ジョセフ・E・スティグリッツ「ミット・ロムニーの所得税問題にあるアメリカの“不公正”(スティグリッツ教授の真説・グローバル経済)」週刊ダイヤモンド2012/10/06

公開日: : 書評(雑誌), 週刊ダイヤモンド



20121002223608





このシリーズは、いつもは斜め読みである。しかし今回は通読してしまった。富者を攻撃するところが、読んでいて単純に劣情を満足させたのだろう、卑しいことに

税金の不公平と論じているが、これに対して違和感を感じないでもない

レントと表現されているもの、すなわち、政治との癒着や不完全競争によって得られる利益が問題なのだから、それを排除するのが第一のように思う。それが起こらないようにする仕組みを考える。例えば、収賄や横領、不正競争防止法的な咎により、罰金として没収されたりするのが自然に思ったりする

これを税で対応しようとすると、そうでない不正?公正でない?そんな利益、言いかえると、自然な価値創造のベンチマークとしての利益についても、同様に懲罰的な課税が当てはまってしまう。これがおかしい

前提として、応益的に税金を払ったらよいとはもともと思っている



・魚は頭から腐るという古い格言がある。大統領やその周囲の人間が公正な税負担を引き受けないとしたら、他の人々が引き受けることをどうして期待できよう。そして、誰も引き受けないとしたら、われわれに必要な公共財の費用をどうやって賄うことができよう。

・大富豪の投資家、ウォーレン・バフェットは、払わなくてはいけない額以上の税金を払う必要はないが、自分の所得にかかる税金が自分の秘書が払わねばならない税金より低率になる課税制度は、根本的に間違っていると主張している

・実際、最上層の人々が得る利益の多くが、経済学者のいうところの「レント」(訳注:超過利潤。政治との癒着や不完全競争によって得られる利益)である。それは経済というパイの拡大からではなく、既存のパイのより大きな一切れをつかみ取ることから得られるものだ

・経済格差は政治格差につながり、それがまた経済格差を拡大しているのである。その一因となっているのが、過去10年間、「13%以上」の所得税を払ってきたと主張しているロムニーのような人々が公正な負担分を払わずに済ませられる課税制度だ。こうした経済格差──市場原理だけでなく政治の産物でもある──が、今日の全体的な景気低迷の一因になっているのである

・アメリカの最高限界所得税率が35%であることを考えると、彼が大規模な租税回避を行っているのは間違いないだろう。しかも、問題はもちろんロムニーだけではない。ロムニー級の租税回避のせいで、現代経済の繁栄に欠かせない公共財の費用を賄うのが難しくなっていることは明白だ





google adsense

関連記事

no image

梯郁太郎「ロックウォーク殿堂入り「ライフワークは音楽」 長老智慧」週刊東洋経済2007.6.23

20070627033300 こういう長期の見通しというのは大事 ・社名のローランドという言

記事を読む

no image

鈴木棟一「民主をまねて自民が大揺れ 世襲制限めぐる対立の行方(新・永田町の暗闘)」週刊ダイヤモンド2009/06/06

最近、気になる ・自らは秋田から集団就職列車で上野駅に着き、東武東上線の沿線のベニヤ工場で働き

記事を読む

no image

山田昌弘「女性が結婚しないのは高収入男性を求めるため(The Compass)」週刊東洋経済2006.7.1

こういうおもしろい記事があるから、週刊東洋経済は読まないわけにはいかないのだなあ すっきりする

記事を読む

no image

塩田潮「政権奪取は可能か 試される小沢代表(Focus政治)」週刊東洋経済2007.9.1

普段、一応目を通すものの大体は特に強い感想も持たないコラムである。今回は、次の件だけが気になった ・

記事を読む

no image

佐藤吉哉「梅棹忠夫氏 発想生む「頭の霧箱」(編集長インタビュー)」日経ビジネス2007年4月30日号

20070511060700 刺激ある文章。しかし、実際の話がそう行われていたとしても、そのまま関

記事を読む

no image

松崎隆司「三澤千代治氏[ミサワインターナショナル社長]『200年住宅』で夢よ再び」日経ビジネス2008年2月11日号

20080219060000 ・大学4年生の時、駅のホームを歩いていて突然大量の血を吐き、救急

記事を読む

no image

仲宇佐ゆり「野村貿易 マクラーレン社のベビーカー(マーケティングの達人に会いたい第148回)」週刊東洋経済2006.10.14

20061101222200 マクラーレンのベビーカーを最近見るようになった。これを誇らしげに押す

記事を読む

no image

鷺森弘「太陽電池でも「ホンダ流」他流試合より、自ら土俵を作る」日経ビジネス2007年11月19日号

200712010600 ホンダ。夢を感じさせる会社は世界でも数えるほどしかない。人型ロボットやジ

記事を読む

no image

佐藤吉哉「坂本幸雄氏 天下を取り、悪習を正す(編集長インタビュー)」日経ビジネス2008年3月10日号

20080323155400 最近、企業のオーバープレゼンスということに意識が行っている。そのよう

記事を読む

no image

野口悠紀雄「出生率の引き上げは少子化社会対策として適切ではない(通説粉砕経済塾)」週刊東洋経済2006.4.1

ここで急に1年以上前の記事をメモしておく ・出産費用がゼロになったところで、出生率に大きな影響

記事を読む

google adsense

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

google adsense

MediaPad M3 LTE プレミアムモデル購入して2か月

20170409130135 もう2か月が経ってしまったけど、記

Windows10アップグレード導入

20160307001116 2台のノートPCにつき、無料のWi

Nexus 6Pが届いた

20151105221617 無事に届いた。 海外荷物受付

Nexus 6Pが発送された

20151103103105 「発送しました」って内容のメールが

Nexus 6Pを発注した

20151031100625 それまでもネット経由でいろいろ調べ

→もっと見る

  • 名前:Max 年齢:人生の2合目くらい 誕生日:夏の暑い日 一言:他言無用ということでお願いします
  • あわせて読みたい
  • にほんブログ村 本ブログへ
PAGE TOP ↑