澤一良「一番わかりやすい整理入門」ハウジングエージェンシ-

公開日: : 最終更新日:2012/02/03 書評(書籍)



整理対象を、スマイル、アクティブ領域、スタンバイ領域、プロパティ領域、スクラップ領域に分類することから始める。なかなかの理屈であり、得心させられる


しかし、こういうのはまあ、分類しろと戦略コンサルの新人にブレストさせれば程度の差こそあれ容易に思いつくのではないかと思ったりする。それを家財の整理という、およそカネの臭いのしないマーケットで使っていこうというところに、この本の貴重な点がある。事ここに極まれり? これは整理収納アドバイザーという資格を目指す人の入門テキストとなるもののようだ。しかし整理収納アドバイザーも、他の大多数の資格と同様、飯を食っていくために必要な何かのほうが大事だと思う


わかりやすいとか基本であると謳っているとおり、内容は極めて平易である。しかし、主張をサポートする事実があまりないような気がする。一般的に陥りがちな罠とどうしてそうなるのかを伝えるが、そうすべきでないという理由づけが十分ではないようにも思う。極めて個人の生活感に関係してくる部分なので収集癖のある人、特に蔵書についてこだわりのある人には反感を感じる部分もあるかもしれない




p23.整理をすることによって、皆さんの人生が変わり出すスタートだといういうふうにとらえたら、整理はもっと楽しくなるはずなのです。そういうううに意識を変えていくと、整理をこれまでとはまったく違った活動として楽しめるようになります


p29.戦時中など、者が非常に不足した時代に育った方は、「物を大切にしなければいけない」というしつけを受けています。それが「物を捨ててはいけない」という勘違いに繋がっているパターンが多いのです。しかし「捨てる」という行為は非常に重要な整理の行為です。「物を大切にすること」=「捨てない」ということではありません。物を大切にしないというのは「物を捨ててしまう」ことではなく「物を使わない」ということなのです


p39.物を買うこと、また、買った物を維持することに対してまた無駄な時間とお金を使ってしまっていることにも気がつかず、悲惨な生活をしている人が多くいます。中には、それが悲惨であることに一生気づかないまま生涯を終える方もたくさんいます。あげくの果てには死んでから後も、息子や嫁の世代にまで、物という負の遺産を残して迷惑をかけてしまうことになりかねません


p40.基本的に、整理ができない原因は部屋の中に「スマイル」があるからなのです。スマイルとは何か? スマイルとは、整理収納アドバイザー養成講座で作られた独特の概念で、「収納の中にある必要ではない物」のことです。「スマイル」という呼び方をするのは、私たちの整理という環境に負の影響を持つ悪玉を逆のイメージにすることでより強く認識させようとするためです。また単純に整理ができない人間たちを嘲笑っている……なんてとらえ方もあります


p58.制作者の意図がその物の持つ本質であるならば、制作者の意図通りに物が使われるのが物にとってベストの状態ですよね。間違っても、皆さんが持っていらっしゃる洋服が、3年間もの間一度も着られることなく洋服ダンスにかかりっぱなしだと、物にとって大変不服な状態だといえます。なぜなら、そんなふうに扱われることを意図して、デザイナーはその洋服を作ったわけではないからです。ということで、制作者の意図通りに物を使ってあげることが、人と物との関係を良好にするために方法の一つのなります


p98.昔はパソコンがなかったので、図書館に行かなければいけなかったし、本を今よりも読まなければ情報を得ることができませんでした。しかし今ではパソコンでインターネットを通じて何かを調べたいと思えば、ほとんどの情報は調べられます。ですからもう本を多く持つ必要がなくなってきています。情報は必要なときに得る物であり、常に携帯する必要があるのかという疑問がわいてくるのです


p63.複数で一つの仕事をしてくれる物をグループと見なします。100円ショップでカゴを買ってきて、手紙を書くための道具を一つのグループにまとめてしまいましょう。そして、それ以外には使わないようにします。辞書も、ペンも、手紙を書くための辞書であり、ペンなのです。そこがポイントです


p160.家族構成や、この奥さんがどういうライフスタイルを持っているのか、仕事をバリバリされているのか、それとも専業主婦なのか、などをまずは十分きいてみましょう。その生活の理想的なパターンという物にあった物選びをしていかないと、物を持ち続けるにしても、捨てるにしても、依頼主と同じ認識基準が作れないからです




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  • 名前:Max 年齢:人生の2合目くらい 誕生日:夏の暑い日 一言:他言無用ということでお願いします
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