藤井孝一「週末起業」ちくま新書

公開日: : 最終更新日:2012/12/23 書評(書籍)



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不況やリストラに立ち向かい、副収入や独立を得るための考え方の整理とノウハウの本。ベストセラーとなった2003年初版当時はタイミングが良かった。しかし、タイミングだけでは計れない本書の魅力がある


下に引用したとおり、サラリーマンに対して勤務先でがんばる以外の選択肢を有効に示せていること。そして、それを自らの経験と自らが集めた他社の経験を引き合いに説得できていることである


いま読むと制度に関する多くの記載はすでに時代遅れになってしまっている。そこは間引いても、本質的な主張は決して色褪せていない


往時のベストセラーとして当時買って放置してあったものを数年経って、いまさら読んだ自分って何?




p041.会社を辞めずに、週末などを利用して二重生活をしていること以外に、彼らに共通していたのは、お金をかけずにはじめたこと、インターネットを駆使していること、などです。そして何より大事なことは、自分の大好きなことをビジネスにしていることです。「自分がすでに持っているものを、どうしたらお金に変えられるのか」を考えることに時間をあてて、結果的にそこからお金を生み出すことに成功していたのです




自分はここをネガティブに読んだ。自分の好きなこと、自分のすでに持っているものを前提としてビジネスを開始することは、一つの大きな制約だと思う。というか、どっか別の本に書いてあった




p048.起業すると仕事が楽しくて、寝てなんかいられないのです。もっと正確にいうならば、仕事が仕事ではなく、娯楽のようになってきます。これは私にとってもパラダイムシフトでした




ここもネガティブに読んだ。仕事を娯楽にしてしまうことがいいのかどうか。娯楽の位置づけを自分で明確にしておかなければならないように思う。自分が楽しいと思うことだけをしていればいいのか、ということをある時期に考え始めるようになる




p050.副業でやるアルバイトが儲からないのは、いちばん安く、いちばん大変で、いちばん割りに合わない仕事を、自分から手を挙げてやらせてもらうことだからです。自分で仕事をデザインせずに、他人のビジネスの末端で、誰でもできる単純な仕事をすることを選ぶのですから、当然そうなります。アルバイトの仕事は割に合わないからこそ、わざわざ募集広告まで出してやり手を捜すわけです




確かに道理だけど、それを言ってはおしまいという気も。ただ、筆者もこの後続けているのは、そのように利用されるのも手だということ。このように、既存の社会の仕組みをスクラッチから考えることができる習慣をもっと意識したい




p053.多くの人が告白していることですが、実は週末起業をすると本業にもプラスの効果が現れはじめます。社外人脈の構築、知識・経験の獲得、ビジネスをトータルに捉える感覚の獲得。少なくとも、週末起業をすると、むしろ本業もがんばる傾向にあります。週末起業をしたために本業がおろそかになったら困るからです




同意




p061.大企業が始める場合でも「新規事業」は最初、赤字です。ではその間。その赤字の「新規事業」を誰が支えているのでしょうか。答えは、すでに軌道に乗っている事業です。投資回収がとうの昔に済んだ、コアになる事業が十分利益を生み出し、「新規事業」を支えることができるからこそ、リスクの伴う冒険ができるのです。それでも企業が新しいことをやるのは「黒字事業」が衰退したとき、その企業を支える次の「黒字事業」を育てておく必要があるからです。振り返って、これを個人に置き換えてみると「黒字事業」を「現在の勤務先」、赤字の「新規事業」を「週末起業」に当てはめることができないでしょうか?




スケールの大小の観点から発想を展開した、上手な主張の好事例だ





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