三谷宏治「トップコンサルタントがPTA会長をやってみた」英治出版

公開日: : 最終更新日:2012/11/22 書評(書籍)



20080917060000








面白い。筆者がPTAや生徒の前で話した具体的内容が興味深い


子どもの育て方については、他人事ながら少し心配しながら読んだ。どのような子どもに育つのか。ここまで具体的な方法論を出版するのであれば、その結果も気になる


最近、著者が週刊東洋経済か何かでも同じことを言っていたような気がする。夏の合併特大号のの脳とか効率とかの特集で、仮説思考とか、いろいろな最近売れている人のコラムが掲載されている中に。鼻の下に髭を伸ばしているのは、第一印象があまりよくない


そうか、観想力の人か。”三谷宏治「観想力 空気はなぜ透明か」東洋経済新報社“。これも具体的な事例は面白かった。しかし、あまりアピールの部分があまり記憶に残ってはいない気がする


でも「観想力」といえば彼しかいないし、そういう言葉を違和感なく提示できるというのはいい。この言葉もかなり納まりがいい


同様なことで最近極めて気になるのは、「再活」とか、「人財」とか、「豆富」という言葉だろうか


再活。なんか意味は分かるけど、おかしい表現だと思うのはどうしてだろう。また人財や豆富という言葉は、力みが感じられて変だ。どれも自分のATOK 2008では出てこなかった




p26.最初の頃は親がお金を出していた。ルールは「3回提出しなかったら止める」何年か続いたが小学低学年の頃、数回出さなかったことがあり、即停止。でも、DMに退かれて1年後に「もう1回やらせてください」いいでしょう、でも今度はまず自分でお金を払いなさい。それで提出物の点数に応じてお金を返してあげましょう。100点満点だったら100%、80点だったら80%。提出しなかったらゼロ、全額自己負担。いいね


p32.こういったことを正面切って言わなくてはならないほど、多くの現場は「勝ち」へと加熱している。リードしていながら終盤に攻め込まれているようなとき、コーチが叫ぶ。「時間を稼げ」「ボールを外に蹴り出せ!」そして外に出た相手チームボールを、親たちは避けて拾おうともしない。わざわざ相手選手に拾わせる。少しでも時間を掛けさせるために。そんなサッカーが子供にとって「楽しい」サッカーなのだろうか。一生やり続けようと思うスポーツなのだろうか


p41.親が子供につけてもらいたいものは、表面的知識でも、ましてや単なる学歴でもないだろう。そんなものが将来大して役に立たないことは、親自身が分かっている(はず)。こともが将来、ヒトとして幸せに生きるための知恵でありスキルこそが、本当に大切なこと。我々親が、子供につけてもらいたいものだ


p43.三谷家の三人娘たちに親(私と妻)が与えているものは、基本的に3つ。それは「貧乏」と「ヒマ」と「お手伝い」だ。これは「お金をなるべく与えない」「塾や習い事に行かせない」「勉強勉強言わない」ということでもある


p48.「常識」や「自制心」は必要だ。それこそが大人と子供を分けるもの、と言える。でもそれは、「他人と同じことをすること」「多数が信じることを自分も信じること」「誰かが作ったルールを守ること」「突飛なことをしないこと」という「心のブレーキ」を子供たちに叩き込むことでもある。そして、子供たちは、順調に「ツマラナイ大人」へと変貌を遂げる。そうしているのは、誰あろう、社会全体であり、親たち自身なのだ


p57.自らを訓練する方法は多分いくらでもある。まずは自分を拡げることだ。外に出て、人と話し、本を読もう。仕事だけでなく、趣味や社会活動にもっと時間を割こう


p62.みんなの周りにはびっくりがいっぱい隠れているんだ。それを知って欲しい。そしてそれを感じて欲しい


p68.ここでヒトが感じるべきことは「常識とは『自然』ではなく『人為』なのだ」ということだ。常識はヒトの中にある。それを打ち破ることは、自らの心の縛りや檻からどう逃れるかという問題と同じだ。まずは自分の中にある「常識」を意識し、理解しよう。


p75.成功は、実は目に見えにくい。そして成功の真の理由はもっと見えにくい。成功の理由こそが、未来の失敗の理由になるというのに。ヒトは自分がいかに幸福かを、そもそも分かっていない。人生を100回生きているわけではないのだから、仕方がない


p79.我々は「成功」を「多くはないこと」くらいに思っている。それは、大きな間違いだ。「成功」は「極めて稀なこと」なのだ


p81.夜空はなぜ暗いのだろう。これはオルバースの背理と呼ばれる有名な「問い」である。19世紀、人々は、宇宙は無限に大きく、星が無限にあり、それが均等に拡がってジッとしているもの、と考えていた。ところが、簡単な(高校レベルの積分)計算をすると分かるのだが、そうだとすると夜空は「無限に」明るくなってしまうのだ。計算が正しいのに答えが違うということは……前提が間違っているということだ。彼が1840年に没するまでにその問いが解かれることはなかったが、その根元的問いは常識の破壊をもたらした。「宇宙は無限ではない(有限である)」「宇宙はジッとしていない(膨張している)」そしてそこから現代宇宙論の基礎である「ビッグバン理論」が生まれたのだ


p82.「この世を支配する法則」、つまり強い理論(を表す方程式)は必ず美しい。現実はどんどん移り変わり、あまりに複雑だ。しかしその混沌の海を渡るに必要なのは「単純な美しさ」なのだろう。強い組織は必ず美しく力強いビジョンや理念、戦略を持つ。そしてそのシンプルな美しさを持つ「船」は、素朴な問いから創り出される。「歩きながら音楽が聴けないか」「自動車事故をゼロに出来ないのか」こういった根本的な、素朴な問いを発していこう。そこにこそ美しく強い生き方への答えが見えるはずだ


p99.今回も全員のタイムが向上する。約40名がただ一人の例外もなく。彼・彼女らはきっとこの瞬間のことを、一生覚えているだろう。「限界は自分の中にある」「3回挑戦!」「集中による限界突破!!」


p119.物理学には「量的変化は質的変化に転化する」という名言がある。文字通り桁違いの努力をすれば、必ず大きな変化を成し遂げられる。まずは1つでよい、そういう経験をしよう。この時のコツは、「楽しくやる」ことだ


p121.私がコンサルタント時代に見てきた新入社員たちの夜の過ごし方で、最悪なのは同期入社同士での飲み会だ。多少、互いの成長に刺激を受けることもあるだろうが、9割は職場と上司のグチ合戦になる。次に悪いのが社内の直上クラスの人たちとの飲み会。同期とよりは相当マシだが、それでも視野の広がりは今ひとつ。せっかく、貴重な夜の時間を費やすならば、さらに上の人たちにお相手を頼もう。いわゆるマネジャーや、部長たちと、直接話をしよう


p131.真に学ぶべきものは単に英語という「言葉」だけではない。コミュニケーションが成り立つために必要なのは……。「言語の背後にある文化=『英語的思考』であり、『英語的論理』でもある」もっと正確に言えば、その英語を話す相手の民族的思考パターンや論理性を理解しなくてはいけないということだ


p141.ビルや家の屋上の貯水タンク。これには球形と円柱状がある。しかも円柱のは横から見ると正方形に見えるものがほとんど。なぜだろう。圧力の分散や表面積(=材料費)あたりの容積、丈夫さだけを考えれば球形がベスト。しかしこれはとっても作りにくい。大きなものには普通は向かない。でも、圧力が気になるならこれが最強。だからガスタンクやLNG(液化天然ガス)タンカーのタンクは必ず球形。圧力がそれほど気にならないなら、作りやすい円柱状がよい。ただしこれも表面積あたりの容積を最大にすると……なんと直径と高さが同一の形がそうなる。つまり横から見ると正方形


p165.「GIGO(garbage in, garbage out: ゴミを入れたらゴミしか出てこない)」は、まったくもって正しい。せっかく、KJ法で一生懸命ブレーンストーミングをしても、通り一遍のカードが100枚積み上がるだけ。それでは創造的な答えは出てこない







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