網干勝弘「奮闘 子育て主夫(生活ファミリー)」日経平成18年5月31日夕刊

公開日: : 最終更新日:2011/09/19 書評(新聞)



日経夕刊は家庭、家族や女性にまつわる記事が多い。日経によれば、そういうのは経済新聞は夕刊でとりあげるべきものなのだ。新聞の宅配制度がある日本ならではの仕組みということだろうか


夕刊だけ購読を止めても金銭的には大した節約にはならない。だからせっかくなので注文する。でもやっぱり大して読むものもないので、紙面を繰る右手の運動だけで終わることが多い。株価そのものを新聞で得る時代じゃないのに前場引けの株価なんか一生懸命掲載されても見ないし、海外のと言わずスポーツは興味ないし、テレビは見ないし


著者は主夫生活7年、3人の娘を育てているという




・小学校のPTAの役員選びでは、クラス委員になろうと考えていたが、女性陣は慣れた様子で話を進め、教師も「お母さん同士で決めてください」。おいおい、ここにお父さんもいるんだけど。主夫という役割を果たすには、たくさんのハードルがある




この程度でハードルですか。僕も仲間に入れてください、って率直に言うだけ


こういうのはもう食傷なので、お願いだから心の中で都合よく読み替えていただきたい、と切にお願いしたい。本人は自分の感動を人にも共有してもらおうと、また文章に面白さのエッセンスを加えたつもりなのかもしれないが、こんな小さいことでゴタゴタと興ざめだ。「お母さんといっしょ」の件(“山田正人「経産省の山田課長補佐、ただいま育休中」日本経済新聞社”)など、いちいち煩い。言っているほうだって悪気はないんだし、これまで母親が多かった事実に基づくクセだからしょうがないではないか。最近、病院でも男性の看護師がいて同性として非常に頼もしく思っている。だからといって、つい看護婦と言ってしまって責められたとしたら、病院や学校のようなところが、そんなに包容力がない社会だったんですかってんだ




・突然、娘が「お父さんも授業のお手伝いをするんだって」と報告する。理由がわからず、あわてて学校に出向くと教師は「校外での総合学習に付き添ってください」と一言。既に当番の日も決まっていた。母親たちはあらかじめ口コミで情報伝達していらしく、そこに男性が加わるには努力がいる




母親たちが、この類の主夫に対して距離を置き、または表面的に敵対的だとしても、なんとなく理解できる気がする。


まず、この人はどうも変だ


そして、一般論としては、育児云々を別にして成人の男と女だ。健康寿命の長くなった現在、育児の時代もあれば、別の配偶者を探す時代もすぐそこにあったりするかもしれない


主夫を初めとして、男性が育児の世界を実地に経験して、その実際を解明していくにつれ、専業主婦に都合の悪い真実も白日の下に晒されることになるかもしれない。実は現在、ほとんどの家事は機械化・自動化されているとか、案外育児は楽なもので精神満足度も高いとか。この主夫さんのようにわざわざ児童教育の中心に分け入っていこうとする不協和音に対しては、敵意もヒトシオだよね


また、以上のような悪意ある想像を抜きにしても、主夫さんが現に極めて希少な生き物で以上、たとえ真実は健全な人格であっても「一見して環境に溶け込めていない不自然な人物」として、この世知辛い世の中では要注意人物の推定を受けられても仕方ない部分があることを自覚しなければならない。危険な内容の本を図書館で借りること、変わったタイトルをレンタルビデオ屋で借りること、幼児趣味の文物を蒐集すること、すべてそうだ。ブラッド・ピットとモーガン・フリーマンの映画「セブン」を想起するよね。ましてや、子供の大事な時期に神経質になっている親御さんなんだ


しかし、以上のようないくつかの想定も、まったく事実と証明されていない。ちょっと妄想の域に入ってしまったかもしれないので反省


ここではむしろ、そのような非公式な伝達手段を使っている学校が強く非難されるべきである。これでおしまい。ちょっと譲るとしたら、本当にそのような阿吽の呼吸で連絡をつけなければならない社会ならば、そこに入ろうとした主夫のほうで相当の努力をするというのが、これまでそれでうまく回っていた社会の仕組みに対する畏敬の態度だよね。いや待てよ、ここでは娘さんが学校と家庭の連絡をうまくできなかったという単純な事故の可能性もある


結局のところ、この程度の作文で紙面を埋めようとするから日経の夕刊は詰まらないのであり、じゃあ日経自体読むの止めちゃおうか、ニュースはインターネットでわかるし、ということになってしまうのだ


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Comment

  1. 網干勝弘 より:

    はじめまして。記事の感想、ご意見ありがとうございます。この取り上げた記事に書かれている本人です。
    なかなか読み手に、あの字数で実情の詳しいところまで伝えるのは難しいですね。『この程度の作文・・・』で大変申し訳ありませんでした。
    掲載されている原稿の3倍書いて、何回も修正入って・・・。書くほうも大変です。毎日におわれる記者の辛さ、読んでいただいて、伝わらぬ著者の立場はなかなか辛いものだと言う事が分かりました。

  2. Max より:

    網干様、こちらは匿名で批判を書いているのに、しっかりと顕名でコメントをつけていただいて恐縮です。基本的にトーンがきついことは、すみません。でも、他人の目を気にしたり馴れ合いだったりで、良いことしか言わない世界は厭ですので、あくまで主観的にやっています。おっしゃるとおり既存のメディアであれば、それも経済に軸を置く大新聞ともなればなおさら、制約も大きいだろうと思います。思い出したのは、付き合いのあるフィナンシャル・プランナーが先日、大手テレビ放送局の2時間特別番組に出演したので視聴したところ、結局その知人がカメラを向けられて話している場面はたった数秒に過ぎなかったことです。字数や表現方法など、そういったところから目先は考えなくて済むのがblogを含むネットの良いところですね。それにしても最近の日経夕刊は育児ネタが多いです

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