マイケル・フランゼーゼ「最強マフィアの仕事術」ディスカヴァー・トゥエンティワン

公開日: : 最終更新日:2012/03/12 書評(書籍), 有罪判決



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おどろおどろしくイタリアン・マフィアなどと名乗る。そのくせバフェットとかマーサ・スチュワートとか、えらい細かく知ってるな。レイ・クロックとかヘンリー・フォードとか盛田昭夫とか、そういうのって、もろに起業やビジネス自己啓発の定番の具材じゃないか

マーケットで腐った鶏肉のクレームに対して女性に平謝りしてみたりというのは、いわゆるマフィアの印象とかなり違うね。誠実でよろしいのではないでしょうか

マキャベリとソロモン王の比較が後半になって多く出てくる。それぞれをとってみれば、知っている人間にとっては特筆すべきものはないが、比較してその矛盾を筆者なりに昇華させているのがおもしろな

あと「シットダウン」の話はグッときた。汎用性がある

「シンプルに考えろ」というのは、過去の私の大好きな本にも書いてあったことを思い出した
金出武雄「素人のように考え、玄人として実行する」PHP文庫 | hiog



p25.どこかで聞いたことのあるような計画は”よい計画”ではない。大勢の中の一人では、だれからも融資を引き出すことはできないだろう

p27.マフィアで大成する者は。必ず夜明けとともに行動を起こす

p31.優秀なメイドマンは物事をシンプルに考える。そして、さっさと要点に入る。すべては、カネを手にするまでの工程を明快かつ単純にするためである

p32.よい手本となる有名なビジネスマンの話をしよう。彼は自分の仕事を単純化し、そのやり方を40年以上貫いて数十億ドルに及ぶ純資産を築き、アメリカで2番目の金持ちとなった。その人物とは”オマハの賢人”の愛称で知られるウォーレン・バフェットだ。この株式投資の天才は、毎朝8時半に出勤する。会議には滅多に参加しない。電子メールもチェックしない。デスクにはコンピューターもない。電話で話すこともほとんどない。彼が率いるバークシャー・ハサウェイは世界最大の投資持株会社である。しかし、CEOであるバフェットの業務は必要最低限に抑えられている。やるべきことを絞ってそれに最善を尽くしているのだ。やるべきこととは、もちろん株式の売買だ。バフェットは、頭を切り落とされたニワトリのようにオフィスの中を走り回らなくてもすむよう、投資以外の業務については人を雇って任せているのだ。彼のように、自分のやるべき業務を絞り、それに集中するのが賢明なビジネスマンだ。何から何まで自分の手で管理しようと躍起になって、しょっちゅう声を荒げるのでは、成功は手にできない

p47.私の企業連合の利益は、ガソリンの販売量と直結していた。ガソリンが売れるほど利益も上がるのだから、できるだけ多くの企業を吸収しようと努めた。とはいえ、世界的な総合エネルギー企業を取り込むのは無理だ。エクソンモービル、シェル、BPなどのいわゆる「石油メジャー」には手を出さず、それ以外の会社をすべて対象とした

p54.マキャベリの教えは、人々に恐怖心を植えつけて忠誠を誓わせる。しかし、恐怖心で統率された組織は、いつか必ず内部から崩壊する。それは、策略、不信、裏切りが生まれる状況をつくるということだからだ

p61.マキャベリは、「君主たる者、高潔さを一切持ち合わせていなくとも、つねに高潔に見えるように振る舞うべし」と言っている。さらには、実際に高潔であるよりも、高潔なふりをしているだけの君主のほうが優れているとも明言している。なぜなら、高潔さを持ち合わせていなければ、道徳にとらわれることなく、状況に応じて必要なことを行えるからだ。君主には、制限も、境界も、ルールもあってはならない。マキャベリによると、君主は「風向きに応じられる柔軟な思考」を持ち、可能な限り善い行いに徹するが、必要とあれば悪事に手を染められなければならないのだ

p71.マフィアには「イタリア人が最も優れた民族だ」と思っている者が多いが、仕事となれば民族は関係なく協力し合う。くだらない偏見にかまっている暇はない

p73.私はそのカポと面識がなかった。面識のないメイドマン同士が会うときは、安全のため、両者を知るメイドマンを介在させるのがマフィアのしきたりだ

p91.優秀なビジネスマンは、男女を問わず口数が少ない。しかし、口を開けば、鋭い指摘や賢明な意見が飛び出すものだ。充実したプライベートを送りつつ、仕事で大きな成功を手にしたいなら、「よく考えてから行動する」「自分が口を開く前に、まずは相手の話に耳を傾ける」「考えなしに口を開かない」。この3つを決して忘れてはならない

p94.私は父から、ノービィとの”正式な話し合いの場”をセッティングするようんいと命じられた。マフィアの世界では、この手の話し合いのことを「シットダウン」と呼ぶ。シットダウンは、イカのフリットをつまみに白ワインを楽しむような会ではない。マフィアの文化に昔からあるもので、問題について話し合ったり解決したりするときは、必ず「座って話そう」ということになる

p102.メイドマンは、何かにつけてシットダウンを開きたがる。「あいつ、ボスに上納金を払ったのか? 一度呼び出さないとな」「あのバカ野郎、絶対に許さねえ! 仲間と相談だ」「今夜は誰を試合に連れて行く? まあ座って話そうや」「食事はどうする? とりあえず座れよ」という具合だ。彼らの会話を盗聴していたFBI捜査官は、思わず「立ったままじゃ決められないのか?」と漏らしたらしい

p106.ウジのわいた鶏肉を売る店だと噂を立てられたら、このマーケットはおしまいだ。我々は彼女の機嫌を直そうと必死だった。その甲斐あって、女性はまた客として利用すると約束して店を後にしてくれた

p113.シットダウンに、事前に準備をして臨まなかった者は、必ず痛い目を見る。無駄な会話はほとんどしない。その一回で必ず結論を出す

p116.交渉前の準備で主導権を奪え
・自分の身を守る資料を準備しておけ
・交渉相手の性格を調べておけ。状況に応じて的確に対処できるようになる
・相手の会社について、下調べをしておけ。私なら、役員リスト、前年の収益、過去半年の株価の推移、株価に影響を与えた要因は必ずチェックする

p118.面を向かって教えを乞う姿勢を見せると「こいつは自分よりも格下だ」と思って気を許す。そうして相手を油断させておいて交渉を始め、隙をついて斬りかかるのだ

p120.「たとえ無知でも、何も語らなければ賢者に見える。黙っていれば聡明な人だと思ってもらえる」ソロモン 何も言わなければ賢そうに見えるというわけだ。そのうえ気の利いたことを二、三言えば、本来の自分よりも聡明な人物だと思われる。負けると悟ったときにこの手を使えば、多少なりとも利益を上げられる。たとえ半分でも、何もないよりマシだ

p129.マクドナルドの創設者レイ・クロックは、その前に不動産事業で失敗した。ヘンリー・フォードは、今のフォードの前に自動車会社を2社倒産させた。R・H・メーシーも、ニューヨークでメーシーズ・デパートをオープンさせる前に7店経営したが、いずれも失敗に終わった。盛田昭夫と井深大は炊飯器を開発したが、米が焦げてしまうこともあって百台しか売れなかった。日本初のテープレコーダーを制作・販売してようやく、ソニーの土台が生まれた。ヒューレット・パッカードのビル・ヒューレットとディヴィッド・パッカードも、レタス収穫機や体重減少装置などを制作して失敗した。あのウォルト・ディズニーですら、「アイデアが稚拙」という理由で新聞記者をクビになっている。このように、大きな成功を収めたビジネスマンの「失敗例」はいくらでもある。ただ、成功する人は必ず、失敗でつまずいても自ら立ち上がって再び挑戦する。何度つまずいたとしても、めげずに立ち上がるから成功するのだ



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