パトリシア・ライアン・マドソン「スタンフォード・インプロバイザー」東洋経済新報社

公開日: : 書評(書籍)



20120417001532

内容は平易なんだけど、全体を考えると難しい本だな。スキミングのせいかもしらんけど、読み終わっても「インプロバイザー」の意味すら、腑に落ちる理解ができなかった。また、日本の精神への傾倒はいいが、アメリカからのスピリチュアルな目線が、日本に住む読者にとって妙に不気味に感じる。内容そのものはそうでもないんだけど

人に贈り物をするということで、思い出した昔話

昔、インドのコルカタに少し滞在したことがある。一人旅の途中に数日寄った記憶。当時はカルカッタと言ったし、マザーテレサも存命だった。バックパッカーが集まるサダル・ストリート周辺のドミトリーに自分も逗留していた。自分以外の自由旅行者はみなハシーシやLSDをやっていた。

いまほどに経済的な力を持っていない時代のインドだ。今もそうなのかもしれないが、どの街に行っても乞食がいた。そして、海外からの旅行者の彼らへの態度が面白かったりする。旅行者だって貧乏旅行者だが、現地の浮浪者よりはよっぽど裕福だ

ガイドブックにあるように、基本的には日本からの旅行者はこういうのは相手にしない。一方で、欧米系のバックパッカーは結構、バクシーシを行うものなんだ、と知った。ちょこちょこと小銭を上げていたりする。文化的な背景もあるのだろう。特に、老女の乞食には欧米の女性旅行者がそれなりの金額の紙幣を渡す場面を目にした。同性の同情?

そういう浮浪者のなかに、家族で浮浪してる一人に10歳前くらい、日本で言えば小学生の低学年くらいの女の子がいた。大体うろうろしている場所は決まっているし、このくらいの少女の浮浪者はこれまでの旅行の中でもあまり見ないし、インドの女の子に特有のクリッと丸くてキリッとdefineされたシェイプの瞳が魅力的だったので記憶に残っている。でも浮浪者だ。身なりは汚い

その後、バックパッカーが集まる西洋風の食事を出すレストランに行くと、実は、その少女がいた。家族は伴わず1人だけで。そしてテーブルの向かいには白人の男の旅行者が座って彼女を見ている。どうも、彼が彼女をこのレストランに連れてきて、施しをしているような雰囲気だった。少女はかなり戸惑っているようだが、食べ物をもらえるのは嬉しいのだろう、まんざらでもない感じ

しかし、周囲の人の様子が明らかに調子が外れていた。まずレストランの従業員たちは露骨に嫌がっている。そして、他の白人系バックパッカーたちも、嫌なものを見るような目で彼を見ていた。これは施しというよりは、物価の違いを武器に、神にでもなったかのように、不自然な異質な状況を作り出して楽しんでいる彼に対する不快、軽蔑というものだったろう。これは喜捨ではなく、手慰みのような

なんか、本書に関係ないことを書いてしまったな



p18.他人の歓心を買うためだけに取捨選択するというやり方は、必ず失敗します。わたしが尊敬する人たちは、同僚が称賛してくれているかどうかなど、全く気にしていませんでした。彼らが心を傾けていたのは、内なる衝動です。「わたしはこれをする。する必要のあることだとわかっているからだ」

p138.わたしは25年以上前から、どのような有料橋を渡るときでも、後ろの車の分も支払うことにしています。こうすると、いろいろな相手に日頃から贈り物をすることができます。この方法を教えてくれたのは、モーリーンという、気前の良さでは右に出る人のいない、明るい茶色の髪をした、情熱的な大学生です。彼女はかつで、身も知らぬホームレスの人に贈るキルトを1週間かけて作ったことがあるのです。私は、有料橋の後ろの車の分も払ったらどんなことが起きるだろうと、興味深くバックミラーを覗いて、相手の反応を見守ってきました。思いもよらないわたしの行動に対する反応は、喜びから疑いまでさまざまです。あるドライバーは、事故を起こしそうなほどの猛烈なスピードで追ってきました。信号で追いつくと、車から降りて花束をプレゼントしてくれました。「ありがとう。料金を払ってもらえるなんて。こんなすてきなことは本当に久しぶりです」と彼は言いました。また、大急ぎで走り去るドライバーもいました。きっと、見返りに何かを要求されると思ったのでしょう。目的は何かいいことをすることですが、そういうものとして受け取ってもらえるとはかぎりません。相手が贈り物をどう受けるか、それをコントロールするのは不可能です

p193.ダンが守った信条は、「前向きな考えが浮かんだらどんなことでも言葉に表す」というものでした。レストランで食事をして、おいしいと感心したら、必ず誰かに知らせました。まっすぐ厨房へ行ってコックをほめたり、帰宅してすぐに礼状を書いたり。また、素晴らしいと思ったことについてその責任者を探し出し、その人と連絡をとって、称賛や感謝を述べることもしょっちゅうです。先日わたしは、スタンフォード大学で活躍を始めたインターネットの検索エンジン、グーグルのCEOに礼状を書きました。この無料の製品はわたしの生活をさまざまな面から楽にしてくれると思ったのです。わたしはこの検索エンジンがたった1週間でどれほどわたしの役に立ってくれたか、20の例を礼状に書きました。数週間後、グーグルからわたし宛てに小包が届きました。入っていたのは、挨拶代わりのTシャツに野球帽に、ペンに、自由に書き込める本。どうやら、わたしがどんなにお返しをしようとしても、世界はわたしに与え続けてくれるようです



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