大竹文雄「ウィキノミクスで経済効果(経済を見る眼)週刊東洋経済2007.8.4
まあ、そうは簡単にはいかないでしょうけれども、と思った話。だってインセンティブがないものさ
・カナダの小さな金鉱山会社が、自社が持っている地質データをインターネット上の公開し、金鉱脈を見つける優れた方法を提案した人に賞金を出した。この方法で、この会社は多くの新たな金鉱脈を発見することができた。タブスコットとウィリアムズ両氏による著書「ウィキノミクス」(日経BP社)の冒頭に紹介されている事実である
・データを公開して日本で発生しているさまざまな経済社会問題の発生原因を世界中の研究者が科学的に明らかにし、その解決方法を研究すれば、役所の中だけで限られた人たちが忙しい公務の傍らデータを分析しアイデアを考えるよりは、はるかに効率的に正しい処方箋が得られるはずだ。いくら日本の公務員が優秀で専門的知識を持っていたとしても、時間も人数も限られている。世界中の研究者の頭脳をほとんど無料で使うことができるのだ
・実は、日本の統計法が今年改正され、研究者向けに政府の統計や業務統計を公開することが「可能」になった。しかし、「可能」になっただけで当該官庁がデータを公開しないことも自由だとされている。日本の政治の政策論争が抽象的なものに終始する傾向が強いのは、役所から独立した研究機関がデータを基に政策効果の分析が十分にできないことにも原因がある
20070803234600
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