林則行「「銅メダル英語」をめざせ!」光文社新書
20120818045503
英語って、やっぱり、日本人にとってのひとつの引っかかりなんだと思う。英語関連はスルーできない魔力を感じるし、このような本も今後も読んでしまうのだろうと思っている
タイトルから期待できるような、直接の英語の勉強法のようなものも載っている。そして、その説明もおもしろい。例えば、getの説明とか
しかしそれだけでない面白さがある。その辺もかなり多く、下のメモになっている。英会話では黙っている時間を作ってはいけない。ニコニコしている必要がある。これが、日本語だと日本社会の不満たらしく偉そうで断定的な上司になり、英語だと気立ての良くフレンドリーで理解力ある上司になってしまうという、奇妙なダブルスタンダードの話になって出てくるのが愉快だ
たまたま、持っていてiPhoneに入れていたFriendsのことが出ていて奇遇でうれしかったりする(FriendsのDVDを買って、英語の字幕つけてiPhone4Sに搭載して、ビデオとして見る | hiog)。自分て単純だ
p30.どうして単語を並べただけでもビジネス英語上問題がないのか? 実はそれが英語の特性なのです
p34.ただ黙っているだけだと相手は恐怖心を持ってしまうのです
p37.国際的なコミュニティの中で日本人だけが「何を考えているかわからない」と、得体のしれない生き物のように思われるにはそれなりの訳があるはずです。その一つが間の長さではないかとぼくは考えています
p94.ぼくは、米国の大学院に留学した2年の間、疑問文なしで通しました。卒業するときでさえ、疑問文をさらりとしゃべるだけの語学力は身につきませんでした。その経験から「疑問文は当面忘れていい」と言っています
p97.「文末のイントネーションを上げるだけなんて嫌だ」と思う人には文末にRight?を付けるのをおすすめします
p100.世間では「日本人は本音を言わない、英米人は単刀直入に話す」と言われていますが、ぼくの経験では真実はこの逆です。日本人は本音をよく言います
p106.みなさんにおすすめする英語表現は、very good, good, not very goodの3種類です。面と向かってbadを使う機会はあまりないと言っていいでしょう
p112.getの基本的な第1の意味は「くっつく」です
p115.現在形と過去形だけで済ませましょう。ただし、例外がひとつだけあるのです。それがhave gotです。ぼくがこれまで聞いてきた英語は、圧倒的にhave gotの形が多かったです。現在形のgetにはあまりお目にかかりません。getを使う場面はほとんど継続性があるからです。極端に言えば、第1の意味で使うgetはいつもhaveを伴うと考えていただいてかまいません
p116.getが持つ2つ目の意味は、「~するようになる」というものです。be動詞と似た意味になります
p119.人以外はあまり主語にしないということです
p139.アクセントに関する法則はたったの1つ。「英単語には強く発声する箇所と弱く発声する箇所がある」というルールだけです
p151.ピンチ会話術に不可欠な2つの英語表現をご紹介します。1) I cannot answer your question directly, but(その質問には直接答えられないですが) 2) What do you mean?(どういう意味ですか?)
p164. I’ll give you a tentative yes.(一応、OKだよ。) これは「完全にはYesではない」という含みがあるので、後から「やっぱりだめだ」と言い逃れることができます
p196.教授は最後の授業を、「交渉はふっかけだよ」で締めくくりました。それを聞いていた学生たちの間にはどよめきが起こりました。MBAではもっと高度な理屈を駆使した手法が紹介されるんだろうと思っていましたが、交渉の本質はこんな「簡単な原理」だというのです。目からウロコが落ちた状態で、皆一瞬席を立ち上がれませんでした。それほどまでに衝撃的だったのでしょう
p200.交渉を担当するのは英米でもエリートだけです。交渉の極意を身につけた人が冷徹な作戦に出てきます。そして、その最初の提示が「ふっかけ」となります。それを正当化するまことしやかな理屈と押しの強さでせまってくるのです。値段だけがふっかけの対象ではありません。日本人は細かい点を突かれると、「そこまでは調べていない」と正直に言ってしまいますが、それでは十分な仕事をしていないような印象を相手に与えてしまいます。こうした際に欧米人は、We are working on it.(そこは調査中だ)と言います
p203.「現場」に相当する英語はありません。海運会社はかなりグローバル化の進んだ産業で、自社の宣伝を英語でするのが得意です。その中の1社は自社の強みが「現場主義である」と英文パンフレットに記載していました。英語はそのまま「GENBA」でした。もちろん、説明的に訳すことはできますが、それを聞いた英米人には日本語のこのニュアンスはつかめないでしょう
p221.英語は使わなければ、力が落ちます。ぼくは以前に、1ヵ月間、英語をまったく読まなかったときと、これとは別に英語をまったく聞かなかったときがありました。どちらの場合により力が落ちたかというと、リスニングをしなかったときでした。1ヵ月間読まなかったときは、復帰した最初の2週間は速度が上がりませんでしたが、すぐに元に戻りました。しかし、1ヵ月間まったく聞かなかったときは、聞き取りの力だけでなく話す力も落ちていました。その理由は、聞き取りのほうが読みに比べてより英語脳を使っているからです
p223.何回も見たくなる作品を選んでください。2回目には1回目でわからなかったところがわかるようになることが新たな楽しみになります。見るだけでなく、俳優の表情や身ぶりを真似しながら英語を口にするのも楽しいものです
p227.ぼくのおすすめは『フレンズ(FRIENDS)』です。1994年の放送開始以来、10年の長寿番組となりました。6人の主役の出演料は、当初は1人1本当たり30万円だったのが、最終回には1億円になったという評判です。最終回の視聴者は5000万人を上回ったと言われています。おすすめする理由はとにかく笑えること
p234.英語を話す際に心がけていただきたいのは「にこにこ」することです。これが最も簡単に英語をうまく聞かせるコツです。英米人は日本人以上に、にこにこしながら会話をするからです。これだけでぐっと英語上手に見えます
p237.中国の文化では「謝謝(ありがとう)」はあまり言いません。日本に帰化した中国人の友人は「向こうに戻って大学の恩師を訪問した際に、つい『謝謝』と言ってしまったら、教授から『水臭くなったな』と言われたよ」と言っていました。彼によれば、日本人は中国人よりも「ありがとう」をよく言うそうです。彼はこの日本の慣習に慣れたようで、中国に帰って親しい間柄の人に「ありがとう」を言い、他人行儀な印象を与えてしまったようです
p238.部長は英語で話すときはにっこりして話すのですが、日本語になると笑顔がまったく出てきませんでした。会議が終わったとき、同僚は「あの人、君に敵意を持っていたのか? なんで君と話すときはつまらなそうな顔をしてたんだ?」とささやきました
p240.英米人は損得の理由だけでにっこりするのではありません。相手への思いやりをにっこりで表します。英米では大臣や社長でも自分の女性秘書を先に部屋に通します。この際に、”After you.”(お先にどうぞ。)と素敵な笑顔を見せます。初めのうちは、ぼくはこうしたCEOたちの姿を見て、「なんと優雅に紳士的に振る舞うのだろう」とうっとりしていました。英米人と交わるうちに、成功している人ほど目下や弱者に対して優しく接し、相手をリラックスさせる雰囲気を持っていることに気づきました
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