佐藤優「小さな出世に拘泥せず大きな出世をつかめ(知の技法 出世の作法 第240回)」週刊東洋経済2012.04.07
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どこかで一廉のものがないといけないというとき、このような信頼とか一貫性についてのものは、生来的なものと違って努力でどうにでもなるように思う。その努力をするつもりがない、というところが、やっぱり生来的なものなのかな
・プーチンが38歳でKGB(旧ソ連国家保全委員会)第1総局(現在のSVR[露対外諜報庁]の前身)を退職したときの役職は中佐だった。この年齢で中佐というのは、KGBにおけるプーチンの出世は遅いほうである
・プーチンはモスクワに引っ越し、大統領総務局次長を務めた。大統領総務局は大統領府とは別に大統領に直結する機関で、大統領府に所属するホテルや不動産の運営や、職員への住宅や別荘の割り振りなどの地味な作業を行う部局だ。同時に、小規模な利権も持っている。ここでプーチンは、ロシアの海外資産に対する管理を担当した。当時は旧ソ連の国有財産が民営化される過程だったので、ほとんどの大統領総務局幹部が不正蓄財に手を染めたが、プーチンは腐敗や汚職に関与しない潔癖な人物であるという評判が立った。この評判をエリツィンが耳にし、プーチンに関心を持つようになった
・エリツィン家の内情に通じた4人から、プーチンを後継者に決めた理由について以下の話を聞いた。「エリツィンは、プーチンに何度か『サプチャークと決別せよ。そうすれば後継大統領に指名する』と持ちかけた。それをプーチンは、『恩義のある人と決別することはできません。後継大統領に指名されなくても構いません』と断った。それゆえにエリツィンも、その家族と側近の寡占資本家(オリガルヒヤ)も、『失脚し何の力もないサプチャークへの恩義をここまで強く感じているプーチンならば、われわれを裏切ることはない』と考えたのだ」
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