後藤忠政「憚りながら」宝島社
ヤクザの歴史や論理が分かって興味深い。なぜ昔のヤクザは顔に傷があるのか。なぜ山口組が大きな組織となったのか。指を詰めるとは何か。ただ、読み進めるにつれ、内容的な驚きはなくなっていき、最後には退屈な感じもあった
国家から手のひら返しを受ける経緯とその実情も分かって面白い
公的と非公的の暴力機構との争いに決着がついているのに、劣勢をただ存在させるままにしておく理由。これが、民間のコストとなっていることが問題。本書ではひと思いに潰してくれと言わんばかりに。一方的に解散を宣言しても、「いやまだ根絶されていない。地下深く潜っているだけだ」とされるように思う
素朴には、こういう暴力機構のショッピングもしたい。公的なものは動きが鈍いときや、フェアネスの実現には適当でない場合があるものの、非公式なものは劇薬のようなところも
p36.顔を切りつければ、命に別状はないが、血が派手に出るから、相手は「ああっ」とひるんで逃げるだろ。ドスを持ってたって、刺しはしないよ。あくまでも切るんだ。脅しで。切っても死なないからな。それに傷害(罪)で済むだろ。昭和30年代には、殺し合いなんて滅多になかった。昔のヤクザやチンピラは、みんな頬に傷があるだろ
p49.昭和40年ぐらいまで、国家も警察もヤクザを“必要悪”として認めていたんだ。終戦直後の混乱期にはむしろ、治安維持にヤクザを利用してきたし、日米安保の時には左(翼)の連中や学生を押さえつけるために右翼やヤクザを使ってきたしな
p49.山口組だけは解散しなかった。田岡の親分だけが、警察に対して一歩も引かずに真っ向からやり合ったんだ。圧力に屈せず、国家権力と堂々と闘っていた。その親分の下に組織が団結して、まさに「鉄の結束」を誇っていたのが山口組だ。これがほかの組織にはない、山口組の強さだったんだな。それで頂上作戦で、警察に解散させられた他の組織をさらに取り込んでいって、逆に勢力を拡大していったわけだ。だから、われわれ若いもんは皆、山口組に憧れた
p70.ヤクザが指を詰めるという行為は、ひとつの“主張”なんだ。世間では、「下手を打ったら(失敗したら)指を詰めさせられる」なんて考えている人がほとんどだろうが、違うんだよ。「指詰めて始末しろ」なんて上から言われることは滅多にない。ヤクザ個人がそれぞれ自分の判断で、指を詰めるのが大半だ
p82.そんな付き合いができなくなったのは、山一戦争(1984年から89年に起こった山口組の分裂抗争)以降、ヤクザが世間から、本格的に「暴力団」と呼ばれるようになってからだ。あれ以降、世間が急にうるさくなって、「暴力団と関係している芸能人はけしからん」ということになった。それまでヤクザの新年会や忘年会に出ていた芸能人や芸人らが、次々に新聞や週刊誌から叩かれたんだ
p103.その時、思ったね。ああ、そうか、お前ら(学会)はいざとなるとこんな汚い手使ってきやがるんだな、と。そりゃ、国会だったら公明党使って、警察庁に圧力かけりゃあいい話だし、池田のお膝元の(東京)都議会でも、公明党は昔から与党だったしな。予算握ってるもんで、警視庁に圧力かけるのも造作はないわ
p135.野村秋介「ヤクザを含めて大勢の人が刑務所にこうやって来ているけども、主義主張で長い獄中生活を送るのは大変なこと。野村さん、ご苦労さんなことですね」と言ってくれたのね。この一言がいまだにそのときの風景とともに僕の中にこびりついていて、印象深い
p139.「判りました。野村さん三千万出しましょう。しかしオレは、誘拐されている石川という青年とは、縁もなければ義理もない。あくまでも野村さんの“ロマン”に賭けるんです。そのくらいの金なら、私の家を担保に入れたって何とかなりますよ。思い切って、存分にマニラを駆けめぐってくればいい……」これが後藤氏の私への返事だった
p143.俺が帝国(ホテル)に行ったら、糸山がいい格好してたんだよ。どっかの大学の空手部のあんちゃんたちをボディガードにして、その周りをサツが囲んでてさ。それで、野村さんや俺の目の前で「建設会社は、私のパーティー券を買って当然だ」みたいなことを言うわけだ。「建設政務次官の時に、(建設会社の)面倒をいろいろみてやったから、それぐらいの恩返しはしなきゃいかん」とか。あの時はまだ笹川(良一)が生きてたから、野郎(糸山)も強気でさ。「俺のバックは笹川だ」という態度がミエミエだった。けど、俺から言わせりゃ、(笹川なんて)ただの「A級戦犯」だろ?って話だ。本来、絞首刑になってもおかしくないようなA級戦犯が(巣鴨)刑務所から出てきた途端にデカイ面しやがって、たかがバクチの胴元じゃねえか。しかも競艇といったら、競馬、競輪と並ぶ「公営ギャンブル」だろ? なんで競艇だけ、笹川の財団法人がやって(運営して)るんだよ? 自民党や政府をたらし込んで自分だけいい思いしやがって、何が「人類皆兄弟」だ(笑)
p148.マスコミってのは、人を傷つける仕事なんだ。サツでもないのに、人を追い詰めて、追い詰めて、最後には命まで取っちゃうんだからな。ヤクザでも、仇でない限り、そんなことはしない。それで
散々人を傷つけといて、会社を倒産させといて、その記事が間違ってたら、数行で「すみません」なんて謝る
p163.結局、特捜には3回ほど呼ばれたんだが、(特捜部の事情聴取は)実に嫌な感じだったなぁ。俺からちょっと話を聞いては、(聴取を)中断して、ツツッと上の階に上がって、20分もしたらまた下りてきて、「この先の話を、もう少し教えてくれなきゃ困る」とか言ってさ。その繰り返しだよ。しかも毎回、夜の8時ぐらいから呼ばれるもんで、ひょっとしたらパクられるかもな……と思ったけど、そうはならなかったな。それにしても、竹井さんは口が堅かった。あの脱税事件では、ミッチー(故渡辺美智雄・元蔵相)とかに、上手に(立件されないよう)頼んでたんだから。同じ栃木出身だから、パクられないようにして(捜査に圧力かけて)くれって。結局、ミッチーは何もせず、竹井さんはパクられちゃったけど。ミッチーのほかにもいろいろと手を打って、それで何十億も使って、追徴課税や罰金でまた十何億か取られてな。執行猶予とろうと、色んな財団に何十億も寄付したりしたけど、結局、実刑食っちゃったな。あの事件では、100億ぐらい消えたんじゃないか?
p172.この頃からだ、「後藤組」の名前が、俺自身が知らない間にあちこちで使われるようになったのは。俺とよく銀座に飲みに行ってた連中も、自分の“仕事”に絡んで、(後藤や後藤組の)看板を、いい調子で使ってたんだよ。そりゃ、あまりに度が過ぎると、「いい加減にしろよ」ぐらいのことは言ったよ。けど、こいつらに「使うな」と言ったって使うんだから。かといって使用料を取るわけにもいかんだろ(笑)。後になって、とく人から、事件モノとかに絡んで「あの時は、後藤さんの名前が出たんで、ちゃんと処理しといたんですよ」なんて、よく言われたよ。こっちからすれば、「あんたに何かしてもらった憶えはないよ」っていう話なんだけど(笑)。他の組織の親分さんからも、身に憶えのない事件で「あなたの名前が出てたから、私はあの時引いたんです」なんて聞かされたこともあった。そのうち世間様から「経済ヤクザ」とか呼ばれ出して、東京のあらゆる経済事件に、俺やウチの組が絡んでるかのように言われ始めたんだ。何かありゃ、「後藤だ」「後藤組だ」って。まるで俺が日本の経済を支配してるみたいにな(笑)。「そんなわけないだろ」と笑ってたけど、べつに実害がないから放っておいたよ。「人々をしてその言うに任せよ」だ(笑)。ただ、他人様が勝手に膨らませている虚像に自分が呑み込まれないよう、絶えず気をつけていたのは確かだ。政治家でもなんでも、世の中で凄いと言われている人間の大半は虚像だ。それに胡座をかいたら、人間、終わりだからな。人として堕落するだけだ
p182.ヤクザである限り、極道の代紋掲げている限り、あの映画(『ミンボーの女』)を見て不愉快にならんかった者は当時、ひとりもいなかったはずだ。そう感じないヤクザがいたら、どの顔下げてヤクザやってるのか見たかったぐらいだ。ここまで公衆の面前で、映画という公のメディアでバカにされて、面子潰されて、それでもケジメを取らないなら、ヤクザじゃないと思ってたよ。この映画が公開される1ヶ月前に暴対法が施行されたから、この映画は、暴対法のPR映画みたいなもんだった。この監督が、サツのつゆ払いをするのは自由だが、それにしちゃあ、あまりにもヤクザを馬鹿にした、おちょくったような映画作ってくれるじゃないか、と。おまけに警察庁の幹部なんかがこの映画を見て、マスコミとかで絶賛して、この監督はこの監督で、記者会見で「この映画で、私はヤクザにケンカを売ったんです」とか言ってたんだ。そんな時に起きたのが、あの(襲撃)事件だ。べつに命まで奪ったわけじゃないし、「どこの組の奴か知らねえが、粋なことやってくれるじゃないか」と。「どこの組か分かったら、差入れでもしなきゃな」と、最初は思ってたくらいだ(笑)。で、俺の中ではそれで(事件のことは)スッキリと終わってたんだが、半年経ってウチの若い衆が捕まって、「えーっ! ウチだったの!」ってなってな(笑)。いざ自分の組の話になると、頭痛いなあ、と(笑)。警察には、これまで以上に徹底的にやられるだろうし、マスコミや一般社会からも非難囂々だろうし、若い衆に弁護士付けてやらなきゃいかんし、起訴されたら懲役長いだろうし、その間、家族の面倒は見てやらなきゃいかんし……「えらいこっちゃなぁ」って。それまで、他人事のように見てた(襲撃)事件が、いきなり自分の組の話になったもんだから、これはキツかったな
p190.一般の人は、ヤクザの金は後が怖いなんて思ってるだろうけど、それは違うんだな。話さえまとまれば、キャッシュはすぐに用意できるし、ちゃんと返せば文句は言わないし、最後に(金を)食い逃げしても、いちいち捕まえて引っぱたいてたら、身体がいくつあっても足りんじゃないか(笑)。実際は、ヤクザが辛い目をみることのほうが多いんだよ
p208.小沢(一郎・民主党幹事長)さんがいまだにやってる“ドブ板選挙”はやっぱり強い。田舎に行って、たとえ100人しか住んでないような所でも、2時間も3時間もかけて、ひとりひとり握手してさ。たかが100人というけれど、この100人は間違いなく票になる。実際にそこまで行って、顔を合わせて握手すりゃあ、その人は必ず票を入れるから。それにこの100人が、小沢さんに熱いものを感じたら、さらに100人を動かす。そうやって票を積み上げていくんだ。地道に固めた票は、浮動票と違って数が読めるから、だからあの人(小沢)は選挙に強いんだな
p211.世間の人は、政治家と付き合ったら、何か得すると思ってるみたいだけど、そんなこと、まったくと言っていいほどない。小遣いくれるわけでもないし、持ってくるネタはガセネタばかりだ
p223.別れた後もそれなりの面倒は見るんだよ。だから別れてからも、そのおネエちゃんたちは俺のファンだ。そりゃ別れる時は怒るけど(笑)。だから、さっき話した政治家の連中みたいに、別れた後で刺される(告発される)なんてことは一度もないわ
p270.あの時はまだ、暴対法が憲法に触れるといって、社会でも問題になってたんだよ。マスコミも実際に(暴対)法が施行される前から「問題があるんじゃないか」と大々的に取り上げてたし、左翼の連中なんかもデモとかしてたしな
p271.そのうちに「組織犯罪処罰法」(組織的な犯罪の処罰および犯罪収益の規制等に関する法律、2000年施行)とかいう新しい法律もできてな。しかし、あれ(組織犯罪処罰法)なんか、そもそもオウムの事件(地下鉄サリン事件)をきっかけにできたものなんだろ? それがいつの間にかヤクザにも適用されるようになって……。あんな頭のおかしい連中と一緒くたにされたら、ヤクザもたまったもんじゃないよ
p273.坂本弁護士の一家が殺された事件でも、テレビで、あの「河上」(和雄・元検察官。現在は弁護士で、日本テレビ客員解説員などを務めている)とかいうヤメ検が、「あんな事件は素人ができるもんじゃない。ヤクザじゃないとできない。神奈川県警じゃ、後藤組の犯行と見ている」とか、堂々と言うんだもの。テレビのコメンテーターとかいう連中はホント、いい加減なこと言うよな。けど、後から聞いたら、神奈川県警じゃホントに、ウチの関係者が関わってるんじゃないかって見てたオマワリも多かったそうだ
p281.もう日本では、本気でヤクザを潰そうと思えば、潰せるところまできている。ただ、今すぐになくさないのは警察の思惑に過ぎない。ヤクザがいないと困るからな、警察も。取り締まる相手がいなくなったら、予算が取れないだろ。おまんまの食い上げになっちゃうもの。けれど、その反面、(警察がヤクザを)トコトンまで追い込もうとしているのは間違いない。自分たちの退職後の食い扶持を守らにゃならんから。自分たちの天下り先を確保しようと思ったら、「暴力団追放」っていう錦の御旗を掲げて、パチンコ屋から、建設会社からヤクザを叩き出すのが一番、手っ取り早いもんでな
p282.ある組織の幹部が家を建てたらしいわ。それを自分の知り合いの建設会社にやらせた。この建設会社はヤクザとは何の関係もない、まったくの堅気の会社だったんだが、近頃は不景気なもんで、大きな工事もなくて困ってて、おまけに金を余計に払ってくれるというから、喜んで引き受けたらしい。ところが、工事の後、警察がその建設会社を読んで、「(その幹部とは)どういう関係だ」と根掘り葉掘り聞いたそうだ。それぐらいだったらまだいいが、警察はその後、県や市に通報して、その建設会社を(公共工事の)指名停止に追い込んだあげく、銀行にも連絡して取引停止にしたんだ。今は警察が銀行に圧力かけて、融資を止めさせるなんてことも、簡単にできるらしいな。おまけに(警察は)大手ゼネコンにまで「この建設会社を下請けに使うな」と言ったもんだから、結局、この建設会社は倒産に追い込まれたんだよ。昔は建設会社が、ヤクザの家を建てたはいいが、金を払ってくれないもんで警察に泣きついて、それでヤクザがパクられる、なんてことはあったよ。けど、堅気の建設会社が、ヤクザの家を建てただけで、なんで倒産に追い込まれなきゃならないんだ? その建設会社にとっては、ヤクザだろうと堅気だろうと客は客なわけだろ。あまりにも可哀想過ぎやしないか
p284.法律にも触れてないのに、小さなところでは、さっき話したヤクザの家建てた建設会社から、大きいところでは「反社」と繋がりがあると言われた不動産会社まで、銀行から融資をストップされて、バタバタ倒産に追い込まれるって、どういうことなんだ? こういう銀行の姿勢が、社会の金の流れをストップさせてるんじゃないのか?
p285.べつに俺は「ヤクザにも人権がある」とか何とか、人前でサヨクみたいなことを言うつもりは毛頭ないよ。憲法に「基本的人権の尊重」なんて書かれてるんだから、当たり前の話じゃないか。けどな、ヤクザ本人はともかく、子供にまで責め苦がくるようなやり方は、人としておかしいんじゃないか。ヤクザの子供のなかには、親がヤクザだって知らない子もいるし、親がヤクザであることで悩んでる子だっているんだよ。それはそれで、その親と子が解決すればいい問題で、何もわざわざ銀行が子供に「お前の親はヤクザだから、うちの銀行は使わせないよ」と言うことはないだろ
p297.住職はすでに、俺がいずれ仏の道に入ると確信していたそうだ。そして「あの時、私はきっと人生かけて、あなたを背負っていくようになると悟ったんですよ」って言うんだな。いやぁ、恐れ入ったよ。実際に他人の名前を身体に刻むってのは、ものすごい覚悟が要るからな。驚いた以上に、嬉しかった。この人は命懸けで、俺のこれからの人生を背負ってくれるんだと思ったよ
p307.それからしばらくして、熊本さんは裁判官を辞めるんだけど、実はその判決文には「付言」というのが付いていた。「袴田さんの調書は45通もあるのに、1通しか証拠として採用されていない」とか、「判決は死刑と結論付けているけれども、審議を尽くしたとは言いがたい」というような内容の「付言」を熊本さんは付けたんだな。高裁、最高裁で判決がひっくり返るのを願って
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