原田泰「インセンティブが働かない日本社会(The compass)」週刊東洋経済2006.6.10

公開日: : 最終更新日:2012/08/25 書評(雑誌), 週刊東洋経済, 原田泰



できないことを「できる」という。現実と建前が違う。こういうのってすごく多くて、すごく気になる


確かにこのヒューザーの社長は切れ者だと思う。一つの人物であるだろう。彼の立場ならば、このような訴訟を提起することは当然ともいえる。この結末が楽しみだ


この耐震偽装事件により、日本の建物は容易に信用できないという思いがいっそう増した。マンションのチラシを見たり、良さそうなものはモデルルームに言ったりするのはすごく好きなんだけど


また、一般に不動産会社の人ってどうも信用に欠ける気がする。私の思い込みに止まればよいが


その上、不動産取引にはコストが掛かりすぎる。業者手数料や税金など。ただ相続税に関しては安いという説明もなされていると思う。それでも持っているだけで固定資産税を払ったり、各種の規制で思うような利用ができないということが多く、素人が不動産を持つものではないと思う




建前を前提にした日本の制度


・日本の制度の特徴は、できないことをできるということである。耐震偽装問題で明らかになったことは、政府は、建築物が正しく設計され、建設されているかをチェックすることになっているが、実際にはそんな能力はなかったということだ。考えてみれば当たり前である。膨大な数が建てられる建築物を、いちいちチェックすることなどできないだろうし、そうするインセンティブがない。建物は審査しなければならないが、それを審査する能力も時間も人もない。怪しいと思って調べだしたらキリがない。グレーゾーンのものは無数にある。それを止めていたら仕事にならない。止めて喜ぶ人は誰もいない。グレーゾーンなら、いざ大地震が起きれば皆大丈夫か、皆ダメになる。みんなで渡れば怖くないである。耐震偽装が問題になったのは、皆がグレーゾーンの違反しかしないだろうと思っていたのに、ブラックゾーンの違反をする人間が出てきたからだ


・なぜ、できもしないことをできるというのだろうか。事故が起きれば規制しろという世論が高まる。規制すれば仕事は増え、世論に応えてした仕事であるから、仕事は確保できる。規制をどのように実行するかは不完全であるが、形だけはある。うまくいかないときにはさらに規制せよという話になるだけだ


・耐震偽装マンションを建設したヒューザーが、違法建築物を未然に防ぐ注意義務を怠ったとして、東京都など18の自治体に139億円の賠償を求める訴えを起こした。多くの人は盗人だけだけしいと思っただろうが、このような訴訟が多発すれば、規制当局には真剣に制度について考えざるをえないインセンティブが生まれる。必ずしも悪いことではない


・もっともより効率的にインセンティブを確保する制度も考えられる。建物が正しい設計図どおり正しく施工されているかどうかをチェックする保険制度だ




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