伊藤裕「腸!いい話 病気にならない腸の鍛え方」朝日新書

公開日: : 書評(書籍)



20120520091752

腸おもしろい

腸がどれだけ大事かってことが書いてある。腸で栄養吸収するのがいちばん。また腸を進むにしたがっていろいろなホルモンなどのサインが体内に送られて体調が整えられる。ナマコは脳も目も鼻もなく腸ばかりだとか

また些末なデータばかりメモしてしまった。食道の最初の1/3とその先の2/3で筋肉の種類が違うとか、小腸の細胞の寿命なんて、今後も使うのだろうか自分

食事の量を20%から30%減らす。特に糖質を制限する。糖質制限、また出た。これだけ糖質やカロリー全般の制限について、寿命が延びるとまで強く勧められた

考えざるを得ない。インクレチンのお世話にならないように。絶食はたぶん無理だから、20-30%のカロリー制限ってのをやってみるかな



p16.のど元過ぎれば、そこは食道。25-30cmの通路は前半、3分の1は、我々が運動するときに使う筋肉、骨格筋と同じ「横紋筋」でできています。後半3分の2は胃と同じ「平滑筋」です

p19.絨毛を作っている小腸の細胞の寿命はわずか24時間

p23.脳への血液分配がナンバーワンかと思われるかもしれませんが、そうでもない。実は、堂々の第1位は消化器で30%なのです。そして、第2位は腎臓で20%。3位が脳と骨格筋で15%ずつなのです。消化排泄、排尿という行為がどれほど生きていく上で大切なことなのか、逆に、生体にとってどれほど負担が大きく難しい仕事なのかということを物語っています

p24.p16はこの細胞周期のG1期で周期が回るのを止める分子です。がん細胞はこの細胞周期が歯止めなく回り続ける病気で、p16はがん抑制遺伝子の一つです。p16が働かなくなっていることが、食道がんや胃がんで確かめられています。逆にこのp16が強く発現するということは細胞が増えにくくなっているということで、細胞が老化していると考えられています。このように、「がん」と「老化」は裏腹の出来事です。残念ながら、我々は最終的には、このどちらかの状態に陥って死を迎えます。ですから、この両極端の状態から最も離れた中間地点にいること、つまり、「中庸」というのが一番健康的だということになります。儒教四書の一つにまさに『中庸』という書物があります。「子程子曰く、偏らざることをこれ中と謂い、易らざることをこれ庸と謂う」とあります。バランス良く生活する、そしてそのパターンを変えないことが、「中庸」であり、長生きの秘訣です

p27.なぜ、人間は立ち上がり二足歩行をするようになったのかについては多くの議論を呼び、いまだに決着はついていません。島泰三氏は、著書『親指はなぜ太いのか』において、さまざまな霊長類の手の構造と、長年にわたる観察から得られた、彼らの生活活動とその食性に関するデータを見事に関連付けて、独創的な説を展開されています。その結論は、恐竜ほど巨大ではなく、しかし、ネズミなどの小動物ほど小さくもない、1.5mほどの身体のサイズを維持し、かつ他の生物との競合がなく1年を通じて安定的に栄養を確保するためにヒトが考案した生き残りのためのウルトラC、それは、ボーン・ハンティング(bone hunting:骨猟)だった、というものです。彼の「口と手連合説」によると、ヒトの歯の形と手の構造、特に強力な握力を生み出すことのできる太い親指をヒトが持っていることから考えて、ヒトは、他の大型肉食獣が食べた後に残した骨を砕いて、その骨髄成分をエネルギー源としたというのです

p32.ナマコには、脳がありません。そして、目や鼻もありません。口から肛門にいたる腸が、ぶよぶよの皮膚のなかにあるだけです。ナマコはほとんど動きません。ですから筋肉もとても少ない

p35.同じだけのカロリー値のものでも、生で食べるのと料理したものを食べるのとでは、「生食」した方が体重が増えにくいという結果も報告されています。現在、ダイエット法として応用され、しっかりした結果が出ています

p43.「動くこと」に多量のエネルギーを使う筋肉細胞ではミトコンドリアは1個の細胞中に数千個も存在しています。ミトコンドリアが多ければ多いほど、パワープラントが大きくなり、ATPの生産能力も高くなります。一方、運動不足が続いたり、病気や老化でミトコンドリアの機能が落ちるとどうなるのか? ATPが生み出されずに、いわば停電状態になります。つまり、我々は疲れやすくなりさらにどんどん弱っていきます

p52.私たちの身体は60兆個の細胞から成り立っていますが、実は私たちは自分の身体を作っている細胞の数より、さらに多い数の「別の生き物」と同居しているのです。我々の腸管のなかには、実に100兆個にも及ぶ細胞が住み着いています。いわゆる腸内細菌たちです。その種類、100種類以上、重さにして1kg異常になります。我々は、自分の肝臓と同じぐらいの重さになる別の生物と同居しているのです

p55.実は、腸のなかには圧倒的に嫌気性菌が多いのです。腸内細菌は、腸(特に大腸)が作り出す酸素の極めて薄い環境のなかでこそ、生き生きと生きられるのです。ミトコンドリアは酸素を積極的に使ってくれる同居人でありました。一方、新しい同居人・腸内細菌の多くは酸素があると生きていけません。もともと私たち真核生物は、酸素があると生きていけない古細菌の祖先と、酸素を使ってくれるミトコンドリアが共生することで生まれました。嫌気性腸内細菌たちは、私たちの祖先である古細菌の仲間なのです。我々のご先祖様の古細菌は、酸素に溢れたこの美しい地球で生きていくためには、悲しいことに、いつも誰かと同棲する生活を余儀なくされたのです

p57.「私は水を飲んでも太るんです」と言って開き直ってしまわれる肥満患者さんがたくさんおられます。それは言い訳だろうと笑って聞き流すのでなく、私はその方たちの腸内細菌がどうなっているのか大変興味深く思い、調べてみたいと思っています

p58.「上の雪 さむかろな。つめたい月がさしていて。 下の雪 重かろな。 何百人ものせていて。 中の雪 さみしかろな。空も地面もみえないで。」 東日本大震災のあとの報道でよく耳にした「『遊ぼう』っていうと『遊ぼう』っていう……」という詩の作者である金子みすゞの作品『つもった雪』です。みんなに顧みられることのない積雪の真ん中にある雪への優しいまなざし。食べ物と腸管の間で黙々と生き続ける腸内細菌たちをしっかり認識することは肥満、糖尿病への新しい治療法の開発につながると思います

p64.「血管系」は、身体の各部に酸素を送るために発達してきたので、肺および心臓を中心に作られています。一方、リンパ球の通路である「リンパ管系」は本来、体の内と外を隔てる極目のところに豊富に発達しています。そして外敵が入ってきたときまさに水際で攻撃を仕掛け、防御しようとします

p71.現在、いろいろな病気の原因の解明が急速に進んでいます。しかし、病気の進行のメカニズムはある程度わかっても、「なぜその病気がその人に起こってきたのか」が解明されている病気はそれほど多くはありません

p78.「現代の腸にとってのエイリアン」は実は、何と「過食した食べ物そのもの」だったのです

p81.重力は私たちの生命現象のバイオリズムに実際に影響を及ぼしますし、それには月の運行が関わっています。また日照時間の長さは、我々が持っている「生物時計」に影響を及ぼします。私たちの体の変化は24時間同じように起こっているわけではありません。1日のうちで起こりやすい「時」があります。分娩の陣痛は真夜中に始まることが多いですし、喘息発作は午前2時頃に多いです。糖尿病の方は、何もまだ食べていないのに、明け方に血糖が上がってくる方がおられますし、心筋梗塞や脳卒中は午前8時頃にピークがあります。こうした1日のリズムは「時計遺伝子」と呼ばれる物質によって調節されていることが明らかにされています。脳の時計遺伝子は目から入ってくる「光」の支配を受けていますが、肝臓や腸にある「時計遺伝子」は食べたものの量や時間によってその機能が変わります。だから夜遅く食べると腸の時計遺伝子の調子が狂って、メタボになるのです

p98.糖尿病の新薬は実はこのインクレチンの作用を増強するものなのです。ただ単にインスリンの分泌を助けるだけでなく、対抗勢力のグルカゴンの力を削いだり、脳に作用して、もうこれ以上食べてくれるな、と命令したり、胃に働いて小腸にこれ以上食べた物を送り込むのはいったんやめてほしいと言いに行ったりします

p113.同じだけカロリーを体に入れようとした場合、腸を通してカロリー補給した方が、体が生き生きして長生きするのです

p125.食べた物は腸を通っていく間に、その通り道の途中途中でサインを出していきます。そしてそのサインを腸がそれぞれの場所で順番に受け取ることで、囁きを始めます。その結果、血糖が急激に上がることもなく適当なエネルギー量を吸収できるようになります。ところが、だらだら食べ続けてしまうと、この整然としたサインのやり取りが乱れてしまって、血糖が上がり過ぎ、そして余計にエネルギーを吸収してしまうことにもつながるのです。決められた時間に食事をして、その間は口に物を入れないようにする。食べた物が一団をなして腸を通過していくとき、それを静かに見守れるような余裕を持ってほしいのです

p135.肥満した方はなるべく糖を控えたほうがいいのです。また一気食い、ストレス食いも、インスリンを無駄にたくさん出すことになります。そういった意味合いからこうした食べ方は現に慎むべきものなのです

p137.「運動」は「筋肉を鍛える」ことですし、ダイエットは「腸を鍛える」ことです。腸を鍛えることは、残念ながら体を動かすことで実現することはありません。そもそも「体を鍛える」というのは、一体どういうことなのでしょうか? それは、簡単に言ってしまうと、「ミトコンドリアを元気にする」ということです。食べ物を探すために動く、そして探し当てた食べ物を食べる――生きる基本形。ミトコンドリアは、まさにこの生きる目的の実現のために日々働いてくれています

p175.これまでの研究で、酵母(単細胞生物)から、多細胞生物である線虫、ショウジョウバエ、さらにマウス、ラット、サルにいたるまで、すべての生物で寿命を延ばす確実な方法が見つかっています。「食べる量を減らすこと」。つまり、カロリー制限(caloric restriction = CR)です。この分野の研究は現在日進月歩でまだまだ分からないことも多いのですが、なぜ食べる量を減らすと寿命が延びるのかは、私は次のように考えています。生きていくために一番重要なカロリー摂取。これが完全に不足してしまえばもちろん我々は死んでしまいます。しかし、それほど大きな不足ではなく、頑張れば何とかやりくりできる程度の不足であれば、むしろ体はその難局を乗り越えようとかえって「しゃきっとする」のです。だから長生きができる

p176.カロリーを制限する方法には大きく2つのやり方が知られています。1つは、毎日の食生活において”通常食べている”食事の量を20%から30%減らすというやり方です。このやり方が、本来のCRの意味する方法です。もう1つは、短期間だけ絶食するというやり方です。間歇的絶食(intermittent fasting = IF)といわれています。この場合、驚くべきことにトータルのカロリー摂取量は変わらなくても効果があるといわれています

p181.IFは動物実験ではその効果が実証されていますし、実はその効果はCRに比べて大きいです。しかしながら、CRのサルの実験のようなかなり人間に近い動物種での実験は未だ成功していません。その効果が十分に証明されてはいないのです

p183.食べる物がなくなり、タンパクが不足すると、細胞の中の古いものを分解して新しいものの材料にする仕組みがあります。「オートファジー」と呼ばれる現象です。自分自身で、自分の細胞の中の古いものを一部食べて処分し、新しいものを作り出すという意味です。このオートファジーがうまく行われていることこそが寿命の延長につながるということが最近わかってきました。ミトコンドリアもオートファジーでリニューアルされます。IFのときにはインスリンの経路はシャットダウンされ、そしてオートファジーがフル稼働するのです。認知症をきたすアルツハイマー病は、このタンパクの品質管理がうまく行われずに、神経のなかに、古くなって質の落ちたタンパクがどんどんため込まれてしまうことで起こる病気です



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