西岡常一「木に学べ」小学館

公開日: : 最終更新日:2011/11/12 書評(書籍)



学者をやり込めた話。具体的な名前も出てくる。学者に対する不信


経験からくる確信。祖父から教わったこと


百年、千年残るための仕事。いまの道具がおもちゃのようなものだということ


現在の建築に対する批判。建築基準法やコンクリートを使うこと


飛鳥時代が最もしっかりした建築だった。法隆寺に見られる各時代の建築を見て。釘などに使う鉄を見て




p16.自然に育った木ゆうのは強いでっせ。なぜかゆうたらですな、木から実が落ちますな。それが、すぐには芽出しませんのや。出さないんでなくて、出せないんですな。ヒノキ林みたいなところは、地面までほとんど日が届かんですわな。こうして、何百年も種はがまんしておりますのや。それが時期がきて、林が切り開かれるか、周囲の木が倒れるかしてスキ間ができるといっせいに芽出すんですな。今年の種も去年の種も百年前のものの、いっせいにですわ。少しでも早く大きくならな負けですわ


p19.長い目で見たら、気を使って在来の工法で家を建てたほうがいい。今ふうにやれば1000万円ですむものが在来工法で建てると1200万円かかりますわ。そのかわり200年はもつ。1000万円やったら25年しかもたん。200万円多くだせば200年もつ。どっちが得か考えてみなさい


p20.建築規準法も悪いんや。これにはコンクリートの基礎を打回して土台をおいて柱を立てろと書いてある。しかし、こうしたら一番腐るようにでけとるのや。コンクリートの上に、木を横に寝かして土台としたら、すぐ腐りまっせ。20年もしたら腐ります


p22.一番悪いのは日光の東照宮です。装飾のかたまりで、あんなんは建築やあらしまへん。そやから、何回も解体せなならんのですわ


p60.建築物は時代が新しくなるにつれて構造の美しさというのが失われてきとるのや。その失われていく様子を、法隆寺では一目で見ることができます。法隆寺は飛鳥時代の大工たちが知恵を出しきって作ったんです。法隆寺のよさは力強い美しさやな


p62.飛鳥時代にはほかにも寺が作られてますが、ここだけが残った。これは構造を大事にしたからですな。聖武天皇のとき、各地に国分寺を建てましたが、ひとつとして残ってませんでっしゃろ。あるのは国分寺跡だけ。その頃の大工が、無理矢理集められて、いやいや作ったからや。今の大工にも似たところがありまっせ


p64.大陸からの技術を鵜呑みにせんと、雨が多く、湿気の多い日本の風土に合わせて、こういう軒の深い構造を考えたんですな。こういう知恵の働きというのは、近頃のアメリカのまね、イギリスのまねをやってる日本人は勉強しなければなりませんな。飛鳥の工人は、自分たちの風土や木の質というものをよく知っていたし、考えていたんですな


p99.この柱を、梅原猛さんは、「聖徳太子の怨霊が伽藍から出ないようにするため中門の真ん中に柱を置いた怨霊封じだ」というんです。ところが、そんなことはないんです。呪いとかそんなものは、仏法にはありません。仏教は人の世の平和を考えるもんです。仏教というもんを本当に理解せんと、ああいうことになってしまう


p127.科学万能の時代にふしぎなことですが、このお像にあるだけの鋳造技術が現在ないんです。この仏像と同じように光背を仕上げるだけの技術が、今はもうなくなってるんです。結局、金堂の前にある灯籠みたいなもんしかできません。あれで、精いっぱいなんですな


p181.学者というのは、ほんまに仕事という面からいうたら、どうにもならんもんでっせ。わたしは一度言うてやったことあります。「飛鳥時代には学者はおりません。大工がみんなやったんやないか。その大工の伝統をわれわれがふまえているのだから、われわれのやっていることは間違いないと思ってください」そしたら、誰も返事しよらんかったな


p214.こうした建造物をつくるには、仏教を信ずるという心がないとできませんな。近頃、日本人には宗教心がないいわれてますが、どうなりますかな。仏教はキリスト教やイスラム教徒はちがいますわね。仏教は自分自身が仏様である。それを知らんだけだと。神も仏もみんな自分の心の中にあるちゅうことをいうてるんですわ。ほかの宗教は、神様は人間界を離れた上にあると考えている。そこが違うんやね。そうしたことが忘れられてしまったんや。法隆寺にしろ、薬師寺にしろ過去に対する尊敬の礼拝の場所です。法隆寺では大講堂が一番大きいでっしゃろ。薬師寺でもそうだったんです。この大講堂から生きた仏教が生まれていくんだすな。新しい仏教が




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