タル・ベン・シャハー「ハーバードの人生を変える授業」大和書房

公開日: : 最終更新日:2011/09/10 書評(書籍)



原題はEven Happierらしい。しかし、邦訳では、ハーバード大学の講座の内容であることの宣伝が喧しい。「これが、世界最高学府の学生たちを最も熱狂させた授業」などとのキャッチフレーズ。しかし、内容はオーソドクスであり、人生訓なので、学力の高さとは関係なかったりする。邦題と内容のマッチ度は悪い



原題とのマッチ度は高い。「もっと幸せに」。多くの切り口から行動規範を提案している。人生をよくしようと普通に努力している人間が、年を経て収集する情報という程度であろう。とりわけこの類の本をよく読んでくると、今回をもってことさらに目新しい情報はそれほどなかった。ので、今回のメモは少ない。しかも、他者の発言の引用ばっかりだったり



確かに、ここまでのことを大学生の段階で整理して教えてくれるのであれば、そしてそれが心理学の当てはめであって、知識の詰め込みと違うのであれば、人気のある授業になるのかもしれない。しかし、ハーバード大学ということは、それでもブランドを借りている部分の過剰さは感じる



本の装丁は良い。別にモノクロだからというわけではない。シンプルなところ、日本語と英語の両方のフォントのチョイス、縦書きと横書き、フォントの大きさ、それらのバランスが美しい



ちょっと訳者の露出が多いかな。著者まえがきよりも、訳者あとがきのほうが長文字数が多い。著者よりも訳者のほうが人物紹介の文字数が多い。大丈夫かいな





p16.デューク大学医学部のマイケル・バビャクらは、うつ病と診断された患者の大半にとって、週3回、1回30分間の運動を行うことは、抗うつ剤を服用するのと同じような効果があるという研究結果を示しました。しかもいったん治療が終了すると、薬物治療を行ったほうの患者は、運動療法を行った患者に比べ、4倍もの割合でうつ症状を再発しやすいというので。では、運動は抗うつ剤を服用するのと同じなのか、というとそうではありません。もっと適切な言い方をすれば、「運動しない」ことは「憂うつになる薬を服用しているのと同じようなものなのです



p17.ハーバード大学医学部の精神科教授であるジョン・レイティは次のように述べています。「ある意味、運動は医者にとって夢のような治療法といえるでしょう。運動は、うつ病に深く関連する不安やパニック障害、そしてストレス全般に効果があるのです。運動は、精神疾患の最も重要な薬と同様の効果があるノルアドレナリン、セロトニン、ドーパミンといった神経刺激伝達物質の放出を促します。ひと汗かくことは、適量のプロザックやリタリン(代表的な抗うつ剤)を服用するようなもので、心身を正常な状態にしてくれるのです」 そして運動には、自己評価や思考力・免疫力を高める、寿命をのばす、よりよい睡眠が得られる、よりよい性生活を行えるといった副次的効果があることもぜひつけ加えさせてください



p39.生活の中の「ビジネス(busines)=忙しすぎ(busyness)」を減らしましょう。「意義」と「楽しみ」の両方を感じられる活動に没頭する時間を定期的にとるようにしましょう。たとえば、家族と一緒に過ごす、ガーデニングをする、ひとつのプロジェクトに集中する、瞑想する、映画を観るなどです 「シンプルに! シンプルに! シンプルに! することを2つか3つに絞るのです。百や千では多すぎます。百万ではなく、半ダースで十分です」(作家 ヘンリー・D・ソロー)



p49.逆説的ですが、自分は失敗に対処できるという自信は、「失敗すること」により強化されます。なぜなら、私たちがずっと怖がってきた失敗という化け物は、考えているほど恐ろしいものではないからです。実際に失敗したときのつらさよりも、失敗するかもしれないと感じるときの恐怖のほうが、じつは私たちを痛めつけるのです



p62.「物事をはじめるには、話をやめ、行動を開始することだ」(ウォルト・ディズニー)





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