前田昌孝「なぜか人気の『毎月分配』―合理的経済人はどこに(迷解迷答現代けいざい学)」日経平成17年8月17日夕刊

公開日: : 最終更新日:2011/09/07 書評(新聞)

先日に読んだ本は為替に関する効率的な投資を行うためのものだった。ここで、銀行の提供する外貨預金がいかに不合理なものであるかの説明があった。この手の、手数料の法外な高さや商品設計に不合理な金融商品は多い。先日も、商品オプションの電話勧誘があって話を聞いたところ、数十万円のオプションをアメリカで買うのに、往復でその10%程度の3万円強の手数料がかかるということだった。オプションに対する懐疑、原油に関する土地勘のなさ、手数料の高さ、から取引はお断りした
この記事で紹介されているのは、いま大人気の毎月のように頻繁に分配金が支払われるタイプの投資信託の不合理さである。これはこの記事の主題でなくあくまで導入部の話題であるものの、気になって仕方がない。これだけで大きなイッシューだ。大方、「毎月配当が振り込まれますのでお小遣いのようにお楽しみいただけますね」みたいな合意があるのだろう。これって、大の大人がアホかと思う
昔読んだ、週刊ダイヤモンドの山崎元さんのコラムでも、この事実を指摘して、「金融商品は、純粋に利益を得るためのものだから、他の商品のような情緒的な”金銭的価値以外の部分で高くても買いたい”というような価値がない(か極めて小さいはずだ)。だからそのような観点から明らかにおかしい金融商品を販売するのは問題があるのではないか」という話があったように記憶している。ちょっと記憶が曖昧なので論旨は若干違ってるかも
連想としては、「10年間事故(病気)がなければボーナスが支払われます」みたいな、掛捨てでないタイプの保険商品も気になる。基本的には保険商品には保険機能しか求めないほうがよさそう
・この投資信託は分配の頻度によって信託報酬に差を付けていないので、本来は投資家の受取額に大差はないはず。しかし、同時期に同金額を買ったとして投資家の立場でシミュレーションをしてみると、やはり分配の頻度が多いほど最終的な受取額は少なくなる
・分配金を受け取るたびに税金を天引きされ、運用原資が減るし、振込手数料なども負担が必要な場合があるからだ。他の金融商品も一般に「利払いや分配の回数が多い方が手取りは目減りする」(大手銀行)
・人間の実際の行動は「合理的経済人」とはかけ離れていて、多種多様で矛盾に満ちているから、さまざまな商品やサービスが成り立つともいえる。金融商品だけは今まで顧客に合わせる工夫が少なすぎた。もちろん個人の錯覚を利用しておかしな商品を販売するのはご法度だ
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