山根一眞「メタルカラーの時代2」小学館文庫
公開日:
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書評(書籍)
20111224103333
山根一眞「メタルカラーの時代1」小学館文庫 | hiogの次の巻
ガスタービンの話を、大震災後の電力供給不安のなかで自家発電で注目されていたところで見たのが印象的。多摩六都科学館にも模型があり、インフラ好きとしては欲しかったりする
フェイルセーフの思想とその当てはめに関する信号の話は、いまでも最も印象に残っている。手元にフォトコピーで控えを取った。人間は頼りにならず、機械にまかせる。機械が監視しているときだけ安全に物事を進め、機械が止まってしまうときには、物事も止めてしまい暴走させないようにする。分かってみれば当たり前のことだが、意識しなければ知ることもできない
p20.1973年にラオスで2万ボルトの配電線工事中に感電しました。手違いでスイッチを入れられた。背中から火花が出るのが見えたそうで、上着の背中が全部溶けました。少なくとも100アンペアは流れた。感電による火傷は、体の内部なので外から見てもわからないんです。しばらくして手がハムのようにぶくぶくに腫れ、重くて苦しくて「切断してくれ!」と叫んだそうです
p52.津軽海峡は日本海から太平洋に抜ける一方通行の潮流が主なんですが、これが非常に速く6ノット。人間の歩行の3倍です。深度も最深部で約300メートルある。霧もよくかかる
p59.わが社も加わった国際共同開発の「V2500」というジェットエンジン、エアバスA320などに使われていますが、開発費は約4000億円。投資の回収には15-16年かかる。これだけお金がかかっていて、しかも高性能でコンパクトなエンジンを、他の用途に使わない手はない。ムリして使っているわけじゃないんです
p67.今日を見越し、1971年のB滑走路延長時に、この12車線分のトンネルだけは完成していたんです。トンネルというより滑走路下の巨大空間ですね。滑走路の下を後から掘るわけにはいきませんので。もっとも今回、その補修が大変でしたが
p105.人類が火を使い始めたころ、獣が寄ってこないよう夜も火を絶やさなかった。これも青信号なんです。火がついているときが安全
p107.「安全」って実に抽象的なものなんです。英語でも危険は「ザ・ハザード」と定冠詞がつくが、「セーフティ」にはつかない
p108.安全だけは機械に任せたほうがいい。人間がヒューズの代わりに電流計の張りを1日中見ているなんて、とてもできない。「何かあったら止めてください」とお願いしたって、人間はもっと楽しいことをやるようにできているわけで、そんな寂しい仕事に神経を集中するようにできてないんです。たまたまできたとしても、人間は、元来そんなに頼りになるものじゃないんです
p137.リンガーハットでは、キャベツをアクア・ジェットで切ってます。ノズルをくし型につけたラインにキャベツを流し、いっぺんに切っちゃう。社長は、「刃物の刃先は必ず欠ける。その破片がお客さんの口に入るようなことは絶対あってはならん」というのでアクア・ジェットカッタを買われた。あんな高いものをお買いになるとは、偉い決断ですねぇ
p138.鉄筋コンクリートのコンクリート部分だけ切り取り、鉄筋を残すこともできる。水ならでは、ですね
p147.時計は3つ使ってますから3つとも間違えることはないでしょう
p269.通訳者としての能力は女性のほうが明らかに高い。科学的根拠はないんですが、経験則で断言できます
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