鴨下一郎『ひとつ「捨てると」人生がひとつ「楽になる」』新講社

公開日: : 書評(書籍)

期待する路線とは少し違った。というのもあまり理屈だったことは書かれておらず、かなりさらっと書き流したような文体で、診療内科的なカウンセリングを行うようなものであった
働く女性に向けた内容が多かったりするが、それで首尾一貫しているわけでもない。想定する読者像というものが明確になっていないように映る
あと、この人の本はタイトルにかぎ括弧が多いことを発見した。というか、本文の中にもかなり独自の使い方のかぎ括弧があり、結果としてすごく多い
このくらいの本であれば、10分くらいで読み終わるのが普通という感じ

p29.初志貫徹といいますが、途中で失敗だったと気づいたときは、すぐに修正することが大切です。ぐずぐずと「初志」にしがみついていること自体、すでに自分を不幸にしているのです。「看板をかけ直す」こと。人生は何度でもやり直せます。後悔しながら現状に留まっているより、まず動くことが大切です。「心機一転」のほうが、実践的であるように思うのです
p42.心配性の人にアドバイスしたいのは、「とにかく体を動かせ」です。じっとしていては、「ああなったらどうしよう。こうなったらたいへんだ」が頭の中を駆け回り、収拾がつかなくなります
p58.多弁、多動の人は、普通の人よりも心筋梗塞のリスクが高い、という研究報告さえあります。血圧が上がって、心臓に負担をかけているのです。一方で聞き上手の人は、おだやかで、せかせかと動くことはありません。ゆったりとした態度で耳を傾けますが、それは精神的にリラックスできている証です。病気になるリスクも低いのです
p97.残業するときは、さまざまな邪念を捨てて、たんたんと仕事をこなしていくのがいいのです。それが「疲れない」コツとなります
p106.「ああ忙しい」が口癖になっている人ほど、じつは「忙しくない」ことがあります。職場の同僚たちはみんな忙しそうなのに、自分だけボーッとしていると仕事ができない人間だと思われるから、「忙しい、忙しい」と。いわゆる見栄です。見栄というのは人を疲れさせるものです。ここで私は、「見栄は、お捨てなさい」……といいたいのです
p108.オシャレとは自己演出です。オシャレひとつで自分が「できる人」に生まれ変わり、はつらつと仕事に向かえるような気がしてきます
p118.平安文学の紫式部が残した日記には、「自分は宮中では『一』という字の書き方も知らないような、愚かな女を演じていた」という一節があるそうです。これも「できる女」の処世術なのでしょう。しかし「愚かな女」を演じることは、「できる女」にとっては、そうとうのストレスとなっていたはずです
p129.いいではありませんか、ひとりでお昼休みを過ごすことにしても。あまり気にしないことです。お昼休みは、あなたの自由にできる時間なのですから。よけいなことで気を惑わされることはありません
p135.仕事を持つ女性はしばしばこういう性格を現すものですが、これはその女性の生来のキャラクターというよりも、女であることで損をしているというコンプレックス、そして負けず嫌いの競争心からもたらされている面が強いのでしょう。しかし、こういう精神状態でいることは、いつもイライラ、カリカリさせられることであり、心が安まらないのです。だからこそ女性にとっては「いかに休むか」ということが、とても大切な問題となってくるともいえます。しかし残念なことに、意欲が旺盛なこのタイプの女性ほど「休めない」という現状があります。休むと不安になってくるのです
p136.勝ったとか負けたとか、何かの役に立たないかとか、よけいな意識は捨ててください。仕事のことも忘れてほしいのです。無になれたときに初めて心は深く休まるのですから、「ただ夢中になっている」ということを楽しめるようになってください
p145.「休んでいるよりも、働いているほうが調子がいいんです」こんなことをいう人がいますが、これは、それだけ強靱な肉体と精神を持っているからではありません。たんに働きすぎて、ストレスや疲労といったものを感じるセンサーが麻痺しているだけなのです
p152.休日であっても、いつも起きる時間に目覚めてほしいものです。朝寝坊するとしても一時間までです。その代わり、ゆっくり時間をかけて朝食をいただき、贅沢な朝のひとときを味わったらどうでしょうか

20090327231532

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