白壁達久「白井智子 教育界のジャンヌ・ダルク(旗手たちのアリア)」日経ビジネス2012.1.16

公開日: : 書評(雑誌), 日経ビジネス



20120218110316

このエピソードだけ目にとまった



白井の教育改革の原点は、幼少期のオーストラリアでの生活と、帰国後の自らのいじめ体験にある。白井は父親の仕事の関係で4歳から8歳までの幼少期をオーストラリアで暮らした。現地の幼稚園に入るものの、当初は言葉が分からず、ほとんど無言のまま1年を過ごしたが、先生から「何か話しなさい」と怒られたことはなかった。オーストラリアでは黙っているのも表現として認められているからだ

オーストラリアで小学校を選ぶ時、駐在員の子供のほとんどが日本人学校に通う中で、1人だけ現地の小学校に入った。日本人学校を見学に行った際、近所の友達がいじめられている場面に遭遇してしまったからだ。母の文子は、帰宅後の白井の様子を察して、無理に日本人学校への入学を勧めず、地元の学校に通わせた。移民の国であるオーストラリアでは、日本人である白井も受け入れられた。仮装コンテストに着物をまとって出場して優勝するなど、多様性を認める習慣が根づいている。「あなたは良い子よ」と認めてくれる人が、家の外にも必ずいた。

一方、日本に帰ってからの小学校ではつらい思いばかり経験した。学校にリュックで登校すると、みんなと違うといじめられた。帰国子女とあって英語を話せと言われ、話すとさらにいじめられた。日本では「周囲と違う=悪」であり、少しでも目立てばいじめの対象になった

ある日、豆電球を持参するよう学校から指示があった。家でじっと豆電球を見つめる白井。不思議に思った母の文子が問いかけたところ「この豆電球、みんなのと同じのかな」とつぶやいたという

教員免許を持ちながらも専業主婦であった母は、このエピソードを思い出すたび、涙が止まらないという。みんなと同じでなくても自分を受け入れてくれたオーストラリアと違い、わずかでも人と違うことをすれば排除されがちな日本の小学校。そんな環境で、白井が打ち込んだのが勉強だった

成績が優秀で勉強ができれば、先生だけでなく級友も認めてくれる。だから必死に勉強した。クラスでトップの成績になれば、いじめもなくなって先生にも認めてもらえるようになった。その結果、東大に進学するまでに至った

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