鈴木棟一「金融庁処分連発に潜む主導権奪取の事情(新・永田町の暗闘)」週刊ダイヤモンド2006/06/10
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最近、与謝野・中川と竹中の対立が言われている。そのことと、最近の金融庁による金融機関への頻繁な行政処分が繋がっているという話がこれ。なるほどと思った。急速に人望を集める与謝野氏は次の自民党総裁の可能性もあるという。なんとも
与謝野氏については、過去にも気になって何回かメモしたことがあった
石川潤「アイフル全店処分の必然(時流超流)」日経ビジネス2006年4月24日号
“「金融相、信用取引、担保除外を批判―ライブドア株で。」日経平成18年1月19日夕刊”
こういうこれまでの発言を踏まえて、この人物をどう評価していいかわからない
・4月末からの1ヶ月、与謝野氏率いる金融庁は突然変異のように金融業界への業務停止命令など制裁行政を連発する電撃作戦に出た
・金融庁の激しい動きの背景に、これまで金融行政を支配してきた竹中氏への、報復の意思がうかがえる
・三井住友への業務停止だが、郵政民営化の準備会社である日本郵政株式会社の西川善文社長は竹中氏と関係が深く、三井住友の前頭取である日本経済団体連合会の奥田碩会長は、東京証券取引所社長で東芝出身の西室泰三氏を推したが、首相は、竹中氏が推した西川氏に決めた
・竹中氏のブレーンだった木村剛氏の日本振興銀行にも疑惑の目が注がれている。関係者の話。「銀行の免許を竹中が超スピードで下ろした。ネットのソニー銀行が一年半かかったのに4ヶ月ぐらいで取れた。しかし、『親類や身内への貸し付けが不自然だ』と告発もあり、金融庁は次のターゲットにしている」
・なぜ首相は竹中氏を敬遠し始めたのか。平沢勝栄氏が語る。「竹中はゴマすりの天才で、イエスマンだということで小泉が重用した。しかし、小泉は最近になって『竹中の言うことを聞いていると、いろいろ問題が起きる』と気づいた。ホリエモン事件は竹中事件、というのは永田町の常識だ」
・「歳出カットばかり言うと経済が萎縮する。一方で成長政策で増収策を採らねば。クルマの両輪でやらなければ経済が失速する」このバランス感覚が与謝野氏である
・与謝野氏は選挙に弱かった。3年前に落選から復帰したとき「どうせ無役だろう」と量子力学の本を十数冊、シリーズで買い込んで勉強しようというほど学者タイプの仕事人である
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