山口正人・豊田圭一「自分がいなくてもまわるチームをつくろう!」明日香出版社

公開日: : 最終更新日:2012/12/23 書評(書籍), デザイン



20090601013127








だいたい、こういうテーマの本は読むようにしている。新しい発見はほとんどなかったりするが、それでも事例紹介などで使えるものを一つ見つけただけでも、読んだ価値はあったと思う


本著で紹介されている著者の開設するサイトで、著者の言うマニュアルの例を見た。かなり細部にわたるものであり、事例として参考になった


上席の仕事とは何か、ということを教えてくれる。いつまでもハンズオンでフロントエンドのビジネスをすることでは決してない。そしてプレイヤーとして優秀だった人が、コーチや監督としても優秀であるとは限らない




p12.どんなポジションで働いているにしろ、あなたの仕事は量ではなく質で評価されるはずです。たとえ、アルバイトや派遣社員のように時給換算で給料が得られるケースであっても、多くの場合、企業は「時間」ではなく「仕事の成果」への対価として給料を支払っているのではないでしょうか


p13.特にポジションがあがればあがるほど、その傾向は強くなってきます。んまぜなら、チームリーダーのような上に立つ人は、チーム(会社、事業部、部、課など)をまとめることで仕事の成果を出すという役割があり、自分ひとりの働きだけで評価されるわけではないからです


p14.マーケットが評価しているのは、企業がそのモノやサービスをつくるのに費やした時間に対してですか?そうではないですよね。マーケットが評価しているのは、あくまでそのモノやサービスを購入することで得られる価値に対してです


p20.「名選手、名監督にあらず」という言葉があるように、名監督(=リーダー)が必ずしも優れた選手である必要はありません。むしろ、野球やサッカーなどのプロスポーツチームの実績を見てみると、確率的には優れた選手でなかった人の方が名監督になっていると言えるかもしれません。ビジネスにおける組織(チーム)のリーダーもそれと同じで、自身がプレーヤーとして優れているというよりも、リーダーとしてのチームの力を最大限発揮させることが重要になってきます。極論を言ってしまえば、チームの力が最大限発揮できるのであれば、自分自身は何もしなくたっていいのです


p31.創造的破壊を繰り返し、組織が常に発展していくように行動することこそ、リーダーの役割ではないでしょうか。だって、リーダー以外のメンバーは自らが自らの仕事を壊すようなことはなかなかしませんから


p33.リーダーが集中するべきことは、なるべく早い段階で仕組みを作り、自分がいなくても事業がまわるようにすることだと思います。このことは、決して自分が楽になるためという意味ではなく、リーダーにはリーダーの役割があるだろうということです


p44.リーダー自身が残業をしないように意識することが大切な理由として、チームのメンバーにとっては、リーダーが残業をしているのに自分が先には帰りづらいということも上げられます。それに、リーダー自身が残業するような状況は一時的にはいいかもしれませんが、それが慢性化しているようであれば、仕事や組織のしくみそのものを見直す必要があるのではないでしょうか


p48.マニュアル化するのは、まさに「頭を使わずに業務をこなすため」と言えます。自分の頭で考えないといけない仕事もたくさんあれば、作業的なものもたくさんあるわけです。そして、それらの仕事は頭を使わずに効率的にこなす方が成果が得られることもあります


p49.会社としての仕事の進め方が確立されているのに、それを新しくは言ってきた社員が継承せずに、彼らが自分なりの工夫で仕事をやるというのでは、効率が悪いばかりか成果にもばらつきが出てきてしまいます。企業はチームとして最短距離で成果を出す必要があり、そのためにマニュアル化をすることが最も効率的なのです。マニュアルがあることで、最も効率の高い仕事の進め方ができるとすれば、それを活用しない理由がありません


p50.マニュアル化することのメリットをまとめてみると、次のようなものになります。・業務の流れが明確になり、誰でもその把握が可能になる。・業務をやる人が変わっても、同じクオリティーが保証される。・ムダな作業の発見や削除に繋がる。・教育時間の短縮およびトレーニング労力の軽減が図れる


p55.ブレストや雑談のようなミーティングの中から新しいアイデアが出てくることだってあります。その場合、例えばオフィスから外に出てカフェなどでお茶をしながらやってもいいでしょうし、そういう目的の飲み会をやってもいいかもしれません


p64.世の中には他人に仕事を任せられない人がいます。人に任せて仕事のクオリティーが落ちるのが嫌なのか、あるいは自分でやらないと気が済まないのかわかりませんが、仕事の出来る人でこの傾向を持っている人は、とてももったいないと思います。なぜなら、仕事の出来る人こそ、任せられることはなるべく任せて、もっと違う分野で能力を発揮する方がチームにとっても有効だからです。だから、任せることができるなら、全部任せるべきです


p117.「この仕事をしてください」と言われても、いったいどの位の時間で、どの位の量をこなさなければいけないのか、この仕事の目的は何なのか、誰と一緒に仕事をするのか、何かあった時には誰に相談すればよいのか、その仕事の優先順位はどうなっているのか等々、具体的な指示がなければ仕事というものは適切に進めることが出来ません


p126.マニュアルはそこに書いてることしか考えないような、柔軟性に欠けた人間を作り出すという結論に結びつけられてしまうようです。確かにマニュアルは完全なものではありません。しかし、それはどんな良い薬でも副作用のない薬はないことに似ています。そして、マニュアルはこの種の副作用を補ってあまりあるだけの効力もあるのです







google adsense

関連記事

後藤利夫「あなたの知らない乳酸菌力」小学館

20140202222910 あなたの知らない乳酸菌力 (実用単行本)著者 : 後藤利夫小学館発売

記事を読む

no image

橘木俊詔・森剛志「日本のお金持ち研究」日本経済新聞社

著者が日本のお金持ちにアンケートを実施し、その結果をまとめて分析を加えたもの。日本の仕組みについて多

記事を読む

no image

遠藤秀紀「人体失敗の進化史」光文社新書

知的好奇心を擽られる。おそらく、「生物と無生物のあいだ」からの連想でこの本を手に取ったと思う。あちら

記事を読む

no image

松永真理「なぜ仕事するの」角川文庫

軽めの内容で読みやすい。著者が女性であることと仕事人であることの葛藤をテーマとしている。そういう悩み

記事を読む

no image

著者本人の視点/森博嗣「常識にとらわれない100の講義 」大和書房④

20130323013620 著者の作家本人の視点での経験を教えてくれるのが面白い 入学

記事を読む

Dustin Boswellほか「リーダブルコード」オライリージャパン

20140215005631 リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテク

記事を読む

no image

小林和之『「おろかもの」の正義論』ちくま新書

頭の体操として 「死んでお空の星になるのではなく、生まれてくるずっと前にお空の星だった」って、いうの

記事を読む

no image

チャールズ・R・ジェンキンス「告白」角川書店

何せ、本人が書いたのだから真実味を帯びている。この件にはテレビ報道でしか理解していない。しかし、同時

記事を読む

no image

花村萬月「父の文章教室」集英社新書

実は、氏の小説は一つも読んだことがない。気にはなってはいるんだが。この本を最初に読んだということは、

記事を読む

no image

田中靖浩「儲けるための会計-強い経営をつくる管理会計入門」日本経済新聞社

20090223190000 若干、古い本だが、管理会計の入門書として評判が良いので読んで

記事を読む

google adsense

google adsense

pay整理とKyashへの収束

20181209101111 ソフトバンク系と楽天系のポイントが

楽天ペイのアプリとローソン

20181208145713 Rakuten PayがPayPa

銀行の口座振替(引落し)設定の解除

20181207112040 とある事情で、とある業者への支払い

Pixel3の購入と現状の整理

20181120110248 Pixel初代とPixel2が日本

ドコモ「dアカウント」と「ポイント共有グループ」の整理

20181106112305 ドコモに3回線MNPの顛末(2

→もっと見る

  • 名前:Max 年齢:人生の2合目くらい 誕生日:夏の暑い日 一言:他言無用ということでお願いします
  • あわせて読みたい
  • にほんブログ村 本ブログへ
PAGE TOP ↑