ティナ・シーリグ「20歳のときに知っておきたかったこと」阪急コミュニケーションズ

公開日: : 最終更新日:2011/09/20 書評(書籍)



表紙が美しい。近年に稀というくらい。モノクロでなければもっとよかった


全体として、オーガナイズされていない印象を受ける。もっと編集できたはず。全体として主張がわかり難い


ただ、各論としてはメモに値する事例の紹介が多い。たとえば、「プールに落ちる水滴」の喩えは上手。また、5ドルで何ができるかという課題。つかみとしては十分


著者が経歴と違うことを現在行っているのは印象的


いま調べてわかったこと。著者の担当する講座のゲスト・スピーチのpodcastを数年前に聞いていた。おもしろいので珍しく継続していた。ただ、本人の声はキンキンとしてちょっと耳障りなんだけどな


http://ecorner.stanford.edu/authorMaterialInfo.html?mid=2266




p17.サン・マイクロシステムズの共同創業者で、ベンチャー・キャピタリストとしても成功をおさめたビノッド・コースラは、明快にこう言っています。「問題が大きければ大きいほど、チャンスも大きい。大して問題でもないものを解決しても、誰もカネを払ってはくれない」


p53.ジョンがビジネス・スクールに行こうと思い立ったのは、ほとんどの大学院で願書の受付を締め切った後でした。後がないジョンは、常識破りの方法で、願書を目立たせようと考えました。志願者はふつうすばらしい業績を書き連ねるものですが、ジョンは、親友であり刑務所で同房だったと称する元教授の推薦状をつけたのです


p70.わたしが新しい名刺を見せたときの父の困惑ぶりには面食らいました。名刺には「社長 ティナ・L・シーリグ」と書いてありました。わたしは自分の会社を興し、名刺をつくったのです。父は名刺をしげしげ眺めた後、わたしに向かってこう言いました。「自分で自分のことを社長なんて名乗れないよ」。父の経験からすると、誰かが引き上げてくれない限り、トップになどなれないのです


p83.成功を阻む最大の壁は、自己規制だということです。デビッドはこんな風に言っています。「並はずれた業績を達成した人々の最大の味方は、ほかの人たちの怠慢である」


p92.こうした文化の対局にあるのがシリコンバレーです。失敗はイノベーションのプロセスの一部として、当然のことと受け止められています。ベンチャー・キャピタルのドレイパー・フィッシャー・ジャーベットソンのパートナーであるスティーブ・ジャーベットソンは、「失敗こそシリコンバレーの強みの源泉」だと言います。KPCBのランディ・コミサーは、「失敗を財産だと見られるかどうかが、起業家が生まれる土壌の目安になる」と言います。ランディはまた、「一度も挫折したことのない人を見ると、経験から何かを学べたのだろうかと不思議に思う」とも言っています


p104.友人はある日、思い切って聞いてみました。どうして切れ目なく女性とつきあえるのか、と。すると、こう答えたそうです。「単純なことだよ。魅力的な女性がいたら、片っ端からデートに誘っているんだ。なかにはイエスと言ってくれる娘もいるからね」。この男性は、数少ないヒットを打つためなら、どれほど空振りしても気にしなかったのです。ここから、ごく一般的な教訓が引き出せます。外に出て、多くの物事に挑戦する人のほうが、電話がかかってくるのをじっと待っている人よりも成功する確率は高い、ということです。この逸話は、わたしが父から言い聞かされてきたこととも一致しています。父はよくこう言っていました。「あれこれ言っても結果が変わることは滅多にない。だが、結論が出るのが早くなる」と。決して、言ってもらえることのない「イエス」を待って、ぐずぐずしていてはいけません。遅いよりは早いほうがいい。早ければ、成功する確率の高いチャンスにエネルギーを注ぎ込むことができます。これはさまざまな場面であてはまります。仕事を探すときにも、出資者を探すときにも、デートの相手を探すときにもあてはまるのです。要するに、壁を押し続け、途中の失敗をものともしなければ、成功に突き当たる確率が高まるのです


p129.身近な人たちは、キャリア・パスを決めたら、そこから外れないように期待するものです。照準を定めたら、あくまでそれを追い求める「打ちっ放し」のミサイルであるよう求めるのです。でも、物事はそんな風にはいきません。何度も進路を変えた末、ようやく自分の能力と興味に合致するものに出会える場合がほとんどです。これは、製品を開発したり、新しいソフトウエアを設計したりするのに似ています。うまくいくまで実験を繰り返し、いろいろ試すことが重要なのです。自分にはこれしかないと早いうちに決めつけてしまうと、行き先を間違う可能性が高いのです


p145.イギリスのハートフォードシャー大学のリチャード・ワイズマンは、幸運について研究し、「運のいい人たち」には、一般の人よりも幸運を呼び込みやすい共通の資質があることを発見しました。第一に、目の前に転がってきたチャンスを活かします。自動運転で気楽に行くのでなく、周囲で起きることにたえず注意を払うことで、そのときどきの状況を最大限に活かせるのです。こうした人たちは、コミュニティのイベント情報に詳しく、近所に誰かが越してくればいち早く気がつきます。同僚が困っていて助けを必要としているのに気づくのもこういう人たちです。運のいい人たちは、未知のチャンスを歓迎し、経験のないことにも積極的に挑戦します。よく知らないジャンルの本を積極的に読み、あまり知られていない場所を旅し、自分とは違うタイプの人たちとつきあおうとします


p149.学生を地元のショッピング・センターなど、馴染みのある場所に送り込みます。何店かを回り、ふつうは「目に見えない」ものに注意を払う「実験」を遂行してもらいます。学生は、音や匂い、手ざわり、色などに気づきます。そのほかにも、店の組織や、客に対する店員の応対といったことが見えてきます。おなじ場所なのに、以前は気に留めもしなかったものを次々と発見するのです。学生は、いかに目隠しした状態で日常を過ごしていたかに気づき、愕然として戻ってきます


p162.お礼状は書いて当たり前で、書かないのはよほどの例外だと思ってください。残念ながら、実際にそうしている人は少ないので、マメにお礼状を書けば目立つこと請け合いです


p164.人との関わりはすべて、プールに落ちる水滴にたとえられます、関わりが増えれば、水滴はたまり、プールの水深は深くなります。ポジティブな関わりは透明な水滴であり、ネガティブな関わりは赤い水滴です。ふたつはおなじではありません。一滴の赤い水を薄めるには、透明な水滴が何倍も必要です。そして、その数は人によって違います。とても心の広い人なら、わずか2、3滴で赤い水滴(=嫌な経験)を帳消しにしてくれるかもしれませんが、それほど寛大でない人なら、多くの水滴が必要かもしれません。そして、ほとんどの人にとって、プールの水はゆっくりと排出されていきます。そのため、むかしの出来事よりも、つい最近の出来事が気になります。この喩えから、ポジティブな関わりがたくさんあれば、一滴の赤い水には気づかない、と考えられます。大海に赤いインクを一滴垂らすのに似ています。ただし、よく知らない相手だと、たった一度の嫌な経験で、大きなプールがたちまち真っ赤に染まります。ポジティブな関わりを増やして、ネガティブな関わりを帳消しにすることはできますが、赤色が濃ければ、プールの水をきれいにするのは大変です。わたしは経験のなかで、どうしても水がきれいにならないときがあることを知りました。そんなときは、その人との関わりをやめるべきなのです


p177.ガイ・カワサキが言うように、「つねに高潔であろうとすべきです」。ガイはさらにこう続けます。「高潔な人は、お返しができるとはかぎらない人を助ける。当然ながら、自分の力になってくれそうな人に親切にするのは簡単だ。だが高潔とは、絶対に自分の力になれないとわかっている相手の力になることだ。カルマと呼んでも構わないが、心が広く他人の力になる人は、相手もまたお返ししたいと思うものだ」


p183.アメリカ海兵隊をはじめ軍隊では、一般原則として「三つのルール」を活用しています。長年、試行錯誤を繰り返した末に、大多数の人間が遂行できるのは一度に三つまでであることを発見しました。その結果、軍事システム全体がこの点を反映するよう設計されているのです。中隊長は三人の小隊長を束ね、小隊長は三人の分隊長を束ね、分隊長は三人の班長を束ねます。陸軍では「四つのルール」を試しましたが、効率は目に見えて落ちたそうです


p212.父は人生を振り返って、いちばん大切な教えをこう考えているそうです。「自分に対しては真面目すぎず、他人に対しては厳しすぎないこと」。自分や他人の間違いにもっと寛容で、失敗も学習プロセスの一環だと思えればよかった、と。いまの父ならわかるのです。過ちを犯しても、大地が揺らぐことなど滅多にないのだと




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  • 名前:Max 年齢:人生の2合目くらい 誕生日:夏の暑い日 一言:他言無用ということでお願いします
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