「廃線再生! 京都トロッコの立役者(特集/「鉄道」再起動)」週刊東洋経済2012/02/25

公開日: : 書評(雑誌), 週刊東洋経済



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ここまで真剣にできるほど、おもしろい、大切な、期待された、そんな仕事があるのだろうかと思った




・初めて現地を訪れた日、長谷川は「あぜんとした」という。廃線決定から2年。そこは、かつての“景勝地”とは程遠い世界だった。枕木は腐り、線路は錆び、沿線にはゴミが散乱していた。「雑草が生い茂って、竹がダーっと生えててね。(保津)川なんてまったく見えない」。業者を雇おうにもカネがない。休日、長谷川を先頭に社員が自転車で現地へ行き、草や竹を刈り、ゴミを集めた。「机を拾ってきたら脚が3本しかない」とぼやきながら、総出で車庫を改装し、社屋を作った。迎えた開業日、4月27日は満員御礼。地元住民は長谷川ら社員の苦労を見ていたのだ。そして、客が客を呼んだ。結局、初年度は計画の3倍に当たる68万人を乗せて走り、売上高3.8億円。いきなり単年度黒字化を達成してしまったのだ


・駅務の合間を縫い、長谷川は線路脇と対岸の山の中腹にもみじと桜の幼木を植え始めた。数年をかけて、自らの手で計7000本。「もみじは年を取れば取るほど色鮮やかに紅葉する。山桜の寿命は300年、山もみじの寿命は400年。里山には手を入れてやらないかん」。秋、トロッコ列車に揺られ、嵐山トンネルを抜けると、乗客らが歓声を上げる。車窓はもみじで真っ赤に染まり、保津川を挟んだ対岸は赤やオレンジのグラデーションに彩られる。春になれば列車はピンク色の桜の下を走り抜ける。長谷川が20年前に植えた木々は今、「嵯峨嵐山の景観」となった


・失意の辞令から7年後の98年、長谷川は“念願”だった支社長を拝命する。京都に骨を埋めるつもりだと本人はごねたが、一笑に付され、しぶしぶ和歌山支社に赴任した。「会議・会議・会議でつまらない」。和歌山での2年間、長谷川は異動願いを出し続けた。言い訳を作っては支社を抜け、嵯峨野へ顔を出した。長谷川の情熱に、本社も根負けした。00年、長谷川は念願かなって、嵯峨野観光鉄道社長へ復帰。2度目の“栄転”がないよう、自ら申し出てJRを退社し、完全移籍した







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