原尻淳一・小山龍介「IDEA HACKS!」東洋経済新報社
確かに電車の中で思いついたことを整理してやっつけ仕事でまとめちゃいましたというニオイのする本だ。軽い。そのせいか文章はあまりうまくない。もっとシェイプアップできる
まあ、いろいろと新しい引用があって読書家なんだな、というところはわかります
自分の仕事のやり方への示唆に富むところは、価格なりの価値のある本ということができる。話半分のところがあるし、同じような本はいくらでもありそうだけど
一部影響を受け、さっそくテンピュールのアイマスクを買おうと思ってデパートをはしごしてしまった。しかし売っていないので、通信販売で購入してしまった
あと、この本ね、タイトルが英語なのでネット書店などで検索がしずらい気がします。おそらく出版元からいって週刊東洋経済の宣伝を見て手に取ったのだと思うんだけど、たどり着くまでに結構面倒な思いをした記憶がある
p20.先に挙げた3か所以外にオススメなのが、キーホルダーと携帯電話のストラップにつけられる小型のペン。これで「あ、ペンがない!」という状況はなくなります
p42.一番オススメのソフトは、「FreeMind」というソフト。オープンソースなので手軽に利用できます。FreeMind活用クラブというサイトは、利用方法も載っていて便利です
p55.わたしがやっているのは、打ち合わせのスケジュールを30分長めに見ておくこと
p108.シャワーを浴びたあとの午前中はぜひ、企画書の作成などにあてたい。ドイツの社会学者マックス・ウェーバーは、朝、新聞を読まなかったといわれています。せっかくの創造的な時間を、新聞を読むなんていう非創造的な作業に使いたくないからということ
p108.水泳もアイデア発想に効果てきめん。プールの水の感触が、脳への適度な刺激となるようです。ミクシィ代表取締役である笠原健治さんは、休日には1、2キロも泳ぎ、泳いでいる間に「新しい発想を思いつくことが多い」のだそうです
p113.アイデアの生まれる場所の共通点を挙げてみると、どうやら、「リラックス」「ながら」「リズム」となりそうです。ウンウン苦しむのではなく、お風呂に入っているようにリラックスして、車の運転のような何かをしながら、馬やバスの揺れなど、適度なテンポを感じている。これって、みなさんのまわりにないですか?
p116.万年筆のインクの色は、濃いブルーを使っています。これも、ふつうの黒いペンとは違って、なんとなくおもむきが出るから不思議です。こういうところから、気分を変えていくのがアイデアを出す秘訣です。これはつまり、アウトプットするときには、自分のアウトプットしたものを魅力的にしていく工夫が必要だということです
p121.「『歩く!』技術」(アーク出版)という本では、1秒間に2歩で5分以上歩くことをすすめています。これは、セロトニンを分泌する大脳の縫線核が、1秒に2回というリズムでセロトニンを生成しているからだそうで、えおの縫線核と同じリズムで歩き「共振」を引き起こすことで、セロトニンの生成を促すことができるのだそうです
p147.マリナーズの投手だった長谷川滋利さんは、「イメージバンク」という言葉を紹介しています。うまくいったときのイメージをたくさん覚えておくことで、ピンチになっても動じず、いつもの能力を発揮できるわけです
p161.実はGoogleをうまく使うと、シソーラス的な言葉を探し出すことができます。探したい言葉に加えて、「って」として検索するのです
p172.ロジカルに説明するときにぜひ身につけておきたいルールがあります。それは、話すときに「結論を先にいわないこと」なんです。これは、ふつうにいわれているセオリーとは逆です。ビジネス本やビジネススクールで教えられるのは、「結論を先にいう」ということなのですが、これをまともに信じて、いろいろとたいへんな目にあってきました。よくよく観察してみると、そんなふうに話している人なんて、あまりいないんです。これはなぜか。いいアイデアほど、一瞬、既存の考えとはズレがあったりするので、いきなり結論をいってしまうと、反論の集中砲火を浴びるからなのです
p197.プロフェッショナルと呼ばれる人は、勝ちにつなげる高度なパターンをいくつも自分の技にしています。パターンの精度が高まれば、パフォーマンスが安定し、それが磨かれると勝ちパターンになっていく。これはスポーツに限ったことではありません
p202.世の中には「風」の民と「土」の民がいるそうです。「風」の民はふらっとやってきて、いろいろな情報(種)をまいていく人。「土」の民は情報の種から花を咲かせ、実をつける人。阪神大震災のとき、ボランティア仲間から聞いた話しですが、風の民とはいわゆる「ボランティア」のことで、土の民は問題を抱える「住民」のことを指します
p224.脳科学者の茂木健一郎さんは、日本の自然科学におけるノーベル賞受賞者4名のうち、少なくとも3名は受賞対象となった研究においてセレンディピティが重要な役割を果たしたといっています
20060812063200
東洋経済新報社 (2006.7)
通常2-3日以内に発送します。
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Comment
読んでいただき、ありがとうございます。著者の原尻です。
>確かに電車の中で思いついたことを整理してやっつけ仕事でまとめちゃいましたというニオイのする本だ。軽い。そのせいか文章はあまりうまくない。もっとシェイプアップできる
○自分でもそう思います。でも、軽いと言う点を感じていただけたのなら、良かったです。狙って軽く書きました。ターゲットを入社2-3年目くらいに設定しているので、あまり小難しいことは書かないように心がけ、文体もかなりフランクにPOPにしました。
>話半分のところがあるし、同じような本はいくらでもありそうだけど
○これは、そうですね。でも、書いている最中はとても焦りました。ああ、このネタ先にやられた、ということが記憶するだけで10件はあったと思います。たぶん、これは僕の勘なんですが、これはスゴイかも!って思ったら、日本に100人くらいはそう思っている人がいると言うことです。だから、世の中早い者勝ちですね。ホントに実感しました。
○最後に、ハックって、所詮道具じゃないですか。なんで、自分に合ったものをどんどん使うか、あるいは自分向けにカスタマイズするか、だと思うんです。テニスだったら、グリップのテープの感触とか、自分に合ったものにしたり、ガットの硬さを調節したりする、あの感覚をこういうところにも意識することが重要だと思います。
○是非、おまけHACKSに登録してください。ボツHACK、差し上げます。
原尻さま。おもしろい本だけでなく、著者ご本人からのコメントもいただき、ありがとうございます。恐縮です。
その後、実際にMUJIで0.38水性を実地に確認したり、テンピュールのスリープマスクの使い心地を楽しんだり、シソーラスのフリーのサイトをブックマークしたり。FreeMindもインストールしちゃって且つ紹介されたサイトで活用法も熟読済み、ご指摘のおまけHACKSメルマガも早くに登録済みです。
対象年齢が入社2~3年目というのもなるほどです。これまで自分が獲得するのに少し時間がかかっても、後進の若手にはこんな形でサクッとキャッチアップしてもらう。同じモタモタはさせない。彼らにはそれを越えた、より創造的な、こちらが教えてもらうくらいの活躍をして欲しいですね。
>最後に、ハックって、所詮道具じゃないですか。
そうですね。このパラグラフのご主張は完全に同意です。私も書斎用の椅子に、アーロンチェアと悩んだ挙句決めたコンテッサが、自己流に使っていくうちにヘッドレストがどうも想定からはあり得ない角度になってしまっているのが、それでも大満足という感じです。変でも所詮方法論なので、それで何をするかという点は別の問題ですね。