築山節「脳が冴える15の習慣」NHK出版生活人新書

公開日: : 書評(書籍)

ベストセラーだし、ハック物でもあるので読まない理由がない。その期待に違わず読んでいて面白いし、かつ、内容が有益であった。締め切りを作って仕事をするということは最近よく聞く。自分も意識したいと思う
最後に、自分の勤務先に相談に来てもらっても構わないというところは、好感。こういうところに厭らしさを感じてはいけない。逃げていないというところを素直に評価

p26.少し早めに起きて、次のうちどれか2つを実行してみて下さい。特に午前中、脳の働きやすさがまるで違って感じられるはずです・散歩などの軽い運動・部屋の片付け・料理・ガーデニング・挨拶+一言・音読(できれば10分以上)
p30.会話の少ない環境にいる方は、ぜひ音読を習慣に取り入れてみてください。ただ読むだけでなく、人に聞かせるつもりで読むともっといいでしょう
p36.時間の制約がある中で仕事をし、集中力、頭の回転の速さを高めます。この時間の制約というのは、長くても2時間が限度でしょう。それ以上長くすると、時間と仕事の量の関係が意識しづらくなってしまいます。それでは緊張感が生まれません
p42.どうしても時間内には終わらず、残業になったり、持ち帰り仕事になったりすることがあるのは仕方がありません。しかし、それを当たり前にしてはいけない。時間の成約を最初から意識しているのといないのとではまったく違います。特に上司が「時間をかければ」の発想で仕事をしていると、部下も会社から帰れなくなる。全体に能率の悪い組織は、そういう悪習慣を持っているものではないでしょうか
p45.いちばん良くないのは、自然に最後まで問題解決できたときが仕事の終わりという考え方で仕事をすることです。基本回転数が上がらなくなる上、選択肢も無限に広がってしまいます。毎日「忙しい忙しい」と言いながら一日中働いている割には、能率が上がっていないように見える人は、そういう悪習慣に陥っているのかも知れません
p50.夜の勉強は中途半端にやっておいて、睡眠時間を十分に取り、起きてから整理する方が合理的。私の場合を言えば、仕事から帰った後、家族の話を聞くようにしています。「今日はどんなことがあった?」ということを一人ずつ聞いておく。そうすると、どんなに仕事が忙しいときでも、家族の問題が頭の中から消えなくなります。仕事の課題や取材に対する答えなども寝る前にざっと考えておきますが、必ずしも結論まで出そうとはしません。睡眠中の整理力に期待し、起きてから考えをまとめるようにしています
p52.寝つきを良くするためには、毎日寝る前に同じ行動をするのも有効です。これは「入眠儀式」と呼ばれる一種の自己催眠で、たとえば夕食後、片付け→勉強→入浴→明日の準備→読書→終身……という一連の行動を毎日繰り返していると、その活動の後には必ず眠りたくなってきます。朝と夜の活動はパターン化されていていいのです
p65.仕事がよくできる人は、若い頃に苦労をしていたり、日常的に面倒な雑用を多くこなさなければならない場面を多く持っているものではないでしょうか。すでに脳の体力が落ちて、何をするのも面倒くさいという状態になっている人は、小さなことでも、身のまわりの雑用を片付けることから始めて下さい。格言的な言い方をすること、・毎日自分を小さく律することが、大きな困難にも負けない耐性を育てる
p66.そんな雑用をするくらいなら、もっと格好良いことをしたいと思われるかも知れませんが、それは脳の体力をつけてからです。前頭葉の指令を出し続ける力が落ちているときに大きな問題に取り組もうとしても、途中で面倒くさくなったり、辛さに耐えられなくなったりして挫折してしまいます
p78.複雑な組み立てが要求される仕事が発生したときにも、書くことから始めるといいでしょう。書く紙は裏紙でも何でもかまいませんが、書くことが大切です。脳の中で組み立てようとしている情報を視覚化するのは、前頭葉の仕事を助けることだと考えて下さい
p89.思考の「ファイル化」:100個の問題をたとえば5種類の問題に分類して、A、B、C、D、Eの案件があるという風に整理する、さらにそのAの問題にはa、b、c、d、eという問題があるという風に整理するから、後でAの案件の中にあるaの問題には、a1、a2、a3、a4の要素が含まれているという風に、100個の問題全部を思い出せる
p107.時間があるときには、できるだけ外を散歩するようにする。歩いているとき、人は安全を確保するために、目をキョロキョロと動かそうとします。1日に1時間歩くだけでも、目の動きは十分に確保されるようになるでしょう
p116.必要なのは、その情報をできるだけ長く脳の中に留めておくことです。長くと言っても、数秒でかまいません。そのフレーズを頭の中で復唱したり、口ずさんでみたりする。新聞のコラムの書き写しが有効なのは、そういう機会を自然に発生させるからです。ただ黙読するだけでは、情報が次々に流れていってしまいますが、書き写すためには、ある程度の言葉のまとまりを一時的に脳の中に保持しておかなければいけません。そのとき、思わず口ずさみながら書いたりもすると思います。そういう作業の連続になっているところが、書き写しが脳のトレーニングになる第一の理由です。なお、書き写すときに、パソコンやワープロを使ってもいいですが、手書きの方が時間がかかる分、脳のトレーニングとしてはより効果的でしょう
p119.他人の知識を自分のものにするには、書いたり話したりして、自分で出力する機会をつくる必要があります。効率化ばかりを考えていると、そんなものを書いたり書かせたりするより、たくさん仕事をさせた方がいいという発想になりがちですが、そういう生活を続けていると、日々接している情報が流れていくだけになってしまい、物忘れをしやすくなります
p177.アイデアを生み出しやすくする方法。寝る前に情報を蓄え、アイデアを大ざっぱにでも考えておくと、寝ている間に思考が整理され、翌朝、アイデアがすっきりとまとまっていることがあります。それを書き留めておいて、日中は仕事をし、夜になったらまた情報を蓄え、大ざっぱに考えて寝る。そういう生活を続けていると、よく練られたアイデアを生み出しやすくなる
p202.自分がよく書いたり話したりする英単語は、聞き取るのも楽だったはずです。これは脳の言語中枢の中で、聴く方と話す方がバラバラにあるわけではなく、解釈するという部分を挟んで一連の流れになっているからで、日本語でもスムーズに出てこない語彙は、聞き取ることも難しくなります
p203.幼少期の教育では、日本語で思考するための基礎力をしっかりと固めておくことが重要。私の外来でも、長期間海外で遊学していた人が、日本語の言語体系における概念化の能力や語彙力が下がってしまっているために、上手く認識・記憶・思考できなくなっているケースが何例かあります
p207.指示を出されなくても、自分で常識的な判断をして、行動を抑制するということは、誰でもできるようでいて、できなくなっている場合があります。たとえば、私の外来にいらした若い患者さんで、会社を退職して1年ほど社会と関わらずにいたある日、コンビニに陳列されていた商品を何気なく食べてしまった、という方がいました。社会性のない生活を送っていると、人は意外と簡単にボケてしまうものなのです

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  • 名前:Max 年齢:人生の2合目くらい 誕生日:夏の暑い日 一言:他言無用ということでお願いします
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