幸田真音「改革が残した「忘れ物」(さらりーまん生態学)」日経平成17年12月1日夕刊

公開日: : 書評(新聞)

ちょっと古い記事だが、気になっていたので
言ってることが逆だろう。いままでが単純すぎてこうした側面を気にする必要がなかった。鈍感でよかった、ということだろう。むしろ、これまで大切なものを忘れていたということだろう。こういうのを気をつけることは一見大変そうだが、人間の多様性というものがどれだけ価値のあるものなのか、どれだけリスクヘッジにもなるのかということが、氏には分かりそうなものだが
「昔はよかった」的な事柄について、その本質を理解しなおす棚卸しをしてみるといい。例えば社内旅行。会社に音頭取りをしてもらって、キッカケ作りと資金補助をしてもらって旅行のお膳立てができた時代ではない。自分の予算で自由に国内外に旅行ができる昨今、多様な価値観を追求できるようななった時代において、社内旅行などは過去のものだ。鬼怒川など、団体旅行に注力していた保養地の荒廃を見たか。現代的に変容させるなら、研修旅行か、またはモチベーションを上げるための純粋なご褒美視察旅行として、全額会社負担かつ給料を払ってはじめて強制するものだろう。従業員の懐を痛ませて、半強制的にどこかの温泉地の時代遅れの団体用旅館に連れて行かれて宴会。さらには、女性に浴衣なんか着せちゃって、などというのは、ごく一部の例外を除いては苦行に過ぎない
皆が同じ方向を向いて同じことをしていれば皆がそれなりの幸せを得られるということが幻想であると知っている。皆同じなら、確かに年をとれば出世して部下も得られるし、あんなヤツが出世するのだから、自分もその立場に当然になると思うのだろうし、実際にその立場になったら昔の人のマネで年の功だけの何もできない人間になる。そういう秩序が壊れてきている、いまはまさにその端境期にあるのではないか。スペシャリストとしてキャリアを築いてきた人間は年取ったからと経営者になるものではない
・年末の飲み会は、同僚たちの魅力再発見の場であり、職場の士気昂揚の絶好のチャンスでもある。職場仲間と大勢でワイワイ楽しむことが羨ましい。しかし、会社勤めの旧友は「そうでもない」との意外な返事。近年社内での職員構成が激変し、企業内の文化もずいぶん変わったという。
・雇用機会均等法や、企業のコスト削減策、さらには世の中の就労形態の多様化もあって、いまや事務処理部門の大半が派遣職員になった。嘱託社員も増加し、「社内で同一の企業文化を共有するなんて根底からなくなってきたね」と嘆くのだ。週末を利用した社員旅行や、スポーツ大会もすっかり姿を消したが、問題はそれだけではない。「以前は普通に交わしていた社内での会話や、懇親会も、派遣法という法律で定められた権利や義務を念頭に置いて対応しないといけないしね」。ましてや、派遣社員も加えて昼食時間中に会議を開こうと思うものなら、さまざまな面での配慮が必要になるという。
・改革は確かに必要だが、現代人はなにか大切な忘れ物をしていないか。心配になるのは、私だけだろうか
20060210224200

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