石巻「投資家保護と証券市場(大機小機)」日経2012/3/23

公開日: : 書評(新聞)



20120331001414


最近、大機小機と経済教室が妙に気になるんだよな。政治はもとよりマーケットも企業業績も経済もすべてマンネリ。あと面白いのは身近なところの首都圏くらいかな


石巻氏。同じAIJを扱っても、ちょっと前の渾沌氏とはかなり違うトーン

渾沌「資産運用産業の時代への備え(大機小機)」日経2012/2/29


いいねー。ほれぼれするところあり。強調部分。インサイダーは、そもそも情報を隠すこと自体がどうかと思うが、それ以外は同意


筆者は、マーケットの仲介者か? TOKYO AIMへの距離を置いた扱い方を見ていてもそう思う。規制過剰を知り、それを利用しようとせず正論を吐くのは、それも大手どころではない属性か?


石巻氏については、盤側氏や渾沌氏と違って、ネットではほとんど取り上げられていない




大機小機 投資家保護と証券市場


市場において「リスクなきところにリターンなし」は人口に膾炙(かいしゃ)するようになった。では「投資家保護」の意味はどうか。投資の初心者などは「投資で大損をしないこと」と考えるかもしれない。だが、それは正しくない。


投資家保護を定義すると、インサイダー取引や偽計、相場操縦、虚偽記載といった不正な手段や技巧を排除して、商品内容の情報を開示し、適正な取引業者と公正な取引ができるための市場を提供するということに尽きる。


保護の水準は私募と公募、プロとアマで差が設けられているが、投資家が想定外の損をしないよう情報開示や説明義務が課され、リスクの量が分かるようにすることと、投資家をだます反則行為がないようにすることで十分とするものだ。あわよくば、と狙う投機家も参加するのが証券市場である。投資家保護は言い換えれば、高度化・複雑化するリスクを投資家に転嫁するための必要手続きである、と考えることもできる。


今般のAIJ投資顧問による年金資産消失問題は、金融商品取引業者にあるまじき行為として裁かれるべきだ。一方で、厚生年金基金などはこうしたハイリスク商品への投資について管理や自覚が必要であったのであり、被害者ではあるが重い受託者責任を負っていることも事実である。


国民や証券市場が「失敗は成功のもと。不正なことがないなら負けても投資家責任だ」と割り切ることができないとすれば、そうした捉え方の方にも問題はないだろうか。これまでも不祥事が起こるたびに投資家保護が唱えられ、証券市場が規制されてきた。例えば上場審査手続きの煩雑化や、上場後の経営自由度を縛りかねない諸規制などが挙げられる。「TOKYO AIM」などの新興市場が活性化せず、リスクマネーを証券市場で供給できない故に、ベンチャーですら間接金融依存となり事業リスクを大きく取らないことは、成長の障害となっていないだろうか。


潜在成長力を具現化するため、成長産業の芽を探し育てる必要に迫られている日本には、投資家にも企業にも使い勝手のいい証券市場が欠かせない。日々動く市場運営は自主的なルールやモニタリングに委ね、法令化は必要最小限の規制だけにすべきではないか。もちろん看過できない公益を侵す者に金融商品取引法での処罰規定が厳しく発動されるのが大原則だ。


(石巻)


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