともに活力がみなぎり、気分も安定し、新しいことにチャレンジするのに格好の時期。エストロゲンの影響で肌にもツヤが出てきます。卵胞期は、体温が低めで、睡眠時間も少なくなります。その理由は明らかではありませんが、活動時間を増やすことで、性行為の回数を増やし、受精の可能性を高めているのではないか、という説があります

p053.適度な運動を日々の生活習慣に取り入れている人は、ひどい生理痛になりにくいなど、月経周期による影響をあまり受けない傾向があります

p062.走っていると、驚いたことに食欲があまりわかなくなったのです。それまでは走ったりして身体を動かすと、ますますお腹が空くのではないか、と思っていたので、予想外の出来事でした。なぜかはまだ脳科学的に説明できない状況ですが、運動の習慣がある人はたいてい同じことを言っています

p065.「健康のため」に始めたジョギングでしたが、半年ほど経った頃に、30分ほど気分よく走り続けていたところ、言いようのない陶酔状態を体験しました。自然と一体化し、うれしくて楽しくて、それは涙が出るほどの高揚感でした。いわゆる「ランナーズハイ」の状況です

p070.個人差はあるでしょうが、私の個人的経験では、日中より夜走ったほうが、街灯などの光の影響か、「ランナーズハイ」になりやすいといえます

p071.「脳をよくする」ということを意識するなら(走るだけでも十分前頭前野は活性化されるのですが、さらにというなら)、いろいろなことを「思い出しながら走る」ことでワーキングメモリーが鍛えられます。特に、仕事などのなんだいを考えてみるのがいいのです。私の場合、問題が机上で解決できなければすぐに走ります

p123.ストレスホルモンのコルチゾールが起床後20分にその濃度が1日の最高値になるということは、あまり一般には知られていません。どうか、ここでそのことを頭にインプットしていただき、厄介なことは午前中、なるべく早い時間にすませたほうがうまくいく、ということを覚えておいてください

p124.美しさの認識は、脳内のどこで行っているのでしょうか? それは、前頭前野のなかでも、人間にしかない脳の最高中枢の前頭極(10野)が活発に働くことで行っています。男性も女性も、朝は鏡をきちんと見て、身だしなみを整えることで前頭極(10野)を鍛えましょう

p155.ストレスは社会的な状況と密接に関係しています。イギリスで行われた「ホワイトホール研究」によると、1980年代、民営化を強力に推進したサッチャー首相政権下、民営化の対象となった局で働く公務員は、肥満度やコレステロール値の上昇、睡眠不足の増加などが見られました。ある意味、「一生倒産の心配もなく安泰」だと思って入った職場に、突然、厳しい市場競争の原理が持ち込まれ、働く人たちに相当なストレスがかかった結果だと考えられています。また、共産主義崩壊後のロシアでは、男性の平均寿命が64歳から59歳へと低下しました。先進諸国のなかで、64歳という平均寿命も早いものではありましたが、59歳というのは突出して低く、当時、「ロシアには年金問題は存在しない」といわれる理由にもなりました。その原因としては、労働市場の大きな変化、景気後退、社会保障の崩壊などにより、心理的ストレスからアルコール依存症患者が増加し、うつ病や自殺、その他結核などの感染症も増えているせいなのでしょう。社会状況の変化や景気後退により、民衆に大きなストレスを招いた結果、と見ることができます

p172.だいたい、どんなことでも90-120分は集中して行うことができますが、それ以上になると効率が落ちたり、集中力が切れてきたりするものです。なぜなのかは科学的にまだよく説明できていないのですが、私が研究してきたところでは、そういうリズムが脳にあることは確実だと思っています



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