佐藤優「日本の組織で育ちにくい高度な専門的能力(知の技法 出世の作法)」週刊東洋経済2008.2.9

公開日: : 最終更新日:2012/03/10 書評(雑誌), 有罪判決, 週刊東洋経済, 佐藤優



英語が話せても話せなくてもやっかいなのが日本人社会人の現状。話せるのに話せない振りをするというズルが最もいいということになる



英語が話せることでそのまま通訳に使われるというのは勘弁してほしい。この記事のコンテクストも同じだ。翻訳はその専門家に任せるべき。そうでないと、英語ができるがゆえに雑用をやらされる



しかし、英語がボトルネックとなって仕事が全然進まないのだから、英語ができない人間が頭を下げて英語ができる人にお願いする。最後の1マイルを握られているのだから、できない人間からは特権的に映り、できる人間は英語しかできないのに社会にのさばることになる。気がつけば、そのような語学の仕事以外までは手が回らずに本当に社内通訳と化してしまう



英語ができないと称する人間も、少しは自分の言葉で語ってほしいと思う。そうは言っても義務教育と高等教育でそれなりのコストをかけて勉強しているのだから、どれだけ貧弱な英語であっても使ってほしい。それだけでどれだけ仕事がスムーズに進むことか。英語を知らないということはアウトプットができないということに他ならない





・外交官の語学力低下には、別の理由も存在する。「語学が上手だ」という評判が立つと、通訳の仕事を持ち込まれる。通訳の仕事は緊張するし、誤訳も完全に避けられない……。こうした事情から、語学力向上に及び腰になる。官僚の職業的良心はあくまで「出世」である。外務省の人事評価は減点主義であるため、誤訳の責任が問われれば、将来の出世に悪影響を与えてしまうのだ。また、通訳をすると記録の作成までやらされ、自分の業務が滞ってしまう。それよりも「語学はそこそこできる」レベルにしておいたほうが、出世のためには無難である。こうした悪循環で、外務省の語学能力はかつてなく低下しているのだ





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