三島邦弘「計画と無計画のあいだ」河出書房新社

公開日: : 書評(書籍)



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独自の方法で作る出版社。同様の話はいくらでもあるのだろうけれども、それを1冊の本にして、うまく表現できていると思う。熱中して一気に読み終わってしまった。今度ミシマ社の本を探してみようかと思わせる魅力を感じた

直接、本題とは関係ないんだけど、シザーハンズ、好きなんだよなあ。非常に同意する。あと、ピアノレッスンとかも同じだと思う。どうすれば相手が喜ぶかをよく考えて、そのための行動を適切にとるところが大事。前者は雪が降る山、後者は大波が荒れる砂浜だけど、この自然の描写が人の思いを際立たせている。そんな、よい映画だ





p85.「けれど、私の心はひとつです」 お、おおおっ!! こ、このセリフ……。ぼくが知るかぎり、これは、オリックスにドラフト1位指名されたときのパンチ佐藤こと佐藤和弘以来のセリフではないか!

p110.宴もたけなわを迎えた頃、突然、百々さんがガッツ軍団に向けて口を開いた。場がいっきに静まり返った。「みんな、三島君は言わへんけど、たぶん、いまめっちゃお金ないと思うねん。会社つくったとこで、絶対厳しいはずやねん。それでも、ワタナベ君を連れて、高い交通費出して大坂まで来てくれはったんや。わかるか、この意味。みんな、絶対売らなあかんで。『街場の中国論』、絶対売ろな」「はい!」その場にいたメンバー全員が、口々に「ミシマ社の本、売りますよ」と明るく言ってくださった。涙が出そうだった。いや、出てたかな。目頭がぐっと熱くなるのを抑え、そのとき固く心に誓った。絶対に絶対に、いい本にする。そして応援してよかったと思ってもらえる出版社にするんだ。ガッツ軍団との暑い夜は今も、その夜の温度そのままにぼくの中に保存されている

p111.それから現在に至るまで20冊ほどを発刊しているが、実際に本屋さんに行き、自社の本を見つけるたびに感じずにはいられない。「ここにミシマ社の本があるのは、この書店に、間違いなく、人がいるからだ。面倒な作業もいとわず、1冊を理解したうえで置こうと決意した書店員という1人の人間がそこにいる。その1人の存在が、ミシマ社と読者の方をつないでくれているのだ」と

p126.「わたしが子どもの頃ね、よく読者はがきを書いて出したんだけど、一度も出版社から返事をもらわなかったの」「返してくれる出版社があったらいいのになぁとずっと思っていた」その思いをミシマ社で実現したわけだ。最近では、キムラだけでなく、全メンバーが「返信用ミシマ社通信」にひとこと書き添えてご返信している

p226.「ほんとうにモテたいのなら? 最初はまったく振り向いてくれない相手を振り向かせるには?」 唐突だが、こんな質問を受けたとしたら、どう答えるだろうか。ぼくなら、シンプルにこう考える。真っ先にすべきは、相手を喜ばせること。プレゼントを贈ったり、何かうれしいことを伝えたり、そこまでするかというほどの献身的行為を捧げたり……(ただし、ストーカー的になってはいけません)。大切な人を振り向かせるには、そうするほかない。その証拠に神話から現代小説まで、くりかえし同じ主題が描かれている。そのことを、ぼくらにとてもロマンチックかつ温かいかたちで教えてくれたのが、『シザーハンズ(Edward Scissorhands)』だと思う

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