沓沢江美「女性コンサルタントが教える新サラリーマン処世術」半蔵門出版
公開日:
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最終更新日:2011/09/03
書評(書籍)
女性だから書けた。男性が書くと問題が起きる気がする
評価に悩む内容。注意して読むべき本。そうは言ってもそれほど内容の濃い本ではないので、注意すべきところは読んでいて直ぐに分かる
そうはいっても、巻末の参考文献を見る限り、結構オーソドックスな本が並んでいる
ちょっとカバーが凄くて、手に取るのがちょっと恥ずかしいかも
p20.成功している女性起業家を拝見すると、背後に男性メンターの存在が見えるようです。つまり、頼り上手なんですね
p28.女性は相手がどう思っているのかをとても気にします。それが途中経過においても、出てきてしまうんですね。で、土壇場になって、しかもあなたが問いかけて始めて、かなりやばい状況であることが発覚したりして
p31.女性にとっては、今が大事だからです。長期的な視点に欠ける。今の自分にとってのベストな状態は何かを考えて、常にベストなところに自分を置いておきたいんですね。プライオリティの基準が、絶対的な現在にあるわけです
p37.ブランド力のない未婚男性と、ブランド力のある既婚男性と、彼女たちはどちらを選ぶでしょうか? 残念ながら、後者を選ぶケースが多いですね。漫画家のさかもと未明がいうように、キャリア女性は不倫にはまりやすい。それは、淋しさを埋めるためのとりあえず、の相手ではあっても、ブランドの魅力からは脱出し難いほど保守的だからです
p41.ここまで頑張ってきたんだから、周りから羨ましがられるような生活ができないとイヤ。子供を産んで、仮に仕事を辞めたとしても、ちょこっとビジネスでいいから「カリスマ主婦」として巻き返しを図りたい。そのための資産を持ってるような相手だともっといいんだけど
p49.女性が、男性のどこに魅力を感じるかといえば、一心に何かをしている姿です。これについてはほとんど異論はないと思うんですね
p58.男性のあなたにお願いしたいことは、まだあって。それは、彼女の無言の声を聞いてほしい、ってこと。すごく難しいんですけど、男同士って、手伝ってほしければ言うはずだ、って思っているでしょ? でも、女性は察してほしいんです
p104.決断できないという、本当の理由を考えてみると、チャレンジしたことそれ自体よりも、結果を重視する価値風土があるように思います。成功する確率が五分五分だったとして、あるいは、もっと低くても、チャレンジしたことそのものはあまり評価されない。成功して当たり前で、失敗すれば責められる。そういう雰囲気に染まっていると、リスクを取ってまで何かをしようとしなくなるのですね
p128.対人スキルが全体的に落ちてきているせいか、スペシャリストの人気が高いように見受けられます。でも、組織からすると、専門的な知識を持ちつつ、ゼネラリスト的に働ける人の方がより重宝します
p141.経済産業省が起業を強力に推進していますけど、それほど起業が素晴らしければ、経済産業省の官僚は起業家になっているはずではありませんか?
p155.社内で研修する暇はない。だからデキる人に入ってもらおうと。スペックとしてデキるということと、社内営業ができて、自分の職務遂行のための布石を打てる人、というのは違うんですね。新しい人間関係を上手に作らないことが原因で、せっかく期待されて転職したのに成果が出せない人というのは大勢います
p167.団塊の世代というのは、特に責任というところで、美味しいとこ取りをした世代。それ以前の世代は、家庭においても一族郎党の世話をすることと引き換えに君臨していたわけですね。是非はともかくとして、愛人も含めて。一族の長としての責任を引き受けていたからこその権力が認められていたわけです。ところが団塊の世代になると、核家族化が進んで、親類縁者の面倒を見ることもなく、君臨することだけを覚えた。つまり、威張ることだけが分離して残ったんです。一見リベラルなんですが、責任を取る気がないから、他人の自由を認めている、という部分もあって
p177.ひとつのことを30年も40年も続けている、そのことに胸を張っていただきたいと思います。その上で、最小の努力で最大の結果を獲得していくことを考えていけばよいのではないでしょうか
20061205235800
半蔵門出版 (2005.9)
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