永野良佑「銀行が超!衰退産業になったワケ」扶桑社

公開日: : 最終更新日:2013/01/15 書評(書籍), 銀行



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内容のレベルも精度も低い。が、それでもちょっとはノートを取れるところがあった

日本の金融機関はM&Aによってマーケットシェアを取りに行くのは難しいというところは感覚として合っている。単純にシェアの足し算にはならないのだ。だから、ライバルがつぶれた際にも、決して法人格を取りには行かずに、手が放れた顧客のパイを、そこから切り取っていくことになる。これは顧客だけでなく、従業員もそうだ。流動性が高い投資銀行であれば、会社を買えば従業員も含めたビジネスユニットが手に入るのが当然ではない

間接部門の人件費が高く、それが無能力者員の終身雇用の故、というのも同意だな。さらに大事なのは、収益部門で役に立たない従業員は、間接部門に行っても役に立つわけではないのだ



p23.中小企業に融資をすれば、確率的には、一定の貸し倒れが出るのはやむを得ません。しかし、100社のうち5社が倒産しても、その損失を埋めるくらい高い利息を稼げば、ビジネスとしては成功です。

ところが、ビジネスのトータルとして成功したことよりも、今の例であれば5社の貸し倒れを出したことを恥じる文化が日本の銀行にあります。本来であれば計算どおりのはずなのですが、貸し倒れの発生を減点要因だと考える組織では、総体的には儲かるビジネスをやるという気概が生まれないのです

p35.銀行は自分たちのことを一般の会社だとは思っておらず、自分たちを呼ぶときは「当行」と言います。銀行が「当社」と呼ぶのは、取引先の会社のことです。なので、同じ文章の中で「当行による当社への融資は」という表現が、なんの違和感もなく登場するわけです

p48.住友銀行がメインであったのが、第一勧業銀行と富士銀行が合併してみずほ銀行やみずほコーポレート銀行になると、シェアが逆転してしまいます。住友系の企業であればそれを避けようとするでしょうが、そのとき、たとえばみずほからの借り入れを減らして、新たに三菱UFJからの借り入れを増やすということが起きるようになったのです

p127.外資系の証券会社では、この引受の分野は相当に力が入っているところです。外資系の証券会社はすべての上場会社などと付き合うわけではなく、利益が上げられそうな先とだけ付き合うということが可能だからというのが大きな理由です。日本の証券会社が儲けられないのに外資系が利益を上げられるのは、大企業では資金調達の手法が多様化しているため、諸外国で培った最新の技術を外資系は提案できるほか、日本の証券会社にはない海外での販売網があるため、競争の激しくないところで勝負ができるのです

p135.日本の証券会社では、直接おカネを稼ぐ人以外の給与水準が高い、つまり、ビジネス1単位あたりの人件費が高くなりやすい構造になっていることが挙げられます。組織としての生産性が低いといってもいいでしょう。たとえば、日本の証券会社には4月に大量に新卒の大学生を採用するという習慣があります。これら若者はすぐにはおカネを稼げないだけでなく、教育という形で、本来であれば会社のためにおカネを稼いでいなくてはならない人の時間とエネルギーを奪います。その結果として、会社全体で見ると、人件費の相対的な水準は上がります。また、日本の証券会社には、直接おカネを稼がない部門に大量の「男性」正社員がいます。別に男性であることが悪いわけではありませんが、ここで証券会社のカルチャーを思い出してみましょう。そう、リスクなく手数料を稼ぐことが生業であった時期が長く、会社の中で評価されるのはそのような手数料を稼ぐ人です。おカネを稼がない、いわゆる「間接」部門には、手数料を稼ぐという本業部門で役に立たない人が送り込まれるという側面が強いのですが、一方で、そのような人も新卒の形で採用している以上、ずうっと面倒を見るのが日本の会社です。しかも、年功序列で長く勤務すれば給料の水準は上がります。こうして、おカネを稼がない部門に、給与水準が高い中高年の男性が増えていくことになるのです





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